まいりました、脱帽です。
高遠さんの表稼業も飛切りの読書家、裏稼業に語学教師あり、さらには妙なる翻訳業あり、身体器官論ならぬ身体空疎論を地で行く夢見の達人です。
お化け小説などちゃんちゃら可笑しくて読めますか、というのが「無頼」の論旨でした。しかし、小生がごとき書き込みを真面目に受け取るひとがいればどう対処しようかとの不安に苛まれていました。喪われ行くものを守る智慧、ハゲを知らずと申します。空疎から「う」を取り除いたものや迂闊がぷかりぷかりと裏川をのどかに流れるようになれば、世の中もうすこし平和になるのではないかと愚考します。
父の遺言にあんパンとまじめを食することなかれとございました。あんパンの生地には多量の砂糖が加えられ、それがしっとりした食感をもたらすのです。潤いや風情のある人生を送ってはならないとの誡めではなかったかと解釈しております。後者は融通をきかせろということかと思っていたのですが、どうやら沈静の意、漁師言葉のまさめを指していると気付かされたのです。朝夕のまさめは好漁の潮時です、されば転じて財を成すな。これで父の遺言の趣旨が諒解できました。
真面目はひとをヒステリカルにします。しかしながら、書物を自分を主張するアイテムと心得るがごとき信天翁と愚骨鳥だけはピストルでズドンと一発かませたくなるのです。