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正心誠意と誠心誠意   一考   

 

 朱子学の「大学」を総括する三綱領の細目八条目が格物、致知、誠意、正心、修身、斉家、治国、平天下である。朱子学は江戸期の官学で「朱子学は生きた天神のごとく、徂徠派は玄蕃の火の見のごとく」などと揶揄されている。
 朱子学において要とされたのが上記の「格物致知」だが、陽明学では「誠意」を要とする。江戸期は正心誠意が通例として用いられていたようである。それでなくとも勝海舟は幕閣のひとり、正心とするは当然のこと。
 時代は下り明治中期、貨幣経済の滲透による商業主義の渦中にあって、陽明学が持て囃されるのは理の当然。また同じ頃、日本語にも急速に変化が顕れる。例えば句読点がそれである。文芸の分野では尾崎紅葉や山田美妙が明治十九年五月の我楽多文庫で用いたのを端緒とする。
 要は日本語にはさしたる歴史も伝統もないと云いたい。句点と読点は数年のあいだに入れ替わってしまったが、現在の読点「、」には打つべき基準もなにもない。
 現在、編まれる辞書の類いは明治以降の文化の上に胡床をかいている。しかも地域的におそろしく限定されている(この件に関しては掲示板1.0で詳述)。日本語の問題点は正誤にあらず、慣用にあるとかねて思っている。

追記
 テレビ朝日のアナウンサーが氷川清話を「ひかわしんわ」と読んでいた。モーニングバードでのはなしである。


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2011年09月14日 17:51に投稿された記事のページです。

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