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期限内独裁   一考   

 

 国会図書館にいらした西来寺さん来店。はなしは当然、震災と原発に終始する。
 神戸では復旧、復興に必要な労働者は大阪や東京から大挙して這入った。今回は地元優先で雇用すべきである。そうでなければ、岩手、宮城、福島三県の海岸部の就労者八十四万人は行き場を失う。北茨城市にある大津漁港では漁に出られない漁師らを市の臨時職員として採用することを決め、双葉郡八町村の各役場では避難者を臨時雇用する制度をスタートさせたという。しかしそのような雇用で何が片付くわけでもない。せめて二、三十万人は傭わなければならない。そのための政令を発布すべきと思う。

 原発の問題ひとつを取ってみても、菅首相の能力を超えている。と云うよりは閣僚や各省庁を使いこなす能力が端から欠落している。官僚を凌駕する能力が菅首相にあればともかく、実態は惨澹たるものである。首相たるものの確たる信念が微塵も感じられないのである。亀井静香が提唱している与野党を幅広く糾合した救国内閣を樹立して、国難を乗り切る以外に手立てはない。ところが、ことここに至っても連立とか副首相格とか、政局絡みもしくは政権延命しか脳裏に浮かばないようである。
 震災対応の協力と連立とは次元の異なる話である。協力するに際して、どうして入閣しなければならないのか。連立は平時に民主的な手続きを経た上で行うべきであり、震災の混乱に乗じての連立など可笑しかろう。菅首相は政権公約(マニフェスト)の抜本的見直しに触れることなく、閣僚増員でもって自民党に連立を呼びかけた。これでは断られるのは当たり前である。相手に責任を転嫁して政権延命を図ろうとしていることが発覚してしまった。
 このような非常時こそ、小沢一郎の出番だろうに。彼なら三日を経ずに大連立を拵える。そして連立のためなら、自民党であろうが共産党であろうが、他党の党首を首班に据えるに違いない。西来寺さんは田中角栄がいればと仰有っていたが、政治のダイナミズムをもう一度味わいたいものである。いずれにせよ、最悪の首相のときに最悪の厄災が降りかかった。
 菅首相の出自は市民運動だが、この市民運動ほどいかがわしいものはない。市民運動としての公共性を主張するためには代表性や公益性についての考察が必須となる。市民運動において、市民の名で行われるものが、常にすべての市民を代表するものとは限らない。市民運動が特定の市民の意見、いわゆるノイジー・マイノリティによって誘導されるのは必定である。菅の市民運動の底辺には特定の政治的利益集団の陰が常に見受けられる。
 民主党と比して自民党の事務能力の高さは評価する。とは云え、現在54基の原発を122基にまで増やそうと政治指導によって構想したのは自民党である。統一地方選前半戦の民主党惨敗は納得がいくが、その票が自民党に流れるのはさらなる問題を生じさせる。

 阪神・淡路大震災時には、復旧、復興の関連法十六本のうち三本が一箇月以内に、八本が約四十日で成立した。今回は未だに一本の関連法すら成立していない。「民主主義とは期限を区切った独裁だ」と明言して憚らない菅首相である。独裁を保持するために「保身」と「隠蔽」が続けられる。菅首相と岡田克也幹事長、亡国の徒とはこのことか。


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2011年04月14日 16:53に投稿された記事のページです。

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