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アードベッグ2   一考   

 

 先日、アードベッグについて書いたが、ベルギー市場向けのディスティラリー・ボトルが三種入荷している。

 ARDBEG 1972/2004 for BELGIUM CASK No. 3038  44.2% 70cl 総生産148本 当社在庫6本   91,200円(税抜)
 ARDBEG 1974/2005 for BELGIUM CASK No. 2738  53.1% 70cl 総生産75本 当社在庫6本   90,000円(税抜)
 ARDBEG 1974/2006 for BELGIUM CASK No. 3324  53.9% 70cl 総生産118本 当社在庫18本   86,400円(税抜)

 ちなみに当社とはTHREE RIVERSである。昨今のシングルカスク限定品と比して格段に安価である。しかし、いまの私には手が出せない。
 今日は昼に家を出て、インプレッシブのアードベッグを追加購入してきた。昨夜開栓し、おきやまさんと試飲したのだが、背中がぞくぞくするようなアイラ・モルトだった。エイコーンが扱ったキルブライド(ラフロイグ)'99、4年もの60度の香味と通底するモルトで、強烈なインパクトがあった。
 インポーターはウィスク・イーで、テイスティングノートにはスモーキーなレモンキャンディー、シナモン、グレープシード、ヨード、焦げた古い木、ハーブ等とあるが、まずなによりも初手の薬品臭を大書しておきたい。二十年近く前に飲んだアードベッグは間違いなくこの種の薬品臭を持っていた。水に醸造用アルコールと消毒液を入れて攪拌するとアードベッグになるというのが持論で、私にとってアイラ・モルトとは不味いウィスキーの代名詞だった。
 美味いが個性なら優等生、不味いが個性なら前述した「強烈なインパクト」をひとに与える。スケバンを張っていたとか、務所帰りとか、ストリッパー、娼婦、ポン中等々、私のまわりには歯痒くなるような個性に満ち溢れた女性が多くいた。はがゆい、もどかしい、じれったい、なんでもよろしいが、彼女たちは世の中のなにひとつとして思いどおりにならないことを知っていた。その心のいらだちをわが身の責任に転嫁する。酒も睡眠薬も覚醒剤も文学もそしてマゾヒズムも、ことごとくは転嫁の結果である。さまざまな屈折を経てひとは生死の狭間を転げ落ちてゆく。真っ当なひとが文学に興味を持つなんてやめてくれと叫びたくなる。
 そのような阿鼻地獄を思い起こさせるインプレッシブ(こころに残る)な酒、それがかつて出遇ったアードベッグだった。


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2007年05月10日 18:55に投稿された記事のページです。

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