ですぺら
ですぺら掲示板2.0
2.0








moonさんへ  | 一考    

 どうせ、二年後ぐらいには動かれなくなるので、そうなれば神戸へ帰ります。それまでは一日でも長くですぺらを続けたいのです。いろんなことをしてきましたが、モルトウィスキーが最後のお勤めになります。
 このところ、血圧がまた異常に下がりはじめました。低い方が65から69、一箇月か二箇月後には再度輸血が必要になるでしょう。高血圧から低血圧へとジェットコースターのような目まぐるしさです。その度に心臓に負担が掛かり、疲れやすく目眩いや頭痛がひどくなります。今日は最悪の体調で、椅子を並べて寝てるところへお客さん来店、相澤さんの詩について話し込みました。
 住居の方は、山梨から通うわけにも行かないので、八潮か三郷辺りで決めるつもりです。

 昨日、ポロロッカでヤリ烏賊の姿寿司を見付けました。柚子がもう少し利いていればさらにおいしかったのですが、文句は云いますまい。神戸では好物のひとつでよく造ったものです。鮨米も烏賊も禁制品ですが、久しぶりの姿寿司に堪能しました。今日は鯛の子を見付けました。炊き合わせに高野豆腐を用い、こちらも久しぶりの夜食です。東京で生の鯛の子ははじめてです。独得の苦みが磯の香を思い起こさせます。明石の魚の棚で種村さんと酔っ払ったことが目に浮かび、無性に酒が飲みたくなりました。


投稿者: 一考      日時: 2010年04月10日 03:06 | 固定ページリンク




月例コンサートのお知らせ  | 一考    

杵屋三七郎さんの邦楽夜会が新宿ゴールデン街のナベサンで催される。
4月14日(水)夜8時より、料金は飲み代のみだが、おひねりは歓迎される。
杵屋三七郎さんのホームページは以下のごとし。

 http://37ro.com/00top/index.html

杵屋さんは飲み仲間であり、わたしの邦楽に関する知識は彼の受け売りである。
穏やかだが非凡、もっとも非凡な方はみなさん穏やかである。
ひとの顔色ばかり窺っている長髪で青白い顔をした自称芸術家が多いなかにあって、心身共に抜きんでた逸材である。


投稿者: 一考      日時: 2010年04月06日 19:53 | 固定ページリンク




余命  | 一考    

 一日からひとりの生活がはじまった。別れというものは何度経験しても淋しいものである。一人でいるのに慣れるまで一箇月ほど掛かる。あるべきところにあるべきものがない、謂わば風景の損壊がこころに傷をもたらす。わたしはこの手の傷に滅法弱い。身体に異常がなければ酔っ払って誤魔化すのだが、今回はそうもいくまい。とは云え、この淋しさは転居するまでの感慨であって、新宅ではお構いなしになる。否、そうあってほしいと願っている。
 余命は計算では三年半、それはともかく、一人なので、昏睡状態だけはなんとか避けたいと思っている。そのために外食も控えている。貧血の理由になるようなことは極力避けたいのである。三年半というのはおそろしく短い。あっという間に過ぎ去るに違いない。だからこそ、不用意な真似はしたくない。存分に手脚を伸ばした三年半であってほしいと願っている。


投稿者: 一考      日時: 2010年04月05日 01:40 | 固定ページリンク




moonさんへ  | 一考    

 大阪の画廊での「湯川成一と湯川書房ゆかりの美術家たち」展は存じ上げています。初日に露愁さんもいらしたようですね。露愁さんがわたしの病気をご存じなので驚きました。きっと掲示板をお読みなのでしょう。
 掲示板に書き込む時間はまったくなくなりました。今日も朝から不動産屋巡りで、夜は店でオークションの荷造りです。サイクルパーツはあと一週間で売り切れそうです。それが済めば食器と雑誌の販売に取り掛かろうかと思っています。
 家の方ですが、50平方メートル7万円を目安に探しています。都心部でも大森、旗の台、六本木、麻布十番、白山、高円寺、西新井、葛飾の水元、特に足立区と葛飾区では多数見付かったのですが、駐車場代を入れるといまいちの物件ばかりです。間違いなく歩かれなくなるので、車は必需品です。
 高円寺の物件は禁煙とかで、幹郎さんと大笑い。今日行ったところは川口の峰地区の一軒家で家賃は4.8万円ですが、おつりのくるトイレで驚かされました。十分に広いのですが、庭木が多くて閉口、また引越しのトラックが近所まで入られません。もう一軒は4.9万円ですが、こちらはかなり改装費が必要です。台所の床の張り替えですが、30万円以内で済みそうなら思い切って住もうかと思っています。いずれにせよ、あと一週間は探すつもり、決まり次第ご連絡致しますので、どうかよろしく。


投稿者: 一考      日時: 2010年04月04日 22:34 | 固定ページリンク




近況  | 一考    

 何時になるかはともかく、引越の用意として「国民健康保険特定疾病療養受療証」を市役所で発行してもらった。「戸田市重度心身障害者医療費受給者証」は戸田市内の病院しか通用しないからである。書類は指定医でなくても主治医でよいと云うことで、浦和と戸田を二往復して片付けた。おかげで睡眠不足、ふらふらしている。これから医療費は身体障害福祉課へ、薬代は国民健康保険課へと手間が煩雑になるが、負担額は一万円に抑えられる。
 三月末日ぎりぎりでオートバイの廃車手続きが済んだ。これで今年の車税がいくぶん安くなる。廃車手続きは二度目なのだが、いつ経験しても難しい。詳細は書かないが、あの広い陸運局のなかを何度行きつ戻りつさせられたか。最後に税務署へ申告書を提出するが、係の女性が「これで全部終わりました」と云ってくださったときは嬉しくて涙がこぼれ落ちそうになった。

 このところ掲示板への書き込みもなく、心配をお掛けしている。毎日、不動産屋回りに明け暮れている。今日は草加から北越谷まで足を延ばした。流石に北越谷まで行くと安価な物件があるが、赤坂まで車で一時間半掛かる。これには考えこんでしまった。
 三十分遅れの開店になったが、神戸からのお客さんがあった。山本六三さんや湯川成一さんのはなしになったが、途中で岡田露愁さんの近況になった。露愁さんはわたしが過去出遇った絵描きのなかでは最も才気煥発な絵描きだった。絵描きと書けば叱られるかもしれない。あらゆるチャンネルへ越境し続ける御仁である。過去にクルヴェルやラルボーのカバー絵でお世話になった。下記ホームページのガラス絵をご覧あれ。どこかで見た絵が出現するはずである。

 http://www.roshiw-art.com/index01.html

 露愁さんと多くの書物を造りたかったのだが、儚い夢となってしまった。ただ、彼が元気なことを伺い、わがことのように嬉しい。


投稿者: 一考      日時: 2010年04月03日 22:09 | 固定ページリンク




「冬至の薔薇」について  | 一考    

 子供のころ、自分の死を持ち歩くように、いつも詩集を小脇に挿んでいた。有明、清白、朔太郎、そして吉岡実であり田村隆一だった。そこへ相澤啓三の詩集が加わった。
 先日「冬至の薔薇」が書肆山田から上梓された。彼の詩集はいつも遺書の形を取る、それは分かっているのだが、今回は特にその感が強い。巻頭を飾る「冬至の薔薇」と巻末に置かれた「まだ見ぬかたの花」のコレスポンドンス、「アントン/アントン」の後方に位置する「革命」と「非在のノイズ」、そして「島」、詩の一篇、一篇がどうしようもない地歩を占める。彼の詩は順序を違えると理解できなくなる。かくまで冷徹な計算によって組み立てられた詩集が他にあったろうか。
 詩は私でなければならぬ。この当たり前のことをひとは等閑(なおざり)にする。私小説という言葉が遣われた意味はともかく、「冬至の薔薇」一冊はすぐれて私集といえようか。
 作品が作者を離れて独立するというようなことをしたり顔で宣うひとがいるが、作品はその人そのものである。人品骨柄のことごとくは作品に如実に反映される。人格が不明瞭な作品は精神と情念との相剋が未分化なだけである。そんな詩が持て囃される時代にあって、相澤啓三の私はまさに詩として屹立する。
 心ある人は戦中戦後を生きてきた、革命のためだけに。「沈黙の音楽」から「マンゴー幻想」に至る作品にはその苦衷が詳述されている。その「心」を相澤さんはかなぐり捨てたようである。形振りを構わなくなった詩人の絶叫がここには流れている。静と動、あるとないと云った弁証法を越えて、相澤啓三は非在のノイズのなかに深く身を沈める。

  あらゆる言葉がけがされるなかで
  「革命」ほど汚辱にまみれたものはない

 上記の二行から「革命」は書き始められる。長い詩なので引用はしたくない。詩の引用がなにを意味するかは掲示板でさんざん書いてきた。ただ、最初と最後だけを引用する。後は読み手次第である。

  言葉よ眠れ 唾されるがままに
  いま言えないことを浮かび上がらせるために
  深い傷の底へ 言葉よ沈め 見えないアクションをもって

  踏んでゆくしかないそこが ペダルとなって鳴る
  不可解な革命 もしくは永遠に回帰して心を乱しつつ
  光の繭をつむいでは闇に呑まれる音楽

 革命のあらゆる方策があらゆる刃が自分に向けられてゆく。「どこでもいい 自分でないところなら」。子供のころ、ひとはなにものかを睥睨して生きている。そしてある日気付く、睥睨すべき対象はどこにもなかった、ひとり、自分自身を除いて。(文中敬称略)


投稿者: 一考      日時: 2010年03月26日 03:41 | 固定ページリンク




夏蜜柑  | 一考    

 眼鏡を買ってきた。世の中が隅々まで一段とよく見えるようになった。45歳のときにはじめて眼鏡を誂えたのだが、その折は大旨1.0だった。63歳になって相当進んだように思っていたのだが、1.5だった。老眼の進捗はかなり遅い。もともと視力が良かったせいなのかもしれない。
 今日はいろいろと買い物を済ませたのだが、ロジャーズで夏蜜柑を見付けたのは嬉しかった。いつぞや見舞客が持ってこられた罐詰のなかに夏蜜柑が入っていた。それと同じ商品が120円で売られていた。ロジャーズはやはりバッタ屋である。食欲がなくなったときにこれは最高の贈り物になる。ついつい箱で買ってしまい、雨のなかを大事に抱えて車へ急いだ。今日の夜食は夏蜜柑である。
 「物買ってくる、自分買ってくる」耕衣さんが柳宗悦から掻っ払った言葉だが、わたしもしばしば用いる。書画骨董から雑器に至るまで、自らの眼力にひとは金を出すのである。蜜柑罐ひとつにしても、旨いものから拙いもの、どっちでもないものに分かれる。この場合は眼力ではなく舌力であろうか。自分の記憶や意識の有り様が即存在を意味しないが、意識が働いている限りにおいて、ひとはそれを信じるしかなさそうである。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月25日 20:51 | 固定ページリンク




昏睡其二  | 一考    

 気を失うような痛みとか昏睡状態は何度か経験済みなので、どうということはないが、のんちさんには初めての経験でさぞかし驚かれたと思う。重ねてお詫び申し上げる。
 わたしにしても、出来るだけ避けたい状況である。通常、あのような状態は貧血で起こることが多い、そちらは愛子さんが先達なので、昨日はなしを伺った。大旨諒解できたが、わたしは二日前に血液検査をしている。その検査では血圧に異常はみられなかった。もっとも、大腸からの下血以来、大量の輸血はしたものの、血液は慢性に不足している。それにしてもと医師は小首を傾げる。山崎さんに分からないものはわたしにも分からない。とにかく、食事のすぐ後のことゆえ、一種の貧血に違いはないだろう。増血剤でも飲むしかなさそうである。
 直接ですぺらへいらした方、または電話で多くの見舞いを受けた。こちらを借りて御礼申し上げる。moonさんからは長文のメールをいただき恐縮している。文中「連れ合いや伴侶なんて最近では全く宛てにならないのですから」には笑ってしまった。わたしは今週末から独り身になるようだが、こちらはmoonさんが先輩。老いてからの独り身は骨身に応えるらしい。ここは一番「生活なんぞ召使いに任せて」入滅するしか手立てはなさそうである、自分でいうのも可笑しいが。
 滅度で思いだしたが、このところ摂取量が減りつづけている。牛丼の小盛りを残すようになってしまった。前述の件もあり、もっか二回の食事を三、四回に分割し、一度の摂取量をさらに減らす方がよいのかもしれない。消化器官への負担を少しでも減らすことになるからである。いずれにせよ、食べることがますます億劫になってくる。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月25日 19:02 | 固定ページリンク




転居  | 一考    

 22日は終日不動産屋巡り、夜は売れた商品の梱包にですぺらへ行く。リクルートフォレントインシュアトやらの認可を得なければならず、不動産屋で源泉課税表の問題に突き当たった。もっか減価償却の最中のために赤字申告である。よって収入のない人に家は貸せないと云われる、もっともな意見である。
 12年前にも同じ問題で引っ掛かった。その時は連帯保証人のみで通る物件を探すしかなかった。探し始めて現在の住居に辿り着くまでに一年以上掛かっている。インターネットで探し出した物件はことごとく断わられた。その間に何度上京を繰り返したか。今ふたたび同じ問題で頭を抱えることになろうとは。
 娑婆でのわたしの評価は限りなくゼロに近い。もっとも、評価すべきなにものをも持たないが。大方は間道というか、掻い潜る手立てをお持ちなのだろうが、わたしにはそれすらない。以前と違ってVISAカードを持てたことが自慢だが、それすらプロバイダへの支払い以外、ただの一度も使ったことがない。
 それにしても、安定収入がないとどうしてかくまで肩身の狭い思いをさせられるのか。世の中は勤め人だけでもあるまいに、と思う。

 大泉学園の方で結構な物件があった。条件に高齢者とあった。出掛けたところ、女房が死に親しくお付き合いできる女性に入っていただきたいとか、なるほどこのようなリクルートもあったのかと失笑させられた。
 入院の要はなく、本日から店は通常通り営業する。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月23日 07:24 | 固定ページリンク




昏睡  | 一考    

 今日は大阪から前田さんがいらっしゃる日で、自転車談義を楽しみにしていた。そのような日にわたしは気を失うようなのっぴきならない破目に陥った。のんちさんがいらしたので。事なきを得たが、五分ほど人事不省になった。場所は赤坂のはなまるである。気が付くと店長とおぼしき黒服の人とのんちさんが電話をしている。救急車を呼んでいるのが分かった。口から泡を吹いていきなりぶっ倒れたようである。
 どこで何時死のうが覚悟はしている。ただ、ベッドに縛り付けられたり、寝たきりになるのだけは避けたい。なんとか救急車だけは勘弁していただき、外へ出るもやはり歩かれない。脚が縺れて、視力が失われている。道端へしゃがみ込んだが、再び昏睡状態に陥る。気が付くと通行人の女性とのんちさんが、救急車を呼びに再度電話をしている。見知った赤坂の街なのだが、焦点が定まらない。抱きかかえられるようにしてなんとか店まで辿り着く。こういうこともあろうかと用意しておいたマットと寝袋を床に敷いていただき横になる。
 そうこうしている内に前田さん到着、やがて正気が戻るも、みなさんに悪いことをした。のんちさんには多大な迷惑を掛けてしまった。深くお詫び申し上げる。
 意識不明は昨今家にいてもたまに起こる。ただ一、二分で、五分というのは初めてである。愈死の臭いが近づいてきたようである。来週は入院しなければならない。また山崎医師を煩わせることになりそうである。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月21日 01:15 | 固定ページリンク




サイクルショップ・クサカ  | 一考    

 自転車のフレーム素材の鉄鋼関係では神戸製鋼所、中山製鋼所、大同特殊鋼、山陽特殊製鋼があり、非鉄金属では日本軽金属、大紀アルミニウム工業所、大阪チタニウムテクノロジーズ、東邦チタニウム、住友軽金属工業がある。2008年7月のコベルコのニュースによると、パナソニック・サイクルテック株式会社から2008年6月20日に発売された「軽量プレミアム電動自転車"チタンライトEB"」のフレーム素材に、神戸製鋼所(TSE:5406)のチタン溶接管が採用された、とある。正確には同グループの神鋼特殊鋼管である。
 考えてみれば、神戸製鋼所とチタン溶接管の歴史は古い。最初にチタニウムのフレームを売り出したのはフジで、86年発売となっているが、実際は84年に既に存在していた。いかなる経緯で流れたものかはともかく、わたしがチタニウムのフレームを入手したのは84年の末だったと思う。余談だが、ケンメリスカイラインGT-RとフェアレディZ432が履いていたマグホイールも神戸製鋼所の製作によるもの。
 自転車に戻るが、フジのチタニウムフレームは神戸製鋼所のチタン溶接管を用いていたと、これは同じ業界筋のひとから聞いた。わたしはマージ、コルナゴ、チネッリ、ポリアギ、ビチュー、アランとさまざまな自転車を乗り継いできたが、チタニウムのフレームのしなやかさには驚いた。カーボンフレームの欠損はよく聞くが、チタンフレームのそれは聞いたことがない。もっとも、しなやかすぎてプロには不向きだろうが。
 このところ、オークションで知り合った大阪の友人としばしば自転車談義をする。よく自転車をご存じの方で、明石のクサカサイクルをご存じだった。料理、陶芸、和紙、反物、製本、金魚、自転車なんでもよろしいが、わたしは職人と名のつく人が大好きで、自転車の組み立てを教わったのがクサカサイクルである。普段はニコニコと温厚な店主なのだが、専門のこととなると目の色が変わる。はじめてホイールを組んで持って行ったとき、センターが出ていないと大目玉を喰らった。怒りすぎたことに気付いて、最初はそんなものだと慰めもする。振れ取りが許されるのは0.1ミリまでで、横振れよりも縦振れがより大事である、自転車に使われるすべてのネジには相応に必要なトルクがあって、締めればよいというものではない等々、実に細かいことまでご教示いただいた。
 ちなみに、クサカサイクルはビバロで知られるピストの専門店で、集まるのは競輪選手ばかり、わたしのようなロード乗りは番外の客だった。2009年に不幸な事故があり、ビバロはNJS登録を抹消された。当時、21名のS1を含む597名の競輪選手がビバロに乗っていたが、その後クサカサイクルはどうなったろうか。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月19日 02:15 | 固定ページリンク




来客  | 一考    

 今し方松山さんから電話、近著を持ってこられるとか。相沢さんに続き、松山さんとも久しぶりに話ができる。同時代によい知己を持ったと、生あることに感謝。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月16日 20:10 | 固定ページリンク




冬至の薔薇  | 一考    

 オークションはまたも完売、今日は発送の日である。最近は日曜日にも店へ出ている、梱包のためである。別けて処理しないと身体が持たない。荷物を持って向かえの運送屋へ三度の往き来で呼吸は乱れ、吐き気がひどくて座り込んでしまう。山崎医師の「掻痒感や易疲労感が増悪していますので、早急な透析導入を御検討下さい」の言葉が身にしみる。医師に云われるまでもなく、体調は最悪である。食器を洗っていてすら目眩いに悩まされる。
 先日の血液検査で山崎医師はあまり乗り気でなかった。どっちみち透析のときには改めて検査が必要だからである。「体内は大変なことになっている。よく動いているね」と医師。本当は店へ出るのにすらとんでもない意志力を必要としている。駐車場への往復もこれが出来なくなれば死のうとの悲壮な覚悟を持って当たっている。食欲がなく、背に腹は変えられず、近頃は外食に手を伸ばしている。
 尿素窒素(BUN) 73.3、クレアチニン(Cr) 8.23、尿酸(UA) 6.6、ナトリウム(Na)139、カリウム(K) 5.4、クロール(Cl) 103、カルシウム(Ca) 10.4。これが最新の値だが、前回よりは多少良くなっている。もっとも、良くなるはずがないのであって、「「少々良い」と言うよりは「悪くなっていない」と云う方が適切」と医師。
 土曜日に幹郎さん来店、相澤啓三さんの新詩集「冬至の薔薇」について語り合った。相澤さんの詩集は常に遺書の形をとる。わたしは「冬至の薔薇」を読んで号泣した。いずれ書かなければならないが、生涯に一度か二度しか出会うことのない詩集である。詩の怖ろしさをわが身に刻み込まれる、そんなときである、八方塞がりのなかにあって、生きていてよかったと思うのは。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月15日 21:39 | 固定ページリンク




ゼウスのペダル  | 一考    

 今週のオークションへの出品は二十点、おそらく残るのは一点か二点。梱包に困るので、手つかずなのがフレームとハンドルバーとホイールである。そして二階からサドルを引っ張り出したのだが、一緒にチューブラー(タイヤ)とスポークが山のように出てきた。タイヤの在庫にはミシュランのセタ(絹)が混じっている。プロが使うタイヤで一本が数万円もする。車の30パーセントのレーシングタイヤよりはるかに値が張る。スポークはすべてスイスのDTである。
 フレームの方は大阪の知己が興味があるようで、気に入れば引き取りに来てくれるようである。アランの最高級車から住友金属がはじめて作ったチタニウムのフレーム、イタリアのポリアギやアラヤのトリプルバテッドのアルミフレームなどが残っている。
 かつて東京にいた頃はロードに乗っていたが、明石では小径のチューブラーに乗っていた。理由はふたつあって、ひとつは何時も酔っ払っているので両脚がしっかり地面につかないと危なっかしい、今ひとつは街灯がなく道が暗くて頻繁に溜め池や畑へ突っ込んでいた。要は高級車に乗られない理由があったのである。今はなきやまちゃん(炉端焼き)の帰りに田圃へ突っ込み、食用蛙を押し潰して恨みを買った。高麗苑(焼肉屋)の帰りに明石城の横で顛倒、カンパニョーロのリアディレイラーを壊してしまった。その焼肉屋の店主は愛車のジャガーで田圃へ突撃、車は天井を下にひっくり返った。酒にまつわる武勇伝は数限りないが、こちらは掲示板で何度か触れている。
 その小径の自転車だが、拙宅の倉庫で眠っている。整理しようと覗いたところ、ペダルにゼウスのチタニウムが付いている。磨けば高値で売れそうである。とんだところでオークション付いたものである。

追記
住友金属と書いたが、神戸製鋼所の間違い。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月11日 23:44 | 固定ページリンク




BMW  | 一考    

 今日は十八時の段階で赤坂の気温は零度、路面は既にシャーベット状態である。車を乗り換えたので、十センチまでの積雪なら平気である。怖いのは明日の路面凍結、タイヤを履き替えていない車は大事になる。
 特定疾病の指定を受けに役所へ行くも、指定医の一筆が必要とか。主治医は指定医でないので毎回困惑する。特定疾病の指定を受ければ、医療費の支払いが一万円にまで下がる。そうでなければ、毎月五十五万円の医療費と薬代二万円ほどを立て替えなければならない。川口へ引っ越す予定だが、その前に片付けなければならない。そして引っ越し先が川口なら書類上の問題はなにも生じないと、障害福祉課の窓口は至って親切である。
 その足で警察へ、駐車禁止除外の許可証をもらってきた。鑑札の真ん中に大きく歩行困難者と記載されている。歩行困難であるに違いないが、ここまで派手に書かなくてもよいではないかと思う。しかし、有り難い鑑札である。処方を待つあいだの薬局の近所での駐車、病院の駐車場が一杯のときもその辺りへ停めておいて捕まらない。

 二輪の処置に困っている。こちらで動くように修理をした上で、オークションで売るしか方法はなさそうである。この件では知己のバイク屋も頭を抱えている。廃棄物としてなら引き取ってくれるようだが、BMWを廃車にするつもりはない。修理費に三十万円ほど掛かるらしいが、掛ける価値はある。二十年の記憶が染みついたバイクである。そういえば、梅木さんの愛車(BMW−R1100)はどうなったろうか。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月09日 21:46 | 固定ページリンク




新規ボトル  | 一考    

 久しぶりにあれやこれやとウィスキーを見繕ってきた。キルホーマン3年もの、アン・アード・ビーグ(アードベッグ)2000年蒸留の9年もの、グレン・キース13年もの、ブローラ(ゴードン&マクファイル)である。他にタリスカー、クラガンモア、ラガヴーリンなど常備品を購った。
 キルホーマンはニュースピリッツしか置いていなかったが、これでやっと三年を経てウィスキーの仲間入りをした。買ってきたのは46度の加水タイプとウィスキーライヴで売られたカスク・ストレングス、フレッシュ・バーボン樽熟成61.5度の二種。加水の方は僅かな苦みが気になる。開栓したばかりなのか、ひょっとすると加水が熟れていないのかもしれない。このところフェノール値が高いウィスキーが多く頒されているが、キルホーマンも50PPM。アイラ島西端にオプティック種を用いた素晴らしい蒸留所が増えた。
 アン・アード・ビーグはスリー・ピートの姉妹品で、ワン・ピートと名付けられ、ラフロイグと同時にボトリングされた。現今のディスティラリー・ボトルとは異なる香味だが、わたしには旨く思われる。一言でいえば雑味がなくシトラスの香が強い。
 ブローラは82年の蒸留、前回のコニッサーズ・チョイスが17年もの、今回は26年ものである。リフィール・シェリーでシェリー香は抑えられ、すこぶるナチュラルに仕上げられている。購入価格は12810円、一万円二枚でおつりがくる唯一のブローラである。
 二十四種の「カーンモア ヴィンテージコレクション」で知られるケニー・マッカイの「セレブレーション・オブ・ザ・カスク」の一本がグレン・キース。バーボン樽熟成の19年もの、52.3度のカスク・ストレングス。223本のリミテッド・エディションである。

 今日は忙しくて疲れた。駐車場まで歩く気力がない。椅子を並べて寝そべっている。明日は庭に転がっている厨房機器を引き取りにイラン人が来る。帰らなければならないのだが。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月06日 01:22 | 固定ページリンク




開店休業  | 一考    

 店へは出てきたものの、昨日は開店休業である。一昨夜、引越を早くするように依頼され、ちょっと無理を押してサドルを磨いた。それが理由で、身体が痛くて動かれない。moonさんに聞けば、彼も右肩が動かなくなって二、三週間痛みが続いたという。年を取るとはそういうことなのである。
 今日の電話の用件はとmoonさんから訊かれ、「愚痴をいいたいのですよ」と応える。「よく分かる、近くにいればねえ」とmoonさん。人生から乙張がなくなり、愚痴っぽくなってくる。典型的な老人性症候群もしくは痴呆予備症候群である。耕衣の句に「天心にして脇見せり老の雁」とあるが、それを傍見に凡人の嘆き節が続いた。
 このところ、困惑させられている。なににもまして引越のためには荷物を減らさなければならない。透析をはじめなければならないが、透析がはじまればますます荷物の整理が遅延する。病気のせいにはしたくないのだが、さまざまなことが一度に起きて、手に負えなくなってきている。六十三年分の垢を一気に拭えといわれても、ただただ放心するばかり・・・

 ここまで書いてカウンターで寝てしまったようである。優しく肩を揺り動かす気配がして目覚めた。御礼を云おうとして回りを見回すも誰もいない。どこまでが夢だったのか。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月04日 20:29 | 固定ページリンク




蒐集家  | 一考    

 週明けは忙しい。土曜と日曜の深夜にオークションが終わるように設定している。三週間で61点出品して売れ残りというか再出品は4点のみ。なかにはこのような高値で売れてよいのだろうかと小頸を傾げるようなものもある。
 取り付けネジが枕頭式かナット止めかとの質問があって、どちらにでも対応できるが、現状を記載するようにしている。バイクを触っている方なら、ネジやナットぐらいは自分で作る。ちょっとした金具屋ならタップのたぐいは取りそろえている。どうして遣い勝手がよいように改造しないのかわたしには分からない。
 ついこの間、植木屋さんの電気鋸が故障したので修理した。植木屋さん曰く「父がよく修理していたのを思い出す」。パソコンでも車でもなんでもそうだが、自分で修理できないものに乗ったり遣ったりするのがいまひとつ理解できないでいる。
 自転車などその最たるもののひとつで、自分で組み立てが出来なければツーリングは止めた方がよい。スポークが折れる、チェーンが切れる、ディレイラーが壊れる、パンクする等は日常茶飯で、事故で拗れた自転車に跨がって40キロを移動した剛の者にも北海道で会った。応急処置にさらに応急処置を施して、自転車屋までの20キロを詳しく教えた。車で運ぼうと云ったのだが、頑として聞き入れない、立派なサイクリストだった。
 さて、オークションは四週目に入った。自転車パーツはまだ半分にも減らない。わたしはコレクターではない、実戦部隊だと、どの面を下げて云ってきたのだろうか。パーツの山を見て反省しきりである。


投稿者: 一考      日時: 2010年03月01日 22:55 | 固定ページリンク




PCDについて  | 一考    

 カンパニョーロ社のクランクセットを出品しているのだが、PCDは何ミリになるのかとの質問あり。PCDはピッチ円直径のことで、同クランクの場合、Pitchが84.64ミリなのでPCDは144だと思われる。それにしても、このような専門的な質問をどのように役立てるのか、そちらがわたしには皆目見当もつかない。
 PCDは車のホイールではよく使うのだが、その場合でも問題になるのは車軸のテーパー角で、一般素人にはどうでもよいことである。黙っていればタイヤ屋が車種にあったホイールを選択してくれる。後輪がハの字に拡がったシャコタンを屡々見掛けるが、あれは暴走族が恰好をつけるためだけに履かせているので、タイヤは片減りするし、接地力がなくなってワインディングは出来なくなる。
 カンパニョーロ社のクランクはインナーの最小が41Tだったので、わたしには使えない。そこで、スギノのマイティーを使っていた。スギノのマイティーはテーパー角がカンパのそれと同じなので、カンパのBBに装着できるのである。ちなみに、マイティーのPitchは64.66ミリなので、PCDは110ミリ。これだと34Tが使えるとの計算になる。しかし、この計算は結果論で、カンパのBBに使えるクランクはないかと探してそうなっただけの話である。
 自転車の世界には高等数学から入ってこられる方がいるようである。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月28日 16:04 | 固定ページリンク




最後のマスタング  | 一考    

 マスタングとインプレッサの車両入れ替えが終わった。インプレッサの車検ははじめてのことが多いので、林自動車にお願いし、練馬で予備車検を取っていただくつもりが、結局埼玉の陸運局まで行った。それやこれやで、警察と市役所と銀行などを走り回る日々が続いた。明日はETCのロムの書き換えである。その後、市役所での再度の手続きが必要になる。
 距離的にさして乗ってはいないのだが、マスタングには随分と世話になった。3.8リッターの醍醐味は存分に味わった。マスタングは燃費が悪いと聞いていたが、リッター5.5キロは走る。国産の4リッタークラスと比して遜色はない。セルシオやシーマでも5キロほどしか走らない。日本の車で燃費がいいのは小排気量の二輪駆動の車だけである。ガスの消費量は排気量と比例する。
 ノーマルのまま乗っていたが、走る基本は国産車となにも変わらない。180キロを超えると風きり音が激しいとか、曲がるときの沈み込みが大きいのは国産も同様である。マスタングはワインディング用の改造が効かないのが欠点といえば欠点であろうか。国産車にあってもスポーツカーと名のつく車にはビルシュタインやブレンボが奢られているのを考えると、ブレーキの利きがよかったのは救いだった、おかげでオカマされたが。
 ボンネットを抑えて下がるような車で峠は攻められない。どのような車であっても、走りたければ車の購入価格と変わらないパーツの交換費用が必要になる。点火系や足回りを固めるような車にもう乗ることはないだろうが、たまに懐かしくなるときもある。マスタングに乗る最後の日は某所へ赴き、ローリング族の真似事でもしてみようかと思っていたものの、生憎と雨天。おそらく、廃車後のマスタングは中近東へ最後のお勤めに行くに違いない。マスタングとそして木村さんに感謝。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月27日 19:36 | 固定ページリンク




JISとBSC  | 一考    

 カンパニョーロのヘッドパーツを売りに出した。自転車屋さんが函にJISと大きく書いていたので、深く考えずにわたしもJIS規格と書いて出品した。質問があって「JIS規格との事ですが、BSCではないでしょうか?ヘッドロックナットの裏側に“English”の刻印があればBSCなのですが」と確認するむねの質問があった。イタリアのメーカーがJISでもあるまいと思うのだが、わたしの失態であるに違いない。
 わたしは世界中の自転車を組んできたので、ネジの違いは心得ている。ボトムブラケットのテーパー角、長さとワン(カップ)の直径、逆ネジかどうか、またヘッドの形状、ペダルのネジのピッチ、ボスフリーの互換性等々である。質問者は「JISとBSCは基本的に同じですが、唯一ヘッド小物だけが違います、ネジピッチ(1”x24tpi)は同じですが、JIS(30.0mm)のフレームにはBSC(30.2mm)のヘッドセットは入りません、また下玉受け部のサイズも違います」と仰せだが、それはセットしてみれば分かる。わたしは悉くが現場の叩き上げなので、緻かな寸法は知らない。ただ、使えるか使えないかを知っているだけである。
 前述したようにイタリアのメーカーがJIS規格のものを作る筈がなく、BSCかイタリアンに決まっている。従って、この場合のJISはBSCを指している。ということは質問者は自らの知識を披瀝したかった、もしくはわが無知を嘲笑するための書き込みだったのか、それにしては手抜かりがある。カンパニョーロの自転車パーツにはBritishと書かれてはいてもEnglishとは書かれていない。
 この消息はオートバイでも同じで、ミリネジとインチネジがあって、それぞれにピッチが異なる。拙宅に工具が山のようにあるのはそれが理由である。近く手放すつもりだが、BMWは顛倒で被害を被るであろうところのネジはすべてミリネジに取換えている。出先で困るからである。
 日々扱っているボトルのコルク栓の直径もボトラーごとに異なる。こんなものぐらい統一しろと思うのだが、日本語のコードと同じで、メーカーごとにまちまちである。なにをもって正漢字とするのかわたしには皆目見当もつかない。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月24日 21:59 | 固定ページリンク




オークションその後  | 一考    

 困ったことが起きてしまった。左手のしびれについては何度か書いてきたが、今日定食屋でみそ汁をこぼしてしまった。セーター、ズボン、パッチ、パンツとすべてびっしょりと濡れてしまった。いつかこのような事態が来るのではないかと思っていたが、案の定である。店員が気に病んでくださったが、申し訳ないのはこちらである。その内、茶碗や丼椀も落とすに違いない。

 月曜日はオークションの発送日なのだが、今週中にあるいは今月中に振り込みますと悠長な方もいらして微笑ましく思う。人々都合がいろいろあって、思うように処理していただければ構わない。ただ、無音に過ぎるのは困る。それといまひとつ困惑しているのが評価である。このようなことで他者を評価するのは釈然としない。納得はいかないものの、それが自然の流れなら逆らうのに抵抗が生じる。わたしは事情のいかんを問わず、機械的に「非常によい」を繰り返している。
 わたしは業者ではないし、その金数が入らなければ明日首を縊るといった塩梅でもない。どだい金券であって、都合の付く人が都合しておればよい、と思ってこれまで生きてきた。いまは借りるばかりだが、昔は金を貸してそのままになった例も多くある。それも経験と割り切らなければ、出版なんぞやって来られなかった。帳尻は死ぬときに合えばよいのである。
 その発送だが、事務員から今日は叱られてしまった。彼女の労働時間が過ぎているのは分かっていたが、締め切りぎりぎりになっての持ち込みが多い。そこへ私がサイクルパーツを山と持ち込むのだから、どうにもならない。こんな日にデートの約束でもあれば腹が立つだろうに、といらぬ気を回す。
 ヤフーからオークションの手数料が知らされたが、五万円を超えている。いかに儲かる商いかがよく分かった。濡れ手で粟とはこのことか。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月22日 21:06 | 固定ページリンク




マンナンライス  | 一考    

 コンビニでマンナンライス入りのミニ弁当を見付けた。女性のカロリー控えめ乃至は糖尿病に対応した商品である。さすがにナトリウムやカリウムにまでは気を遣っていないが、腎不全用の弁当まであと一歩である。タンパク制限がこのような形で実現化するとは思っていなかったので驚かされた。
 マンナンライスをわたしはMさんから頂戴したのだが、女性のあいだでは結構知られた商品であるらしい。ファミリーマートやサークルKサンクス、一部の生協などで弁当や握り飯として売られている。ここ二、三日のように家で食事が摂られないときに利用しようかと思う。それにしてもLGC米やでんぷん米は種類が多いのに、どうしてマンナンライスだけが女性に持て囃されるのか。きっと原材料の蒟蒻の受けがよいのであろう。されば、梅干しと塩の代わりに山葵と山葵菜を用いた握り飯を作れば喜ばれるに違いないのだが。
 提灯持ちはしたくないのだが、木村さんから訊かれたので一言。値段はともかく、他のでんぷん米と比して癖もなく、特有の臭みもない、療養食の貧しさと比べてもお薦めである。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月19日 23:54 | 固定ページリンク




手続き  | 一考    

 このところ、携帯電話を使うことがないので、たまに架けようとすると画面は真っ暗である。今日も車庫証明をとりに警察署へ赴いたところ、書類の不備で刎ねられた。自動車屋へ電話をしようにも繋がらない。
 車検にせよ、障害者手帳の手続きにせよ、公と名の付く文書は苦手である。人任せにしてきたツケが回ってきたようである。車庫証明は今回が四度目、いつになったら覚えるのであろうか。車検はさらに大事である。マスタングまでは当時の連れ添いが処理してくれたが、今回はひとりで処理しなければならない。障害者の減免手続きも二月中だそうである。保険も車両入れ替えその他の手続きが必要になる。おっきーさんと話したが、継続車検なら鮫洲がよさそうだが今回は初車検、ナンバープレート取得のため埼玉の陸運局でなければならない。警察署や市役所と違って埼玉の陸運局は親切心がまったくない、うんざりである。
 今日は印鑑証明を取りに警察署から市役所へ。序でに高額医療費が支給されるとかで相談にゆく。昨年十月のときとうクリニック、川久保病院の入院費の一部、六万円ほどが戻ってくるようである。身障者医療費と高額医療費との関係がわたしには皆目理解できない。いずれにせよ、双方併せて全額還付になるようである。わたしは二重取りを心配していたのだが、杞憂にすぎなかった。
 透析がはじまれば、いよいよ重度心身障害者医療費受給者証の出番である。毎月五十五万円もの金数を、たとえ一時にせよ、負担はできないからである。さらに、駐車禁止で捕まらないための許可証も取得しなければならない。車の減免手続きは毎年自動更新されるのかどうか、気掛かりなことは山のようにある。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月18日 04:50 | 固定ページリンク




過ぎゆくもの  | 一考    

 忠告というほど難しいものはない。忠告は心添えとも云い、ふたつのパターンがあるように思われる。ひとつはひとえに愛情に基づくものであって、ひとつは注意や勧告といったニュアンスを帯びたものである。ただし、この分類にはなんらの意味もない。そのようなことよりも、心添えは対等であるとの仮説に基づいて発せられる。おそらく世の中に対等という概念は存在しようがないと思うのだが、論理的に未分化な人にあっては存在するようである。未分化とは文字通りの未分化である。例えば、稼ぐひと、稼がないひと、几帳面なひと、自堕落なひと、万般に対して積極的なひと、消極的なひと、書き出せばきりがないが、およそ対局主義的なものの考え方の一方を選択する人、しない人、それらすべての状態を未分化と名付けたい。
 ウィスキーの香味について「重いの軽いの、臭いのよい香りの、辛いの甘いのといった註文は意味するところがよく分からない」と書いたが、消息は同じで、なにが重くてなにが軽いのか、なにが辛くてなにが甘いのか、その基準はどこにあるのか、一向にわたしには分からない。例えば、シェリー香が強いウィスキーをビギナー向けとは思わない。一般的に云って、ブレンド・ウィスキーは万人向け、すなわちビギナー向けと思っている。要するに没個性的なウィスキーこそがビギナー向けだと思う。図抜けて旨いウィスキーをビギナー向けという方がたまにいらっしゃるが、その旨い不味いそのものが個性なのであって、そこにビギナーという概念を持ち出すのは間違っている。
 シールダイグのラガヴーリンは近年にない傑作とわたしは思っているが、半数の客は不味いとおっしゃる。これはラガヴーリンと馴染みのない方にとっては当たり前のはなしで、いわんやカスク・ストレングスというだけで拒否反応を示す方が多いのも、いかにブレンド・ウィスキーが数多く出回っているかを示唆している。ここ数年のアードベッグを旨いとおっしゃる方も、最近のアードベッグしか飲まれていない方にとっては当たり前のことで、逆にダグラス・レインやゴードン&マクファイルのアードベッグを飲まれてもなにも感じないようである。
 90年代半ばからのディスティラリー・ボトルにしても、それしか飲まれていなければボトラーズ・ボトルを軽視するのも分からないではない。ただ、蒸留所元詰めとは言いながら、ボトリング設備をもっているのは三蒸留所のみ、グレン・フィディックとスプリングバンク、ブルイックラディである。現状では蒸留所元詰めなどと気安く云ってもらいたくないと思っている。

 他との関係、比較の上でしか成り立たない状況に対して忠告というほど大それた、無意味かつ味気ないものはあるまい。掌や一握の砂に価値があるのではなく、大事は指のあいだをこぼれ落ちていった砂のなかにこそある。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月17日 20:55 | 固定ページリンク




オークション2  | 一考    

 オークション第一週は三十万円ほど売れた。第二週は十点ほど出品したので、もう少し売上が伸びると思う。出品と同時に百を超えるアクセスが入るようになった。見知らぬ友に感謝している。
 金嵩だけならモルト・ウィスキーを出品すればよいのだが、こちらは商売道具、またはわたしの死を待ち望んでいる方が幾人かいらっしゃる。簡単に手放すわけにはいかない。
 来月から無料出品が五十点に増える。いずれにせよ、二、三箇月はサイクル・パーツの発送に追われる。向かえのクロネコ宅急便の事務員が親切な方で助かっている。こちらはものを運び込むだけ、梱包はあちらが手伝ってくださる。梱包材料費は当方で負担しているが、安いものである。便利な世の中になった。

 話題は変わるが、昨日は身体が異常だった。夕刻、かゆみ止めとロールティッシュを買いに薬局へ、それから買い物にスーパーへ赴いたのだが、脇腹が痛くて駐車場からの百メートルほどが歩かれない。泣くに泣かれず、道端に座り込んで時が過ぎ行くのを待った。帰宅後も寝床からトイレまで歩くのが苦痛である。痛みはいまなお間断なく続いている。為す術がない。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月15日 22:52 | 固定ページリンク




カストリ麺麭  | 一考    

 西明石のときは地酒も置いていたので、少々酒のことも囓っております。神亀とか大七は辛口の代表選手ですが、酒粕ならはなしは別ですね。それにしても酒粕で酵母を起こすとは面白い。さしずめ、カストリ麺麭とでも名付けましょうか。かかる柔軟さが調法にとってもっとも大切な心掛けなのだと思います。
 表面に塩を振るのも結構なアイデアだと思います。づけ丼は無理ですが、醤油を皿に取っての刺身なら大丈夫、少しの塩分でいかに感じさせるかに、またまた調法の極意があるように思うのです。
 楽しみに致しております。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月15日 21:51 | 固定ページリンク




カウンター  | イナミ    

金曜日は、ありがとうございました。カウンター越しにいつもの仲間の顔をみると少しちがった風景を感じることができ、なんだかとてもよい気分でした。
思いつきのお題がシングルモルトに変換されていくのもすごく興味深く、気づくと結構飲んでいたようです。
パン(麺麭というほうがずっと重みがありますが)についても、貴重なご意見に感謝です。無塩にして表面にわずかな塩をふると最も塩分を感じることができるのではないかと思いますがいかがでしょうか。昨日は地元の酒屋で入手した神亀の酒粕で酵母を起こしバケットを焼きましたが、香りが素晴らしく何もつけることなくおいしくいただけました。近々また試作をお届けいたしますので、忌憚のないご意見を賜りたく、よろしくお願いいたします。


投稿者: イナミ      日時: 2010年02月15日 20:58 | 固定ページリンク




オークション  | 一考    

 オークファンで調べてこの三年間に見掛けないものを優先的に出品した。ほとんどが6、70年代のカンパニョーロ、ストロングライト、TAなどのサイクルパーツである。内一点はアクセス数が500を超えた。大変な数であるにもかかわらず、入札は半数。オークションの世界までもが不景気なのかと驚いている。
 売れなかったものは一巡すれば再出品すればよいのであって、安売りはする気もない。なにが売れるか分からないので、次回はブルックスをはじめとする60年代の革製のサドルを出品しようかと思う。こちらの在庫は十個ほどだが、輸入元でひとつずつチェックして購入している。ただ、当時は銅鋲を用いているので錆がひどく、磨くのが大事である。
 先日、出品したカンパのトリプルクランクセットは、必要だろうと思ってボトムブラケットも付けた。トリプル用BBには117ミリ(ロード)と122ミリ(ランドナー)の二種があって、そのことに対して質問があった。しかし、これは応えられない質問である。今ではコロンバスのトリプルバテッドが中心だが、昔の自転車はレイノルズのパイプを使っている。フレームの硬度が変わっただけでなく、スケルトンそのものが変わっている。要はコンパクトに短く立ってきたのである。そして問題はエンド幅が広くなったことである。現今のフレームサイズでは117ミリのBBは使い物になるまい。
 かつてのアランやビチューのアルミフレーム同様、レイノルズ531のフレームは柔らかくしなり、素人にも乗りやすい自転車だった。ところが、今では素人がツール・ド・フランスでプロが乗る自転車に乗っている。ちなみに、フロントのアウターは49Tでも下りで100キロまでは軽く踏める。わたしは46Tを使っていたが、それでも平地で60キロまでは大丈夫である。選手が使うような53Tは脚を痛めるだけである。それでなくてもフリーとチェーンが発達し、枚数も増えた。大きな歯数を用いるのでなく、脚の回転数を上げる訓練をする方が真当である。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月14日 16:52 | 固定ページリンク




吝嗇  | 一考    

 二人連れ来店、這入ってくるなりランチの話をしている。安いランチを探しているらしく、五百円からはじまって四百円、三百円、それ以下のランチへと話は進む。五十円のランチがあっても一向にかまわないのだが、聴けば聴くほどに中身というか内容の話がなにひとつ聞こえてこない。維新号(もっとも高価なディナーは六万円)や天一のディナーが五千円になるのなら安いだろうが、三百円で儲かる設定になっているものを値付けだけで安いとは云えない。中身と値段は相対的なもので、中身を切り捨てて値だけを問うのなら、ですぺらは切り捨てられなければならない。随分と前のはなしだが、余市を置いた。あれはですぺらの原価計算なら一杯三百円になるが、当店は安売りが目的の店ではないので、以降余市は置いていない。バランタイン、シーバス、カティーサーク、ジョニー・ウォーカーもしくはアーリータイムズ、フォアローゼスなどの売価は二百円にも満たない。千円ウィスキーを三、四十種類ほど置いて全品百九十円の方が儲かるかもしれないが、そのような店の営業は蒙御免。
 ホワイエのマスターが屡々来られるが、知己がカクテル百九十円の店をはじめたらしく、大層混雑していると聞かされた。そのホワイエはカクテルを止めてモルトウィスキー一本に営業方針を改めたいといっておられた。こういう不景気なときこそ原点を大事にしたいともおっしゃっていた。それにしても、赤坂に相応しい十の店について話し合ったが、その内の数店はすでに閉店している。老夫婦が営まれるジョーク(未だに真空管のアンプを使っている)などは何時までも残ってほしい店なのだが。
 さて、件の二人連れが帰ったあと、愕いた。ですぺらのカウンターは大谷石なので、小さな穴が無数にあいている。その穴へお絞りをちぎって埋めていたのである。爪楊枝で穿って元に戻したが、カミュの「シーシュポスの神話」を思い起こした。吝い部下を持つ上司の溜息が聞こえてくるようである。


投稿者: 一考      日時: 2010年02月14日 16:28 | 固定ページリンク




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