アベイヒル社からいささか下種なラフロイグがボトリングされます。2000年蒸留、2006年瓶詰、57.5度のシングルカスクです。
品性悪しく獰猛、素行の不良なウィスキーの典型です。若いだけあって樽の影響が少なく、パワフルな味わいが堪能できます。当然、冷却濾過は施されず、添加物も一切使われていません。
樽の影響が及んでいないウィスキーを素顔のウィスキーといいますが、これはひとにあっても大切なことで、形振りは時としてもしくは場に即応して捨て去らねばなりません。刷り込みを却け、幼心に戻って懼れを抱いて相対する。それがウィスキーの翻ってはバーにおけるもっとも大切な所作でなかったかと思うのです。
アベイヒル社はスコットランド・アバディーンに本拠を構えるボトラー、キングスバリー社の関連会社と言われています。過去数回に渡りボウモアのシングルカスクを角瓶でリリースしています。そちらはあまり感心しなかったのですが、今回は期待できます。頒価は七千四百円の予定。