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あまねさんと土屋さんが来店。フロマンタルの「10ぴきのペンギンくん」を頂戴した。仕掛け本で制作はフランス、二箇所ほどわたしが友情出演しているようである。
福島の原発から小沢一郎に至るまですぐれて文学的な話になった。良く調べている、何時もながら感心させらる。
それにしても、ふたりは仲が良い。読書は趣味を後生大事にしていては進まない。理解できない書物に出遇うたびに自己解体が必要になる。本は読めば読むほどに自分というものが増え続け、徐々に溶解してゆく。種村さんの云う怪人百面相の世界である。ふたりにはその辺りの消息が分かっている。若い人で驚かされるのは決まってこのふたりである。
あわよくば、スタイルといったものを持たずに育って欲しい。出鱈目結構、ちゃらんぽらんでなければ「仏宇陀の海」も政治も理解できない。事象の海そのものが文学である。書物のはなししかできないような片輪者には育ってもらいたくない。東京へ来てはじめて非凡な若人と出遇った。
おっきーさんと話していて、一枚の写真を前に、これはどこの温泉だったっけと考え込む。たしか糠平湖か然別湖の近辺だったと思い出す。地図を調べてすぐ分かった。ホロカ温泉である。273号線を音更川に沿って糠平温泉郷から三国峠へ向かう、十数キロを走りユウンナイ川へ左折するとホロカ温泉である。十数年前に二輪で旅行中に立ち寄った。主人総島諄さん急逝により、平成23年1月14日から休業している。詳しくは下記サイトをご覧あれ。床は析出物で千枚田状態になっている。
http://505060.blog12.fc2.com/blog-entry-227.html
http://blogs.yahoo.co.jp/hitou_sukisuki_dabe/53994497.html
東京都と同じ震度五の地震が和歌山であった。大きな被害がなかったのが幸いだが、前震災では宮城県で震度六〈一町村のみ震度七〉、神戸では震度七だった。地震の規模、すなわちマグニチュードは東日本大震災が他を圧するが、震度では神戸が最大だった。
東北大によると、津波は高さ6メートル、時速23キロに達した時点で鉄筋の建物群を次々と押し流したようである。地震もさることながら、今回最大の災害をもたらしたのは津波である。
「神の業 鬼の手創り 仏宇陀 人の世為らぬ 処なりけり(桂月)」と詠まれた仏ヶ浦のことは掲示板で幾度となく触れた。シャコタンブルーを想わせる鮮やかなブルーと生物のいない白色の海底の対比はわたしを愕かせた。仏宇陀の海を死滅させたのは人間であって、それも一種の厄災である。
明治期にひとまず高台へ移住したにもかかわらず、ひとは低地へ戻り、今回の厄災を招いた。人は代謝する生物、記憶は受け継がれない。人生は一代限りにして同じことが繰り返される。それにしても、まるで戦後の情景が蘇ったかのようである、灰燼とヘドロの差こそあれ。
今回の天変地異説の証しとでも云うべき異変によって東北は変わった。詩人はこのような状況をいかに捉え、いかに対処するのか。東北一円が仏宇陀の海と化したかのようである。
いやしくも文学に興味を抱く者なら、このような変事を眼にして、如何に感じ、如何に思惟するのか。既存の言葉では捉えきれない事象の海が拡がっている。
追伸
岩手には浄土ヶ浜がある。入り江を形成する岩塊の外海側には、入り江側とは対照的な荒々しい浸食が見られる。剣の山(針の山とも)、賽の河原、血の池等、同じ東北に位置する恐山の地名呼称と共通する。
moonさんの真似をしてエコーを購入、ゴールデンバットと比して結構旨い。moonさんのパソコンはマックキューブのようだが、わたしはiBookのG3をもう一台購入、完動品ゆえ、大枚7000円を支払った。旧G3の修理に二、三日掛かるのでスペアが必要になったのである。
今回はDVD付きなのでシステムのインストールが容易である。以前はCDなので接続が難儀だった。プレイヤー自体は外付けでよいのだが、マザーボードを騙さないとDVDプレイヤーがインストールできなかった。
前述したように二万円ほど出せばインテルマックが買えるが、わたしの役に立ちそうもないのでレガシーマックに止めた。バットがエコーに変わったようなものだが、それでも新規のパソコンが這入るのは嬉しい。今日到着したが、AdobePhotoshop7.0がインストールされている、欲しかったアプリケーションなので嬉しい。日曜日にハードディスクとメモリを取換えもしくは追加してシステムを更新、フォトショップを移植した。
G4のシステム10.4がインストールできない。やはりG3にはG3用でなければ不可能なようである。
先日、隣の患者から焼肉について質問があった。質問と云うよりは肉への信仰告白である。リンが多いので少量を自宅で食べる分には構わないのではと応えたが、焼肉屋でなければと云う。焼肉屋だと摂取量が増えるのと、なによりニンニクがよろしくない。その場合はリンでなくカリウムが問題になる。オッサンは腎不全の患者はニンニクが食べられないことをご存じでない。食事療法の初歩ではないか。韓国料理、中華料理、伊太利料理等々、ほとんどの料理は食べられない。だからこそパスタを食するにせよ、ニンニクと塩分抜きで自炊するしかない。年金生活者なら時間はある、もう少し調べていただきたいものである。
その患者は糖尿から透析に這入った。糖尿病に罹ると認知症になる率が高くなる。と云うよりも認知症患者は高血圧かつ血糖値はすこぶる高い。糖尿病それ自体が血管性認知症のみならず、アルツハイマー病の危険因子なのである。認知症の予防と治療の方法はまだ研究中だが、高血圧や高血糖値、糖尿病は予防や治療が可能である。それらの治療は脳卒中や心臓発作などの心臓血管疾患と腎臓疾患を予防するだけでなく、認知症の予防にも役立つ。要するに、透析に這入ったひとであっても、認知症に罹るのは防がなければならない。その予防法はやはり食事療法しかない。
認知症も鬱病同様、病であって自分の心懸けや気持だけではどうにもならない。食事療法の大事を思う。
国会がはじまったが、みんなの党の渡辺喜美代表が「脱原発」を争点に解散に踏み切れと首相を焚き付けていた。経団連はまったく駄目だが、経済同友会は縮原発を表明したようである。他では大阪と神奈川の知事、金融機関では城南信用金庫。
渡辺代表が6000万キロワットの自家発電のうち、1600万キロワットは融通できる筈と発言。だとすれば福島の原発分を補って余りある。電話一本で確認できるではないかとの渡辺の質問に「興味はあるが」と菅の素っ気ない返事。必要性のない電力使用制限や節電にいつまで振り回されるのか。
某所から少量だがレナジェルを入手、二週間ほどリン吸着剤を大量に服用した。その甲斐あってか、高リン血症から三箇月ぶりに解放された。歯の修理が効いて、白血球もはじめて減少。後は低カルシウムと体重である。
今週に入ってからドライウェイトを切ったままである。看護師と相談するも、血圧が正常かつ心胸比が四を切っているので体重を減らすのは難しいと云われる。そうは云っても既に五百グラムは減った。現在の食欲では一キロ以上減るだろう。
食欲を表す尿素窒素は五十を切ったまま。これは体調が思わしくない証拠だが、ひとりでの為事は今月一杯。いずれにせよ、あと一箇月と少しになった。頑張らなくては。
日々の検査は体温、体重、脈拍、血圧。そして二週間に一度の血液検査、四週間に一度の心胸比〈レントゲン〉と心電図、検便、検尿が加わる。さらに半年に一度の骨密度、ABI検査、エコー、内視鏡検査である。以上の検査を繰り返しながら、来月の二十日で透析は一年になる筈である。もっとも内視鏡検査は大腸癌を患うわたし固有のものかもしれぬ。
この間、五分の遅刻が一度あったきり。三十分までの遅刻なら透析に応じてくださるが、それを超えると夜の部に回される。五分の遅刻と書いたが、曜日によって穿刺の順序が変わるので、平均すると十五分ほどは待機する。この待ち時間が気持を楽にさせる。
三回ほど目覚まし時計をセットしわすれたことがある。周章てて起きたが、時間には間に合った。ユーパッチという穿刺の痛み止めを一時間前(七時五十分)に貼るのだが、これが間に合わず、痛い思いをさせられた。
看護師から移植についての注意があった。結石の成分検査をしたかと問われてしていないと応える。主治医からも云われていたことだが、結石は流出せず、結局成分検査はしていない。看護師によると、かつて結石の患者が腎移植したものの、一年ほどで移植した腎臓が再度結石になり、透析に戻ってきたと。嘘か本当か分からないが、果物の林檎が結石の理由だったと看護師は云う。壊死した腎臓から結石の抽出は出来るだろうが、そこまですべきかどうか、主治医と話し合わなければならない。
moonさんと久しぶりに電話で話す。時を同じくして彼も歯医者へ行ったらしい。虫歯を抜歯したようである。わたしの方は抜歯はせずに修理するようである。二本で十二、三回通ってくれと云われた。レントゲンで確認しながら穴を削っている。
今年の二月にオープンしたばかりの医院である。医師は若いし、建物から設備まで新品である。おまけに看護師も美人揃い、良い病院へ来たものである。いいはしデンタルクリニックと云って、三郷のデンソーの真裏にある。
昨日レントゲン代を忘れていました、と云って追加分を取られたがそれも愛嬌。透析にも知識があって、ヘパリン〈血液が凝固するのを防ぐ薬〉のことも説明。序でにHIV、梅毒、肝炎の心配がないことを伝える。暫くはお世話になる。
店のパソコンが不安定ながら起動した。やはり接触不良のようである。
昨日は店を休んだ。透析中は何事もなく、六回計測する血圧、脈拍共に異常はなかった。夕方から頭痛と吐き気に襲われ、深夜まで続いた。飲食物については自己管理しているので問題は生じない。いつもと違うのは歯が痛く、歯医者でもらった痛み止めを飲んだことぐらい。もしくはセベラマーを米国製に替えたことが関係しているのかもしれない。
一日、三十錠の薬を服用することで命長らえている。震災が理由と云え、薬が変わるのは大きな影響を受ける。
判然としないが、猛烈な嘔吐だった。嘔吐と云っても戻すものはなにもなく胃水ばかり、丁度二日酔のそれに近かった。
今日は慎重な飲食にはじまったが、ドライウェイトが一キロほどマイナスである。これを機会に体重を減らそうと思う。体重維持に少々無理がかかっているようである。
店のパソコンが臨終を迎えた。修理に必要な道具(テレホンカードの類い)は拙宅のどこかにある。そのうち修理する。
去年の十月の東電のホームページで電力供給量は7700万キロワット、原発分を除いても6000万キロワットである。それが何時の間にか5000万キロワットに化けている。ちなみに、今日の供給電力は5170万キロワット、これには仕掛けがあるに違いない。
東京ガス以外の自家発電は購入していないし、その東京ガスの分すら供給量に含まれていない。揚水発電も一切含まれていない。原発を維持するための涙ぐましい努力がなされている。なんとしても計画停電にまで持って行きたいようである。経団連が経済の先行きを危惧せず、東電を支持しているのは滑稽ですらある。端から分かっていることだが、経団連は経産省の外郭団体のようなものであり、原発推進派の政治結社である。
今津っ子さんからメールがあった。
http://nishinomiya-style.com/blog/page.asp?idx=10001375
コンコードの珈琲は一時パーコレーターだったので良く飲みに行った。葡萄ジュースのことをどうして覚えているかと云えば、わたしは十代の頃、福原で料理人をしていた。仕入れで中央市場へ頻繁に出掛けたが、行くたびにコンコードのマスターが葡萄の半端物を仕入れていた。房になったものでなく、ちぎれたものとかバラバラになったようなものばかりを集めていた。原価を下げるためと思われるが、あまりに熱心だったので覚えている。
文中バンビーについて「神戸と大阪は系列店だったようで」とあるが、大阪の二店は同じ経営だったが、神戸のみ経営は異なった。大阪の経営者は男性だったが、神戸は女性。謂れがありそうだが、プライベートなことなので詳しくは聞いていない。
村上春樹が通っていたさりげなくは女友達が働いていたので、わたしは遠慮してあまり行っていない。
バンビーとコンコードについては掲示板1.0で何度も触れているが、現在検索はできない。
店で使っているiBookのモニターが不調になった。接続不良なので、回線はマザーボードの上に乗っている。簡単に直るが分解しなければならない。序でにもう一台、OS.9起動するマックを購入しておこうと思う。
インテルマックに興味はないが、MacBookのCore Duo - 2.0GHz/1.2Gが二万円で売っている。iMacの同クラスも二万円前後である。マックは中古になると値が付きにくいようである。わたしはPCしか使わないので一万円以下で売っている。
パソコンはまず壊れない。LC475からG3のiBookまで十数台のマックを使ってきたが一度も壊れていない。不調にはなるがいずれも簡単な修理でなんとかなる。もともと起動不可とか電源這入りませんというジャンク品ばかり買ってくるので、文字通り、最初は起動すらしない。ハードディスクやコンボのような回転するものは寿命があって、それらを取換えると問題は生じない。G4のデスクトップで一度だけマザーボードを交換したが、それは端からマザーボード不良と記載していたからである。
iBookはマックのなかでもっとも分解が面倒と云われるが、それほどでもない。なにごとも馴れである。あと二、三年なので前記ジャンク品で押し通すつもり。
「奥歯がぼろぼろと欠けてゆく」と月初めに書いた。何時までも捨て置くわけにいかず、透析を終えてから歯医者へ行く、病院の梯子である。拙宅の近所だが、若くて良さそうな医者に思われる。
麻酔は極端に少なくしてもらった。効けばよいので、それ以上は無用である。化膿止めと痛み止めを頂戴したが、痛み止めを飲むことはあるまい。薬に関しては腎不全であることを何度も説明した。例えば胃薬のようにアルミニウムが這入った薬剤は服用できない。腎臓が機能していないので、排出できないからである。
レントゲンを撮って、取敢えず奥の二本を修理しようということになった。歯の形の四分の一ほど残っている。当然抜歯だと思っていたが、残すと云う。二分割した差し歯を作って奥と手前から差し込み接着剤で合わせるようである。わたしには修理方法が皆目分からないが、分かる必要もあるまい。わたしごときに理解できない新しい技術が開発されたのであろう。だから若い医師は素晴らしい。もっとも、二、三年もてばそれで良いのだが。
ただ、歯医者は時間が掛かる。いつぞやの野戦病院のようには行かない。透析に合わせて暫く通わなくては。
菊芋を買ってきた。サラダオイルで炒め、牛肉、人参、いんげん、菎蒻などを入れて煮る。菊芋が柔らかくなったら、醤油と味醂、塩、胡椒で肉じゃが風に味付け。他に短冊切りにして金平牛蒡風、スライスしてサラダもしくは天麩羅など食べ方はご随意に。
菊芋は知ってはいたが、調理したのははじめて。形はワサビかショウガのそれだが、食感は蓮根に近い。それ故、金平牛蒡風がもっとも旨く感じられた。材料は肉じゃが風と同じだが薄切りにする。仕上げには胡麻や唐辛子の輪切りが良く似合う。
通常の芋類と異なり、デンプンはほとんど含まれない。主成分のイヌリン〈ノンカロリーの糖質〉は消化によってオリゴ糖の一種キクイモオリゴ糖(イヌロオリゴ糖)となるため、血糖値をあげず、健康食品として扱われる。
芋なので、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、リン、亜鉛、セレン等を含み、ポリフェノールの含有量が高い。「菊芋は天然のインスリン」と云われるだけあって、1型糖尿病に効果があるそうである。
しゃきしゃき感を残した方が美味。近所のスーパーでは二百グラム、百五十円で売っている。
透析中は眠っている。もっとも血圧測定その他で頻繁に起こされるが。土曜日は「渡辺さん」との声で目が覚めた。いつもは通り過ぎる栄養士が書類を持って座り込んでいる。案の定、高リン血症についてである。日々の食事の内容と量について語る。
飯は低蛋白米でなく、通常の無洗米である。四合ほど炊いて140グラムにラップで小分けしている。週に二回ほど焼肉も食べているが、80から100グラム内に収めている。副食は総じて120から160グラム。一日二食、600グラムが二日で1200グラム。結果600グラムほどの除水になって体重は静止している。
尿素窒素が低いのでもう少し量を増やそうと思うが、増やせばリンがさらに過剰になる。蛋白とリンは別物として認識できない。
透析がはじまってから塩分、尿酸(ナトリウム、カリウム、尿酸、マグネシウム)と蛋白、コレステロール、糖(総蛋白、アルプミン、コレステロール、中性脂肪、血糖)に関しては異常は出ていない。ちなみに、カリメートと降圧剤は服用していない。要するに食事療法は完璧に効いている。
にもかかわらず、高リン血症に陥った。栄養士と看護師はわたしの食生活の内容を知っている。知っているがゆえに、二箇月のあいだリンが高くなっても黙っていた。私自身、食事に落度があるとは思っていない。すべては薬の(塩酸セベラマー)のせいである。
自己診断では食事を一日三回に振り分け、レナジェルを四錠ずつ計十二錠に増加する、である。土曜日は看護師と栄養士が一緒になって医師に抗議してくださった。おかげでレナジェルの処方箋が変わった。透析病院の回診医師はアルバイトなので変化を嫌がる、自分で判断するのを嫌がるのである。そこで、一番若い医師のときを狙っての作戦だった。
その日のうちに、最後(追加分)のレナジェルを持って薬剤師がにこにこ笑いながらやって来た。「これで一箇月待ってください、リンは必ず下がりますから」と嬉しいのはわたしの方である。
回診がないクリニックもあって、医師が来るだけでもましなのだが、小回りが利かないのは問題である。ドライウェイトにしても頻繁に動かして良いと思うのだが、失神でもしない限り当方の云うことは聞いて貰えそうにない。ならば些か無茶をしてでも現在のドライウェイトを守り続ける方が無難なのである。
追記
以上は土曜日のはなし。今日は別の医師、「誰だ、処方箋を変えたのは」の一言で元に戻った。元に戻るどころでない、セベラマー二錠に減らされてしまった。レナジェルは八錠で2000ミリグラム、セベラマーは二錠で1600ミリグラムである。
たかが薬のことで喧嘩をする気はない。途中から黙ってしまった。なるようになるのだろう。
明石から二組の客がきた。一組は隆さんの友人のようだが、もう一組はですぺら西明石店を手伝ってくださった愛子さんである。十一時に店を閉めて久しぶりにナベサンへ行く。明石を離れて十年余、彼女にもさまざまなことがあったようである。
人は繰り返し疵を負いながら生きる、従って当たり前のことだが、彼女も子連れになった。子供が疵だとは云っていない。疵とはこころの問題であって、子供をつくる過程で彼女の内面に生じる疵である。子はそういったことに無頓着に生れそして育つ、ある歳までは。
のっけに面接した時のことを云われた。店の表に「猫の手募集」と書いていた。わたしは覚えていないが、愛子さんによると五、六人の猫の手が店内にいらしたそうな。そして彼女は履歴書を持ってきたようだが、わたしはそのようなものを読みはしない。それどころか、名前すら覚えない、必要があればそのうち覚えるからである。その証拠に愛子さん以外の名前をわたしは覚えていない。
当時、彼女は女子大生だった。二年ほど経て、彼女は就職試験を受けたが、その会社に君が居ようが居まいが会社は存続する。ですぺらのホールは君が居なくなればどうなるのかね、と云ったらしい。慎にもって勝手なはなしだが、彼女はですぺらを選択してくださった。おかげでですぺらの営業は続いた。それが良かったか悪かったかは書かない。彼女にとっては悪いに決まっているからである。ですぺらは食堂だったので、とにかく忙しかった。やがて彼女はあしらいを覚え、厨房に欠かせない存在となる。
わたしは毎日酒を嗜んでいた。飲み出すとウィスキーなら一本は空けていた。よって毎日泥酔運転だった。愛子さんはそうしたわたしの滅茶苦茶な性格をよく心得ている。ある日、神戸の三ノ宮へ飲みに出掛けた。一軒目で二本目のボトルを開けたまでは覚えているが、後は定かでない。明石への帰り道、高速道路がどこまでも畝ってい、地球は丸いものだと実感させられたのを覚えている。同乗するにさぞかし勇気が必要だったと思うのだが。
彼女に云わせるとわたしには透析を楽しんでいるかのような風情があるそうな。楽しんではいないが、悲しんでもいない。あるがまま受け容れているだけである。ごくたまに面倒と思うこともあるが、命が掛かっているので手抜きはできない。ただ、自殺の心配はもっかのところない。わたしは先行きは考えないようにして生きてきた。なるようにしかならないからである。能転気なところなきにしもあらずだが、楽天的なわけではない。その辺りの呼吸法のようなものを彼女に掻っ払って欲しかった。
人生、猫の手で結構。ひとつの賓辞を自分に強いているとき、そんなときだけである、人生が輝いて見えるのは。
追記
男女のいかんを問わず、主辞の大安売りには閉口する。ひとがなにを考えていようが、わたしの知ったことでない。私自身、わたしの主辞など信じていない。云った口の下から含羞や逡巡が押し寄せてくる。
神戸での経験だが、ボランティアが必要になるのは二、三年後から五年後である。そのためのサポートはなされているのだろうか。神戸や富山のボランティアグループが活躍なさっているが、あまりにもボランティア任せでないだろうか。
経済界では電力の値上がりを懸念して、原発の存続を強調する。今回の事故に纏る費用を加えなくても、原発電力の価格は現在の十数倍との試算がある。使用済み燃料の処理や将来の廃炉の費用を加えてのはなしである。
このような大事故があって原発は停止されるのが当然である。前述したように、停止に伴う電力不足に対応するための立法がなにひとつなされないのはどうしてか。法律を改正すれば電力不足は回避できるが、そのためには東電の解体、電力の自由化が必須条件である。例えば、ガス会社の自家発電を今の十倍にするに、インフラ費用は東電のそれをはるかに下回る。
国外へ出られる大手企業は出るしかないだろう。国内の経済活動は根幹から変わらざるを得ない。将来を見据える経済人も政治家もわが国には見当たらない。
五年後、十年後には原発被害者が顕在化する。広島同様の長期裁判が繰り返されることになる。そのための立法を手当しておくべきだと思うのだが。霞ヶ関も経済界も念頭にあるのは対症療法のみ。対症療法とは申せ、決して適切な処置ではない。
ある金融関係者が、今回の大震災と阪神淡路の違いを指摘する。「阪神淡路のときは家屋は壊れたけれども、仕事は残っていた。今回は、職場そのものまで失った人たちが大勢いる」。確かに自助努力を求めるには、あまりに事態は深刻である。
為事が「なくなった」30.2パーセント、「減った」と応えた方36.9パーセント、人口にして十一万人。阪神淡路大震災の際は失職乃至離職した人は十万人、率にして3.6パーセントである。ちなみに罹災後、神戸を離れた人口も十万人だった。そして、自宅または工場や商店の再建による二重ローンを抱えた被災者は一万人を超えた。東日本の場合は車や漁船といった生活手段がそれに加わる。糅てて加えて福島である。
電気がほぼ復旧したのは、阪神淡路が震災から六日後の一月二十三日、これに対して東日本は二十日後の三月三十一日で、約十七万戸が停電したままだった。もっとも、神戸の場合も全面復旧に電気は一箇月、水道は三箇月掛かっている。今回は四箇月目に入った現在、水道とガスは目処さえつかない町村がある。瓦礫の処理に兆単位の予算が必要だが、こちらの目処も立たない。
自民、公明、みんな、たちあがれ日本、新党改革の野党五党は二十一日、福島第一原発事故の被害者への賠償金を東京電力に代わって国が仮払いし、生活再建を支援する「原子力事故被害緊急措置法案」を参院に共同提出した。東電が支払うべき損害賠償額の半分以上を国がまず支払い、後で東電に請求する内容だが、これから審議に這入る。法案山積でどうにもなるまい。
北九州市子どもノンフィクション文学賞というのがあって、佐木隆三さんが中心になって審査をしている。第二回の最終審査会は二月二十五日、小倉北区のホテルで行われた。全国・海外から934(中学生の部)の応募があり、中学生の部の大賞を「父がいなくなった時」が受賞。受賞者は梅光学院中学校三年生の江原千花さんだった。入賞作品の表彰式は北九州芸術劇場で三月二十八日に催された。
梅光学院の中学三年生は同文学賞に全員応募することを目標にしている。今年は江原さんの大賞はじめ、佳作に垣田紗幸さんの「私の夏休み」、そして学校団体賞(中学校の部)のトリプル受賞だった。
受賞作品は冊子にまとめて全国の図書館に送られる、そちらでお読み頂きたい。中学二年生の秋、突然消息を絶った父が遺体で見つかるまでの出来事や心情を描いた傑作と佐木隆三さんは激賞する。久しぶりの天才児の出現を思わせる。
、遺体の「腐敗のにおいが、ぎんなんの香りとそっくりなこと。(中略)ぎんなんの香りでいっぱいの十月の道は、通る度にあの日のことを思い出させた。他の人はそんなこと知らないだろうなと思いながら、その道はなるべくゆっくり通るようにした。決して良い思い出ではないのだけれど、少しでもパパを感じていたいと思うと、そうなった。自分でも、よくわからない行動だと思う。」
江原千花さんには異なる話題もあるが、わたしはそちらに興味がない。
米国ジェンザイム社のセベラマー塩酸塩錠に変わったのは良いが、やはり量が十分には行き渡らないようである。わたしの服用量も減らされてしまった。高リン血症は当分続きそうである。主治医に問い合わせたが、川口の薬局でも新規の入手は無理だそうである。
血清リンの正常値は2.5〜4.5mg/dl、値が5.0mg/dl以上に上昇した場合を高リン血症という。手指が引き攣ったり、唇の痺れなどがおこる。捨て置くと、血管に石灰化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まる。それよりも、骨の劣化や変形が嫌なのである。長期透析患者はことごとく足の骨が変形し跛を引いている。
今回の品不足は中外のレナジェル、キリンのフォスブロック(名称は異なるが同じ薬)共に委託製造会社の被災によるものだが、考えてみれば心許ない薬である。2003年6月から販売された新薬で、特許があってジェネリック薬品はない。検索したところ、九月末には元に戻るようである。
クリニックで苦言を呈したところ、取敢えずアルファロール〈ビタミンD〉を頂戴したが、これでは解決にならない。
追記
他のリン吸着剤としてバイエル薬品のフォスレノール(炭酸ランタン)がある。昨今、中国の輸出規制で問題になったレアアースが原料の一部に用いられている。
瓢箪から駒は出ずとも涙は眼から出で灰吹から蛇は出ずとも間違ひは欲から出る。権勢欲も極まれり、今回も菅首相の作戦勝ちである。辞める気はさらさらないように見受けられる。震災をここまで人質に取り込まれては為す術はあるまい。
然り乍ら、瓢箪から駒でも良いから脱原発を称えないだろうか。大阪の橋下知事は脱原発、滋賀の嘉田知事は卒原発を表明した。前項で記したように、原発から脱却しようとすれば、夥しい数の新規法律が必要になる。そうでなければ広域停電は避けられない。現在の大臣の過多は反対するだろう、むろん政党もである。菅自身、原発を五十パーセントにまで拡大すると、三月十二日の東京電力福島原発爆発までは宣っていた。爆発が彼を変えたのなら結構、彼の欲がそれをさせたのなら猶のこと結構である。事情は問わない、日本中の原発が廃炉になるなら菅万歳なのだが。
汗をかく季節になった。透析が功を奏し、わたしにも体臭が戻った。腋の下を手の平で拭い、匂いを嗅ぐ。この二年間、遠のいていた匂いである。それにしても、汗と高リン血症が相俟って背中が痒い。主治医に処方箋を書いていただこうかと思う。食べ物同様、薬も自分で管理したいのだが。
震災で委託製造会社が被災、レナジェルの安定供給に支障が生じていたが、米国ジェンザイム社からセベラマー塩酸塩錠800ミリグラム「G」が輸入されることになった。代用品となっているが、米国製が元の薬品である。有効成分は同じだが、添加物はまったく異なる。添加物として二酸化ケイ素、ステアリン酸、ヒプロメロース、ジアセチル化モノグリセリドが這入っているが、わたしにはなんのことやら。
レナジェルは中外製薬とキリンビールの共同開発だが、当分のあいだ米国産セベラマーを処方せよとのこと。クリニックではわたしが最初だそうである。アルミニウムやカルシウムを含まないので、安心できる薬である。
政府の被災地支援は論外だが、菅首相が云う電力会社の発電部門と送配電部門の分離、風力や太陽光など再生可能エネルギー法案、原発の廃炉について国が責任を持つ新法などは、もし制定されれば画期的なものになる。
東電の電力供給量はすこぶる恣意的なもので自家発電や揚水発電は含まれない。要するに原発を止める気はまったくないからであって、それは東電に限らず、経産省も民主党も自民党も同じである。経産省は六月中に新たな審議会を設置、原子力発電をエネルギー供給の「三本柱の一つとする」との方針を打ち出した。海江田が経産省の依頼で全国の原発再開を命じたのも、菅の主張に対する牽制であろう。
東電の最大供給量は600万キロワットだが、民間の自家発電も600万キロワットほどある。それに細かい風力、太陽光、地熱などを入れれば、原発がなくても大丈夫だが、そのためには法律改正が必要になる。東電を解体するか、電力会社の発電部門と送配電部門の分離ができれば民間の発電を利用できるのだが、問題はその法律改正ができないところにある。
原発が定期検査に入ったまま再稼働できないという状況にもっか陥っている。安全性について地元自治体の理解が得られないためで、このままでは来春にも国内五十四基の全原発が止まるかもしれない。そのような状況下で橋本府知事は海江田に猛反発し、石原都知事は核武装の必要を説く。原発はどこへ行くのだろうか。
汚染された瓦礫の処理に関する法律すら出来ないのに、東電を解体するような法律が通るわけがない。マスコミが云うように菅首相は延命しか考えていないのか、それとも脱原発を本気で考えているのだろうか。
追記
十一時過ぎの共同通信で、菅直人首相の退陣条件として公債発行特例法案と2011年度第二次補正予算案の成立を図ることで大筋合意した、とあった。結局はそのようなものか。
昨夜、伊波普猷や仲宗根政善の生涯を描いたETV特集を見ていて涙す。日本人なら標準語を遣えと命令され、沖縄方言を遣う者は米国の間諜とみなされ処刑された。旧軍部は朝鮮に於けるのと同様の振る舞いを沖縄でも続けた。それは戦後も長く続き、琉球大学の琉球文学に執筆した多くの学生は退学のやむなきに至った。琉球大学国文科の助手や学生など若者たちによるおもろ研究会(沖縄の万葉集と云われる)の発足が1968年。その学生たちによって細々と続けられた琉球方言研究クラブが中心になって沖縄言語研究センターが設立されたのが1978年。禁じられていた「しまくぅとば」が小学生に解放されるのは沖縄返還後、十数年を経てのこと。
ちなみに、同じことをアイヌ民族相手に日本人は強いてきた。いづこの国も同じであろうが、日本の歴史も血で彩られている。日本語に恨みはないが、日本語を用いる国民、大衆には恨みを感じる。ひとは常に徒党を組む、数は権力を生み権威をもたらす。その権威は伝統や歴史の名でもって少数者の生命を簒奪する。日本の歴史もまた多民族の否定であり、異民族虐殺の歴史である。
「国旗掲揚」で触れたことと消息は同じである。日本語や国旗そのものに罪があるわけでない。運用する側の心根に問題がある。特定の民族や社会、団体が長い歴史を通じて培い伝えてくるところのものは個とのあいだに齟齬を生む。その食い違いに常に身を晒しつづける精神的在り方があっての歴史であり、伝統だと思うのだが。
「これは何なのか、見たことのない光景だ」西岡武夫が菅首相の意外な粘り腰について語った言葉である。辛坊治郎が「週刊朝日」で「発言する西岡参議院議長」について糞味噌に書いていた。参議院議長としての権威を貶めるとか議長としての中立性うんぬんだが、いずれにせよ、同氏の型破りの姿勢を揶揄してのはなしである。その西岡は尖閣問題や原発問題に対する政府の責任放棄を痛烈に非難する(ニコニコ生放送「山本一太の直滑降ストリーム」)。
菅総理は一旦は「辞める」「退陣する」というニュアンスを醸し出して、不信任決議案に賛成しようと思っていた人たちを反対に回したとあるが、菅首相はニュアンスを匂わせただけで、辞めるとは一言も云っていない。わたしはそれを「取りも直さず菅首相の作戦勝ちである」と書いた。不見識と云えばそれまでだが、復興基本法も自民党と公明党の案を丸呑み、今回は「1.5次補正」を、さらには内角改造までも口にしだした。
一昨夜幹郎さんと話していて、菅は総理の座にあって市民運動を、政治家を相手に抵抗運動を試みているとの発言があった。卓見であって、どうやら個に徹しているのは菅と思しき風情がある。菅にとっては与党も野党もない、要するに味方はいなくなった。従って、利用できるものはなんでも利用する。よって国会の延長も野党は断り切れなくなった。
復興基本法案、第2次補正、3次補正予算の上程の他、電力会社の発電部門と送配電部門の分離検討を提起したと思えば、風力や太陽光など再生可能な自然エネルギーを基幹エネルギーに加える方針を表明、原発の廃炉について国が責任を持つ新法を検討するようである。菅首相を「延命学」の大家と名付けたのはみんなの党の渡辺喜美だが、それは今のところ有効である。
菅の横紙破りは既に政治家のそれではない。戦略として西岡や小沢のそれをはるかに凌駕する。個に徹し、加えるに総理大臣である、怖いものはない。八月の頭「原爆の日」に「脱原発」を争点に解散、総選挙を打つやもしれぬ。頑固一徹、とんでもない市民活動家を抱え込んだものである。
気仙沼で八十代の夫婦が無理心中した。妻を絞殺後、夫は電気コードで縊死。夫婦の自宅は東日本大震災の津波で損壊。妻は寝たきりで介護を必要とした。
五月の自殺者数は岩手県三十二人、宮城県五十人、福島県六十八人。福島第一原発事故が収束しない福島県が十九人増えている。阪神大震災では地震発生後しばらくたってから高齢者の自殺が相次いだ。多くが仮設住宅で一人暮らしだった。
津波で建物が全壊するなどして運営できなくなった高齢者施設が三県で約八十箇所に上り、入所していた高齢者約三千三百人が現在も他施設で避難生活を余儀なくされている。岩手で約五百人、宮城で約千二百人、福島で約千六百人。このうち認知症の患者数は四百から六百人とされる。環境の変化などで症状が悪化するケースが多く、施設再建への支援が求められる。被災した建物の多くは賃借物件なので再建に国の補助は受けられず、自治体にも支援の枠組みはない。
詳述しないが、原発周辺の入所施設から避難した知的障害者の死亡が相次いでいる、こちらも同様である。
国旗、国歌について囂しいが、どうして向きになるのだろうか。わたしは東山小学校の一期生だが、国旗掲揚係だった。誰よりも早く登校し、日曜、祭日を含めて無遅刻無欠勤を通した。当時は日教組が過半数を占め、苦虫を噛みつぶしている教師も多かったと思うが、直接なにかを云われたことは一度もない。国語の教師からやってくれるかと頼まれ、好きな教師だったので気楽に引き受けた。教師一般に対する反抗心があったのかもしれない。
国旗、国歌に対しては多少の思い入れがあるが、オリンピックや国体で国旗を打ち振る趣味はまったくない。個として国旗、国歌にお付き合いしたまでである。従って、公務員〈教員〉が反対する理由がわたしには分からない。先般の戦争にしたところで、一握りの戦犯が起こしたものと思っていない、国民の支持があればこそであって、どちらかと云えば、わたしは日本の国民をこそ憎んでいる。議会制ないしは政党制を支持しなくなったのは大衆であって、その大衆の支持を得て台頭してきたのが軍部でなかったのか。消息はワイマール体制下のナチスと同じである。
繰り返すが、わたしが信じるのは個のみ。国民とか大衆とか世論などと云うものは眼中にない。
震災のせいで、このところ魚が極端に廉い。鮪の値が下がっているのは周知だが、その他の高級魚も例外でない。ヒラメ(四十糎、890円)、カレイ(680円)、マダイ(980円)、クロダイ(880円)、イシダイ(1200円)、カワハギ(290円)、メバル(580円)、イサキ(320円)。ヒラメ以外は三十糎ほどの刺身用、立派な魚体である。目下一尺の魚は刺身にして八人前以上ある。一人では食べられないので、購入は控えた。
ちなみに、国内産本鮪の大トロがグラム510円、中トロが390円である。百円寿司で朝網や昼網のヒラメやイシダイが扱えるとは信じられない。ここまで値が下がれば、高級寿司店はどのように値を付けているのであろうか。
ともあれ、値下がりによって代用魚の出番はなくなる。やはり、深海魚は深海魚として楽しみたいものである。
透析中ニュースを見ていたのだが、郡山で小学生の鼻血が多発しているようである。沖縄の喜友名さんが原発で内部被爆し多発性骨髄腫で死亡、初の労災認定を受けたとの報道があった。家人によると風呂場で血の塊が鼻から噴き出たとあったが、やはり頻繁に鼻血が出たと証言している。病気を発症してからの一年は老人のようになってしまったとも。
喜友名さんが被曝した線量は六年四箇月で99.76ミリシーベルト、年間15.8ミリシーベルトだった。東電の200ミリシーベルトと比して遙かに低い。原発に従事した労働者7829人中内部被曝量を測定したのは約1800人、なかには5.2ミリシーベルトで白血病を発症した人もいる。
東電社員ならびに作業員の中から八人の被曝者が出た。放射線医学総合研究所の評価で三十代社員の被曝量は678ミリシーベルト、四十代社員は643ミリシーベルトと判明。新たに六人が250ミリシーベルトを超えた可能性があると厚労省が発表。また、双葉厚生病院の関係者三人が、除染後の検査でも高い放射線量の値を示したため、第二次被曝医療機関に搬送されていたことも判明した。
放射性物質がピークだった三月に福島第一原発で作業していたのは3726人。そのうち内部被曝量が判明しているのは約六割の2367人。残る1359人の半分は検査すら受けていない。これから被曝者が続発する。前記、郡山の小学生は十年後にどうなるのだろうか。
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