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「わ印」の作家   一考   

 

 腎不全で透析治療を受けていた団鬼六さんが六日午後二時六分に亡くなられた。享年七十九歳。死因はある種の合併症で、胸部食道癌。透析治療を受けるのが嫌で一年ほど拒否なさっていたが堪えきれず、04年から透析に這入られた。昨年四月、癌の治療中であることを公表。透析をはじめて七年なので長命になるが、腎不全で癌を患うとどうにもならない。

 震災の映像がテレビで放映されるたびにこんなことがあっていいのかと目を覆いたくなるような心境である。
 老婆が泥だらけになった孫のランドセルを手にしながら、孫の姿を懸命に探していたり、震災で親をなくした子供たちが里子に出されるなどという報道を聞くと、まさに戦後さながらの殺伐とした状況に戦慄さを覚えるのである。自ずと遠い昔、私が中学生であった当時の戦後に自然と思いは馳せる。
 当時は日本政府なんてものはあってなきにしの如くで、アメリカ人の管理下に置かれた不甲斐ない状態で、当時の飢え、貧困をはじめ、不衛生、犯罪、人の安否、求職などの不満を一体どこにぶつければいいのかもわからなかった。
 家も、食べ物も、親戚も、金もない、という人間がいたるところに溢れていた。あるのは命だけだった。・・・
 命しかない。けれど、命がある。これが希望である。この震災で多く尊い命を失ったがここにある命はそして経験は脈々と受け継がれ大河となるだろう。希望を絶やしてはいけない。(鬼六最後のブログより)

 人間にはそれぞれの価値というものがある。それが個性になり、魅力になり、その人の器になっていくわけだ。人に敬われるだけの人間が価値あるってもんじゃないでしょ。(鬼六ブログ)


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2011年05月06日 22:10に投稿された記事のページです。

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