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Oの物語   一考   

 

 皆さんにご迷惑をお掛けした。連絡を頂戴した櫻井、ヒロ、ヒデキ、愛子さん各位に感謝申し上げる。顛倒現場に行き会わせた後続車両の運転手、現場に駆けつけてくださった滝沢弘幸さんとその友人に深謝。弘幸さんはバイクを赤坂の駐輪場まで搬送、まったく動かれない私を弘幸さんの友人は病院まで付き添い、車椅子の手配其他諸々繁雑な手続きをしてくださった。
 骨折は十七年ぶり、以前は両手の拳の骨折だったが、今回は足首、それも剥離骨折なので痛みの種類が異なる。二箇月間は松葉杖との格闘が続きそうだが、二、三日は痛みで松葉杖どころではない。
 痛みのみならず、高熱を伴うので本を読むような状況にはないが、慶應義塾大学病院からの帰り、高遠弘美さんと学研のみなさんが本を持って御見舞いに来店。Oの物語にちなんで、O見舞いのためにだそうで、これには思わず苦笑い。
 先に紹介した鈴木創士さんのジャン・ジュネと共に高遠弘美さんの「Oの物語」の完訳が上梓されたのは嬉しい。澁澤訳と比して百七、八十枚が増補されたと聞く。このような文学史の書き換えに直接結びつく訳書が陸続と出版されるのはなににもまして喜ばしい。熱さえ引けばゆっくり読ませていただく。

 完訳Oの物語 ポーリーヌ・レアージュ 高遠弘美訳 学習研究社 定価2000円


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2009年07月16日 04:38に投稿された記事のページです。

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