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一過性   一考   

 

 昨日、クーラーとトイレが設置され、天井の照明が通電された。溶接の際に生じる鉄屑がバックバーの鉄板のそこかしこにこびり付いている。もう一度、ディスクグラインダーをかけなければならない。鉄粉ならびにコンクリートの粉塵の除去に悩まされそうである。
 工事というのは状況のいかんを問わず、粉塵との闘いである。何度拭こうが、洗おうが、吸い取ろうが、作業が終わるまで繰り返される。截ったり張ったり穴を開けるのもさることながら、一番の大事は掃除なのかもしれない。何処の現場もそうなのだが、一枚捲ると粉塵だらけである。表面を取り除くととんでもないものが顕になる。外からは窺えないものや内部にひそんでいるものがむき出しにされる。謂わば、ひとの仮面を剥ぎ取るようなものである。
 例えば、男子の性愛などもおよそ身勝手かつ傲慢なものだが、ひとはそれを取り繕いそしらぬ顔を決め込む。男子であり、愛人であり、亭主であり、旦那であることの権威や権力の行使が素知らぬ振りの根拠となる。おおい隠す、うわべを飾る、身づくろいをする、体裁ぶる、どのように言い換えたところで実態はなにも変わらない。
 身勝手さを露わにするために、私は自らの妄想を連れ添いに隠さない。ある種の妄想の表明は身勝手を逆手に利用することになる。恋愛は妄想にはじまって妄想に終わると私は思っている。謂わば妄想ごっこである。ただし、この妄想は時としてひとの矜持、プライドをひどく傷つける。他方、妄想は文学や哲学の苗床ともなる。それらをうまく共存させる術を私は持たない。おそらく、不器用なまま死んでゆくに違いない。ただ、死んだときには一考という粉塵が消え去る。消え去るとは忘れ去られることである。拭き取る必要も、洗い落とす必要もなにもない。


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2007年10月16日 14:21に投稿された記事のページです。

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