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モルト・ウィスキーと為替   一考   

 

 インポーターから日々十通を超えるメールが入るようになった。これをどのように解釈すればよいのだろう。取引が活発になったのなら慶賀なことである。しかし、そうとは思われない。売れ行きが鈍く、扱いが多品種少量にならざるを得ないのであろうか。近しい友に聞いてみると、高級品はさっぱり売れなくなったという。
 インポーターの多くは半年契約もしくは通年契約をしている。契約期間が長ければ一ポンド二百五十円が二百三十円になる、といった類いである。まさか為替が百三十円にまで変動するとは誰も思っていなかったに違いない。先日も書いたが、ゴードン&マクファイルのボトルが二十一年もので三千九百円にまで下がったが、これなどはほんのごく一部で、大方はまだ下がらない。その理由はインポーターの在庫にある。去年の春から夏にかけてモルト・ウィスキーの値が暴騰した、ダグラス・レインのブローラが八万円の類いである。その暴騰期に購入したボトルが売れずに残っている。在庫が捌けるまでは、現在の為替相場で入荷してもおいそれと下げられないのである。
 為替相場だが、現況はあと二年はつづく。続くというより、欧州の金融はこれから第二幕を迎える。ポンドもユーロもさらに下がるとわたしは思っている。暫くは我慢比べだが、おそらく五月になれば雪崩を打って安価なボトルが出回るのでないだろうか。十年ほど前のように八百円位で飲まれるモルト・ウィスキーが増えてほしいと願っている。

 ポート・エレンの値が下がっている。八十年代の生産量がよほど多かったのか、ファイナル・ヴィンテージがいくらでも出てくる。ひところ三万五千円の値が付いていたが、一万五千円にまで下がった。逆に、コールバーン、コンヴァルモア、バンフ、グレンユーリー・ロイヤル、グレンロッキー、グレンアギー等、八十年代に閉鎖された蒸留所のモルト・ウィスキーが高騰著しい。
 ところで、ボトラーものならシルバーシールなど、ディスティラリーものならマッカランやボウモアの高級品、ヴィンテージものに贋ボトルが出回っている。ヤフオクでも大阪、京都の出品者で指名手配された輩が複数いる。いずれも中味はブレンド・ウィスキーだが、ラベルはカラーコピー、コルクが新しいので注意すればそれと気付く。以上はイタリアのコレクターの談だが、オークションは要注意だそうである。

追記
 早速クレームが付けられたので一言。多くの業者がオークションに出品なさっている、それら出自の明白なボトルに問題はない。要注意と書いたのは個人の出品に限られる、それもごく一部が問題なのである。


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2009年03月13日 20:18に投稿された記事のページです。

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