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とりとめなく   一考   

 

 今朝は六時半に帰宅、一滴の酒を飲むことすらかなわなかった。五月七日以降、はじめて死ぬように顛れた。きつい厭世気分に陥っている。ちはらさんをお送りしたあと、川越街道へ出てからはひどい運転で、急ブレーキを一度ならず繰り返し、自宅へ辿り着けるのかと不安になった。
 彼女から、「一考さんは土曜日はいつもこんなに疲れ果てているのですか」と訊かれた。どうやら、毎週、金曜日にエネルギーを使い果たしているようである。それにしても、この種の鋭敏な感覚は怖い、ほんの一握りの表現者が備える感覚である。穎敏な頭脳の持ち主とは彼女のようなひとを指すのかもしれない。

 「攪拌」で書いたように、自らの疲れを言訳に勝手な物言いを繰り返している。昨夜もりきさんやそえさんにつらく当たった。申し訳なく思っている。こころにもなきことなれば、どうかお気になさらぬように願う。
 そして松友さん、まなさん、上條さんに感謝している。上條さんには閉店までお付き合いいただいた。朝の九時に家を出たので脚はかなり与太っていた、彼がいなければ無事に終えることはかなわなかった。

 のんちさんに肩を揉んでいただいたが、かような体験は七年ぶりである。ピアニストの強烈な握力と指の力を思い知らされた。あれは並みの方なら痛みに耐えかねて逃げ出すのではないかと思う。人工呼吸や心臓マッサージを施せば肋骨の一本はかならず折れる。骨がぼきぼきと音を立てているのが聞こえた、ここちよい肉体の悲鳴にしばし酔いしれた。

 昼過ぎ、Fさんの訪いあり、葡萄一房と少量の桜桃を届けてくださった。このところ、食することに嫌悪を通り越して憎悪感すら抱いている。かかる折になにかに心を摧いていただき忝なく思っている。
 あなたのことは心配していない、だが、心はともかくも、身体は少しはいたわって下さいますかとの言葉を頂戴する。玄関先でのほんの二、三分の立ち話、果実には「風吹不動天辺月 雪圧難摧澗底松」とのメモ紙が挿まれていた。桜桃を口に含み、ひとり号泣する。


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2007年06月10日 19:14に投稿された記事のページです。

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