ですぺら
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東京奠都  | 一考    

 藤江屋分大が創業した1818年は化政文化の真っ直中、花見酒が軒昂だった。その酒のあてとして開発されたのが桜餅と羊羹だった。往時の酒は甘く、甘さを甘さで打ち消すといった案配だった。隅田川ほとりの長命寺門前の茶屋山本屋の桜餅や本郷の藤村羊羹はつとに知られるが、江戸時代は煉羊羹の全盛時代でもあった。「虎屋黒川」が「京風羊獎」で駿河屋と並び称されるようになったのは、明治維新の東京奠都に伴って東京に進出した後のことであった。時の権力者に阿り、東京を代表する屋号となったが、仔細はさておき伊藤敬さんから頂戴したとらやの羊羹セットは忘れられない。
 大坂から江戸への砂糖の輸送は、当初、菱垣廻船によって行われていたが、西宮の酒を江戸に送るための樽廻船がはじまると、砂糖輸送も樽廻船を使うようになった。その権利をめぐってしばしば刃傷沙汰になったという。
 和菓子のなかでも羊羹は棹物(さおもの)に分類される。そのため、1棹、2棹と呼ばれる。西日本の主に近畿地方では丁稚羊羹、練羊羹との違いは水分の含有量と若干の作り方である。近々、分大の丁稚羊羹を買いにいこうと思っている。

追記
 先日、分大さんが来店、前回に続いて砂糖のはなしになった。前項で触れたてんさい糖は20年ほど前に、94年量産化に成功した岡山林原のトレハロースもいち早く用いている。さまざまな実験を繰り返しているのだと愕く。最近は喫茶店でラ・ペルーシュのキューブブラウンを用いるところが増えてきたが、わが国の砂糖は上白糖、グラニュー糖、三温糖、角砂糖と同じものである。日本は工場の生産ラインが決まってい、他のものは輸入するしかなさそうである。
 もうひとつ面白いはなしに、年齢から来る味覚の変化があった。味覚には、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の基本味があるが、甘味以外は顕著に衰えていくようである。老いにあって嚥下障害と味覚障害は避けられない。味覚のキーは味蕾だが、味蕾は8歳から急速に増え、12歳をピークにまた減ってしまう。ピーク時では約1万2000個あるが、大人になると半減してしまうのである。分大でも最近味が変わったという方がいるが、味はなにひとつ変わっていない、変わったのはそのひとの味覚そのものなのである。
 ウイスキーに関しても昔は旨かったがお客の口癖だが、年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず。12歳でウイスキーを味わえないのが残念至極。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月28日 17:16 | 固定ページリンク




珍客  |   一考

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 玄関にツバメが巣を拵えた。泥や枯れ草、木屑のようなものが大量に落ちていたのだが、まさか犯人が鳥だとは気付かなかった。店へ行こうとして玄関を開けたとき、ツバメの帰宅と遭遇した。周章てたのはツバメの方で、わたしがいなくなるまで辺りを飛び回っていた。餌を採ってきたのであろう。1箇月ほどピーピーと五月蠅くなるが、7月の末には巣立ってゆく。わたしが住んでいるところは18戸の長屋である。その中から拙宅を選んでくれたことに感謝、一人暮らしの身には嬉しい珍客である。

追記
 帰宅後、真っ先に巣を覗いたが、親は頭を突っ込んで寝ている。尾っぽは巣からはみ出ている。ちょっと小さいようである。天井灯の金具の部分に張り付くように設えているが、夜通し電気は点いている。ツバメは薄暗いところを好むのでなかったか。


投稿者:   一考  日時: 2018年06月24日 18:42 | 固定ページリンク




立ち居振る舞い  | 一考    

 日曜日、寝具の洗濯と夏物への交換、ライダースーツの洗濯と交換、そして家中に散らばっている段ボールの除去と掃除に明け暮れた。1日では到底処理しきれないが、足下は若干片付いた。老人の一人暮らしはあっという間にゴミ屋敷になってしまう。有るときは書物に埋もれ、有るときはサイクルパーツに、また有るときはウイスキーが溢れ、ヤフオクで生計を立てるようになってからは段ボールの山である。ものを持つのがよろしくないのは分かっているが、そのものがあればこそ、発症してからの8年間、医療費と生活費と家賃がなんとか捻出できた。
 「見過ごすと危険、妻の無言は「怖い最後通告」」として「夫源病」なる病が多発しているそうな。わが国の亭主の身勝手さはわが身を振り返ればよく分かる。うまく行っているのは別居しているからに他ならない。一緒に暮らせば間違いなく一週間で最後通告を突きつけられるに違いない。一人暮らしは気の向かないことはしなくて済む。その代わり、炊事洗濯など家事万般は自分でするしかない。
 病気になってよく分かったのは明日のことは誰にも分からないということ。身体だけは自分で読み切られないのである。医師に云わせると3度死んでいるようだが、臓器移植の後も下血で死にかけている。その内2度は危篤ということで、女房子供共々、埼玉の病院へ呼び出されている。通常は危篤となれば死ぬのが当たり前なのだが、わたしは死ななかった。よほどの強運か悪運の持ち主なのであろう。二度とも輸血で命ながらえた。一度は21単位、一度は12単位の輸血である。2日に及ぶ輸血の後も身体はベッドに縛り付けられたまま、身体を動かせば看護師が駆けつける。センサーが取り付けられているのである。そして身体もベッドも排泄物で汚れてしまう。ひとは死に向き合ったときですら立ち居振る舞いには気を遣おうとする。立ち居振る舞いがままならないと分かっていても。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月22日 02:34 | 固定ページリンク




高麗苑  | 一考    

 高麗苑の高野さん来店、彼とは旧い付き合いである。1982年から85年に東京中野新橋へ転居するまでの4年間、わたしは太寺3丁目に住んでいた。いま調べてみると、井筒典久さんの家と道を隔てて100メートルも離れていない。30代半ばのことである。
 往時、明石駅へ行くに東仲ノ町商店街を歩いていた。その中程に高麗苑があった。長田の婆さんが造っているどぶろくを飲みながら、金がなくて何時も決まっててっちゃんを食べていたのを思い起こす。行く度に、同じく一人前のてっちゃんを大事そうに食べている客がいて親しくなった。どちらも儲からない客だったが、高野さんは嫌な顔ひとつせず接してくださった。高野さんから聞いたのだが、客すなわち岡本書店の息子さんはフェリーから身投げして亡くなられたそうな。神経質だが、どこかしら人懐っこさを覚えさせる素敵な青年だった。彼と酌み交わしたどぶの甘酸っぱい味は忘れまい。
 後年、赤坂でですぺらをはじめた時、NTTの木村さんが焼き肉を所望された。あの折の焼き肉は高麗苑から取り寄せたものである。全国焼肉協会の寄り合いがある度に高野さんはですぺらへいらっしゃる。面倒のかけっぱなしで気がひけて開店の挨拶にも行かれなかった。高野さんがですぺらを見付けたのはまったくの偶然である。肝臓を悪くして2箇月ほど入院なさったとか、随分と痩せていたので瞬時どなたか分からなかった。
 一考さんも随分と髪が薄くなってと高野さん。昔はダンディだったのに、と。彼はわたしより6歳下だが、老いというものは等し並みに訪れる。わたしはこの等し並みとの言葉が好きである。そこには差別がないからである。彼は在日ゆえ、謂われのない差別と闘ってきた。だからこそ、わたしは彼と親しくなり、家族付き合いもしてきた。二人して抱き合って再会を喜んだのは云うまでもない、生きていてよかったねと。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月22日 02:29 | 固定ページリンク




立ち転け  | 一考    

 2日連続で雨に打たれた。大蔵海岸の駐車場で同い年の老人から珍しい車に乗っていますねと声をかけられた。キャブ使用ですからと応えると、それにしても磨きが足らないようでと云う。こちとら土砂降りでも二輪に乗っているのですよ、いちいち磨いてられるかと、ここは堪えて和やかに笑う。ライダーらしく「お達者で」と挨拶を交わして別れた。
 久しぶりに晴れたのでタバコを買いに舞子まで走る。歩道へ乗り上げたところでいきなりエンスト、煽りを食らって立ち転けと相成った。この30年ほど立ち転けとは無縁だったが、寄る年波には勝てぬ、何時か倒れるだろうと思いつつ、そのためにこそ足つきの良い小型バイクに乗り換えたのだが、倒れるときに大型も小型もないと分かった。それよりも、学生と思しき妙齢の女性が3人駈け付け、バイクを起こそうと手伝ってくださる。立ち転けが恥ずかしいという年齢はとっくに過ぎた。本音をいえば、女性と一緒にいたいがためにそのまま引っ繰り返っていたかったのである。

追記
 ブレーキレバーの先端が折れてどこかへいってしまった。運転には支障ないが、アルミ製品は役に立たない、鉄製のレバーがあれば良いのにと思う。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月22日 02:21 | 固定ページリンク




赤坂一ツ木通り店のカタログより  | 一考    

 ですぺらの店主はライダーですが、決してバイクおたく、旧車マニアではなく、走りを目的とし、自ら整備し、雨風に打たれるのを快感とするライダーです。従ってモルト・ウィスキーを取り扱うのも、それがたまらなく好きであり、幾たび宿酔の悪夢に魘されようが懲りもせずに飲み続ける、要するに単なる酔っ払いなのです。
 昨今、通信ネットが発達し、日々各所でオークションが催され、さらなるレアものも容易に入手できるようになりました。特に伊太利亜では盛んなようです。国内を振り返っても、レアものや旧ボトルを取り扱う業者が増え、今では専門の業務店も存在します。しかし、人は時代の子。生体解剖に興味は有っても、死体解剖に店主は些かの興味も抱きません。シュルレアリストにしてシングルモルトの先達、神大の仏文学者、故小島輝正氏の三千本を越えるコレクションも震災であえなく瓦解。目前にごろんと転がる現実、要するに与えられた条件の中で、いかに気軽にモルト・ウィスキーを嗜みかつ愉しめるかに、ですぺらの本意があります。
 酒の世界にあっては本質が実存に先立ちます。人に親しまれ飲まれてこその存在。たかが酒ではありませんか、蘊蓄やこだわり等豪快に嗤い飛ばして飲みましょう。

  ≪いたずらに生きのびし意志弱行の者たち
       やるせない遠吠えの咽をうるおすために
                  誰あらん 美酒一献≫


投稿者: 一考      日時: 2018年06月14日 01:10 | 固定ページリンク




ノンブレンディングの個性  | 一考    

 先日、東京から戸井田和重さんがいらした日、三宮の「スランジバー・エーボ」の岩田秀史さんと同席となった。戸井田さんとは一ツ木通りの店舗からのお付き合いだが、岩田さんとはごく最近である。エーボはブレンディングウイスキーを主となさっているようである。ブレンディングは元々ウイスキーの原点である。モルトウイスキーは個性が強く、複数のモルトを掛け合わせることによって個性を中和し、飲みやすいウイスキーに仕立てたものである。よって、おらが村の酒はこれに限るといったふうに地元の少数者によって飲み継がれてきたのがシングルモルトである。
 シングルモルトがわが国で飲まれはじめたのは1980年頃のようだが、ピュアモルト、ノンブレンディングなどと蒸留所によって呼び名はまちまちだった。それを統一したのはUD社(ユナイテッド・ディスティラリーズ)、現在は6箇所に絞り込まれたが、往時は約半数の蒸留所を抱えていた。傘下の蒸留所に声をかけ、呼称をシングルモルトに統一、2003年のことである。
 わたしがバーをはじめたのは1994年だが、シングルモルトなる飲み物の存在に気付かされたのはそれからである。従って、まだ24年にしかならない。バランタインのメインモルトがグレンバーギ、ジョニー・ウォーカーのメインモルトがカーデュなどと云われても、メインモルト、キーモルト共々わたしにはさっぱり分からない。岩田さんによると個別に味が分かるとのことだが、1本のボトルに入っているモルトはたかだか3パーセントか多くても10パーセントまで、キーモルトはそのうちの僅かに3パーセントほど、1本のブレンディングウイスキーのなかに2ccである。それがタリスカーであれクライヌリッシュであれロイヤル・ロッホナガーであれ、わたしにはちんぷんかんぷんである。もっとも本職のバーテンダーではないので、岩田さんにかなうわけもないのだが。
 英国に住む友人からジョニー・ウォーカーは外貨を稼ぐためのウイスキーであって、地元のスーパーではジョン・ウォーカーとの安酒が売られていると土産に貰った。現在わが国で売られているジョン・ウォーカーとは違って、本当にモルトが這入っているのかと疑いたくなる不味い酒だった。

 わたしがシングルモルトに惹かれたのは好き嫌いは別にしてその強烈な個性である。グレンアギーのポマードのような香りと苦みを伴う濃厚な味わい。オルトモーアの徐光液を想わせる特異な香りとココナツや胡桃を擂り潰したオイリーな味わい。グレン・ギリーの草木染に用いる露草や湿った海苔、コスメティックな香り、バイオレット・フィズを想わせるオイリーな味わい。コールバーンの輪ゴムを噛みしだくような味わい。ダラス・ドゥーの潤いを含んだ樽、雨降りの製材所の臭い、雨に打たれた整髪料を想わせる味わい。コンヴァルモアの初手からフィニッシュに至るまで、甘味の中に粗塩のような薬品臭がつきまとう味わい。ベンローマックの根生姜、がり、茗荷を思わせる苦み、飲むにつれ、もろみ味噌が恋しくなる。もろきゅうでもよろしいが、胡瓜のサクサクした食感はウィスキーには馴染まない。北京味噌もしくはしゃもじに塗りつけて焼く蕎麦味噌のような焼き味噌が相応しい等々。けだし、それらは立派な個性。超個性的な香味を内包する。
 一方にグレンロッシー、リンクウッド、ロイヤル・ロッホナガーなどというソフィスティケーテッドなウイスキーがあり、他方、グレン・グラント、グレンフィディック、グレンリヴェット、ダフタウン、トーモア、トミントゥール、ミルトンダフ、マクダフ、バンフ、ロイヤル・ブラックラ、グレンロッキーのようなすべてに於いて物足りないモルトというかモルト風味のウイスキーもある。わたしは後者のウイスキーを飲みたいとは思わない。同じ飲むなら個性を個性として楽しみたい。「誰も責任をとらない」との標語をかかげるわが国のサラリーマンのようにはなりたくないのである。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月14日 01:03 | 固定ページリンク




しのぎ盃  |   一考

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 江戸時代初期の伊万里 白磁 しのぎ盃。寸法は口径約6.2cm、 高台径2.5cm、高さ5.5cm。買う気はないが、良い味わいである。ろくろ引きした後に施されるしのぎである。


投稿者:   一考  日時: 2018年06月11日 07:11 | 固定ページリンク




403 Forbidden  | 一考    

 掲示板にコメントを掲げようとすると403 Forbiddenとなります。アクセス権の問題で、Terminalで訂正できるようなのですが、わたしには分かりかねます。どなたかご教示いただけないでしょうか。
 拙宅はJ:COM(ジェイコム)で繋がっていて問題は生じないのですが、店の方はフレッツひかりとso-netで繋がっています。そちらが403 Forbiddenの頻発で困惑しております。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月10日 10:04 | 固定ページリンク




ハリイカ  | 一考    

 月曜日からつづいていた下痢が治まった。久しぶりの食事に舌鼓を打つ。一週間分の食料の買い出しは日曜日にまとめて行うが、今週は食料の大半を捨てざるを得なかった。特に野菜は刻んだものを買ってくるので日持ちしない。
 鳥取や島根の白いか(ケンサキイカ)同様、明石のまえもんハリイカ(コウイカ)は旨い。コウイカの新イカは東京ではキロあたり1万円を超える超高級品だが、当地では安い。親イカなら200円から300円で手に這入る。松戸では墨がついたまま出荷していたが、こちらでは洗い落としたり洗わなかったりといろいろである。同じコウイカでも大型のモンゴウイカは好きでない。ガムを食べているようで興がが湧かない。そのハリイカを二枚買ったのだが、どうせ食べられない。よって綺麗に掃除をし、冷凍庫に保管した。明日にでも山椒焼き(塩焼きが駄目なので)にしようかと思っている。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月10日 09:52 | 固定ページリンク




シュリンクフレーションの逆  | 一考    

 牛乳、チョコレート、ポテトチップ、マヨネーズ、チーズ、ハム、ソーセージ、いつの間にか容量が減っている商品は数多い。その一方で食パンのように増えているものもある。近隣のスーパーで購入する食パンがトースターに這入らなくなって困っている。食パンなど全国どこへ行っても同じ大きさだと思っていた。大きく造らなかった家電メーカーが悪いのか、それとも、サービス精神旺盛なパン屋が悪いのか定かでない。
 戦後のうどん屋は一貫して一人前100グラムだった。これは茹でた後の重量で、茹でる前だと70グラム弱だった。定食だとそれにいなり寿司が2個付く。それが今でははなまるうどんの小が210グラムで丸亀は並で250グラムだとか。みなさんこのように馬鹿食いするのであろうか。明石にもうどん屋,そば屋で行きたいところがあるのだが、いずこも一人前300グラムとやら、それを聞いただけで怖気を振るってしまう。食えるわけがなかろうに。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月09日 02:34 | 固定ページリンク




助六  | 一考    

 先日、女房がサントリーの山崎を取りに来た日、寿司を持っていた。巻きが4巻に稲荷が2つのどこででも売っているもっとも安価な盛り合わせ、すなわち助六である。子供が結婚して出て行ってからはこのようなものを食べていると。これで1日ですかと訊くとそうですと応える。彼女の体重は20代の頃から変わらない、30キロ台に留められている。お茶でも淹れようかと云うと、食欲がないので結構ですと。

 サントリーのはなしになる。同社が生産調整に這入ったのは2006年、2008年末からハイボールブームが起きているので生産調整はおそらく3年はつづいたと思われる。ブレンディングウイスキーの響17年が元に戻るのは2025年になるのでなかろうか。それよりなによりブレンディングに使う輸入原酒(バルクウイスキー)が高騰している。昨年のウイスキーの売れ行きベスト20の内、インドのウイスキーが過半数を占めている。インド産ウイスキーはスコットランドのモルトにインド産のグレンウイスキーを混ぜて造っている。ニッカと同じく、カリラ、ベンネヴィス、トマーチン、ボウモアなどが使われている。スコットランドはわが世の春を謳歌しているが、わが国も今までのようなニューポットだけでなく、10年ものを仕入れないとジャパニーズウイスキーは休売、終売の繰り返しになる、他にもダフタウン、アードモア、グレンダラン、カードゥなど生産量の多い蒸留所はある、などと私見を述べた。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月09日 02:32 | 固定ページリンク




嘉之助蒸溜所  | 一考    

 洋樽ではマルエス洋樽製作所、有明産業、昭和洋樽などがあるが、昭和洋樽はフローリングに転業、マルエスはニッカとイチローズモルトの樽をつくっていたが、今は焼酎メーカーを主としている。京都の有明産業は海外との取引が多く、嘉之助蒸溜所が持っているソレラシステムで80年使用したシェリー樽も有明産業から仕入れたもの。
 一言触れておきたいのはマッカランが用いるオロロソカスクは酸化熟成した辛口ワイン、モスカテルやペドロ・ヒメネスのような甘口ではない。それよりなにより、新樽をスペインへ持ち込んで2年ほど使った後、ウイスキーを詰めるとのインスタント作業で樽の善し悪しは二の次なのである。このような方法にわたしは異議を感じる。
 嘉之助蒸溜所はイングランドとドイツのモルトスターからモルトを輸入している。その内、イングランドのシンプソンからはヘビリーピートのモルトを引いているようである。12年前に山崎から頒されたヘビリーピートのシングルカスクもシンプソンだと聞いた。山崎のヘビリーピートはアードベッグよりもピート値が高く、頗る美味だった。
 亜熱帯で生み出されるシングルモルトウイスキーとして台湾のカバランを上げることができる。カバランは2010年、ウイスキーの本場スコットランドで行われたテイスティング大会で「カバラン・クラシック・シングルモルト・ウイスキー」が見事1位を獲得したのを皮切りに、世界で最も権威あるウイスキー賞といわれるWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)で「カバラン・ソリスト・バーボン樽シングルカスク・ストレングス」が「ベスト・レスト・オブ・ザ・ワールド・シングルモルト・ウイスキー」を受賞している。
 嘉之助蒸溜所は本年はじめてニューポットを限定発売した。そのテイスティングノートがすこぶる振るっている。

 COLOR(色):クリアだが、上質のオイルのようなとろみ
 NOSE(香り:焼きたてのパンのような香ばしさ、ベリー系ジャムのかすかな酸味を感じる濃厚な甘い香り
 TASTE(含み:はじめ甘く、次第にまろやかさが現れ、りんご系のエステル香が鼻に抜ける
 FINISH(余韻:モルト由来の含み香の特長が長く感じられる

 飲み方:そのままでもお楽しみいただけますが、ほんの数滴の水を加えてください。香りが華やかに開きます

 分かりやすい日本語で好感が持てる。カバランはヘビリーピートを扱っていない。嘉之助蒸溜所に期待している。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月08日 01:03 | 固定ページリンク




ワインカスク  | 一考    

 アルベール・ビショーのボージョレ・ヌーボー2007年の樽(15リットル)を買った。ボージョレ・ヌーボー全盛期、六本木や麻布くんだりのワインバーで同樽が持て囃されていたのは知っていたが、入手に至らなかった。有明産業の5リットルのミニ樽は24000円もする。本品は8000円だったが、チャーではなく、トースティングのミディアムが施されている。
 取り敢えず、慣らしに不味かったモンゴメリーズのロングモーンを入れている。兎にも角にもモンゴメリーズのシングルカスクコレクションは安いのが取り柄で碌なものがない。3箇月ほど馴らしてからアイラモルトのカスクストレングス(ラガヴーリン)を入れるつもりにしている。2リットルや5リットルのカスクと違って15リットルあれば、熟成が可能である。1年後の楽しみが増えた。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月08日 01:01 | 固定ページリンク




新薬と下痢  | 一考    

 サーティカンという免疫抑制剤がある。一部グラセプターの代用品なのだが、2018年 2月に売り出された新薬である。心移植、腎移植、肝移植患者のT細胞の増殖を抑制する。医師からは肺結核の予防になると聞かされたが、どこにもそのようなことは書かれていない。副作用としてとんでもない下痢をもたらすが、そのようなこともどこにも書かれていない。下痢のひどさは医師も了解したようで、サーティカンの処方を半分にし、グラセプターを一錠増やした。
 それにしても爾来、定期的に下痢になる。下痢になると必ず微熱が出る。恰度風邪を引いたような案配なのである。昨日もズボンとパンツを汚してしまい、介護用紙おむつを装着した。それもあって、こちらでは女性とのおつきあいは遠慮願っている。戸田では紙おむつは病院から支給されていたが、神戸では個人で購入している。

追記
 免疫抑制剤としては「サーティカン」、悪性腫瘍治療薬としては「アフィニトール」の名で製造・販売されている。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月08日 00:59 | 固定ページリンク




眞野公一さん  | 一考    

 iMac A1311は購入時に10.7がインストールされていた。一気に10.13.5にバージョンアップして使っている。ただしメールが消えてしまった。三種類の方法があるようなのだが、ことごとく失敗、USBで2台のPCを繋ぐというのがどうしても成功しない。もっとも、過去のメールを置いていても仕方あるまい。

 昨日、眞のマスター来店。ポートエレンとアードベッグを飲まれたが、ポートエレンははじめてとか、正直な方である。アードベッグがボトラーに樽の販売を止めてから随分になる。その代わり、オフィシャルのシングルカスクを頒しているが、値は20万円以上である。1993年蒸溜の21年ものマキロップチョイスが6万円ほど、蒸留所に任せるとサントリーと同じことになる。
 それにしてもオフィシャルボトルは拙い。蒸留所のブレンダーの好みとあれば仕方ないが、すべてに於いて香味が重い。GMのスピリット・スコットランドは9本ぐらい頒されているが、その内の3樽はシェリーカスク、抑制が効いていて絶品である。
 眞の店舗は西明石の駅からちょっと離れている。今度西明石か明石へ引っ越すそうな。できれば明石へ転居していただきたいと願っている。ウイスキーのはなしができる友にもっとも相応しいのが眞野公一さんなのである。


投稿者: 一考      日時: 2018年06月06日 21:48 | 固定ページリンク




ジャパニーズウイスキーの高騰  | 一考    

 女房から久しぶりに電話があって客から山崎を探してくれと頼まれたようである。彼女の依頼とあればどのような無理をしても調達はする。しかし、5000円だったノンエイジの山崎は現在14000円、13000円だった12年シングルカスクは26000円に高騰している。なんでここまで値上がりしてからと思う。
 原酒不足が理由だが、10数年前はひとはこぞって酎ハイ、ウイスキーなんぞ誰も見向きもしなかった。よってサントリーもニッカも生産調整、その影響がいまごろ出てきたのである。スコッチの売れ行きに応じて生産調整または生産拡大をスコットランドの蒸留所は繰り返してきた、スコッチの歴史は暴落と高騰の連続である。ところが日本人は中国人の買い占めが理由だという。
 前項で書いたように山崎の本物は最安値でも182000円である。ボトルに一割のモルトを入れて他はエチルアルコールで埋めたにせよ18200になる。中国人は本物のモルトウイスキーしか買わない。日本人はインチキを承知で安い似非ウイスキーを買う。中国人を莫迦ににするなといいたい。
 今回の暴騰を起こした張本人は酒屋である。昨今の酒屋は定価販売に無頓着である。アマゾン、楽天、ヤフーショップで競うように値を上げているのはすべて酒屋である。現時点ではヤフオクがもっとも安価である。ジモティーやメルカリはさらに高い。このような時こそストラスアイラ、ハイランドパーク、グレンマレイなどを飲んでいただきたい。ジャパニーズウイスキーの値上がりは2年前からだが、まだ5.6年は続く。買うのは控えた方がよろしいかと。

追記
 女房の山崎だが、蒸留所で販売していた300ミリリットルのボトルを調達した。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月30日 06:01 | 固定ページリンク




iMac A1311購入  | 一考    

 2005年製のマックを使っている。PowerPCなので、ネットにはまったく不向きだが、まずは文章が書かれるようになっただけでも良しととするしかない。ところが、ヤフオクが6月1日からPowerPCを切り捨てるようである。ヤフオクへ繋ぐ度に使えなくなりますとのテロップが流れる。
 困惑していても仕方がないので、iMac A1311を購入することにした。はじめてのiMacである。Core i3 3.06GHzを積んでい、Core i5やCore i7の下位モデルである。オンラインゲームには無縁なので、クアッドコアでなくデュアルコアで十分である。
 それよりなにより、中古で求めるとMac miniよりiMacの方が安いのである。ディスプレイが付いている分、高くなりそうに思うのだが。到着が待ち遠しい。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月26日 06:35 | 固定ページリンク




高級ウイスキー  | 一考    

 高値のウイスキーは置かないつもりだったが、リンリスゴウ(セント・マクデラン)、ブローラ、ポート・エレンの3種を置くことにした。81年、82年蒸留の最終バージョンである。リンリスゴウはマキロップ、ブローラはシグナトリー、ポート・エレンはダグラス・マクギボン、3本ともカスクストレングスである。
 セント・マグデランはレア・モルトよりゴードン&マクファイル社の100周年記念ボトルもしくはマキロップ・チョイスの方が好みである。トライすべきミディアムボディ、充実したボディはバランスがよく、シェリー風味のソフトな美酒に仕上がっている。
 ブローラもレア・モルトよりザ・ボトラーズもしくはダンカン・テイラーのものが好きである。レア・モルトは総じてシェリー樽由来のナッツのオイリーな風味と熟した果実の甘さが勝ち、クライヌリッシュと比してドライまた極めてスモーキーな味わいや噛みごたえのあるタンニンを伴うスパイシーなフィニッシュが稀薄になる。要するに、レア・モルトは旨すぎて小首を傾げたくなる。本品は70年代の鮮烈な煤けた味わいはないもののメロンを思わせる香りがあって、それ自体ひとつの個性として楽しまれる。
 マクギボンのポート・エレンはジョン・ミルロイの手になるセレクション。兄弟会社のダグラス・レインのオロロソシェリー樽はオフィシャルボトルとして販売されたが、マクギボンは61.7度、61.3度、62.2度、55.1度の4樽をそれぞれボトリングしている。ミルロイの撰だけあって絶品。他に特筆しておきたいのは82年蒸溜の20年もの46度のポート・エレンはとりわけスモーキーだった。大半がシェリーカスクだが、81年蒸溜の18年もの43度のみダーク・シェリーだった。誰一人云っていないが、ダグラス・マクギボンのポート・エレンは一本ずつに個性が異なる。値はハーフショットで2500円を予定している。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月26日 05:48 | 固定ページリンク




藤江屋分大  |   一考

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 先日、井筒典久さんが分大の安藤さんと連れだっていらした。久しぶりに羊羹や砂糖の話で盛り上がった。藤江屋分大は1818年創業、爾来、明石の地で和洋菓子の製造・販売を手懸けてきた老舗である。もなか、丁稚羊羹、藤の沢、ざろん梅などで識られる。
 アメリカ独立戦争の遠因になった砂糖だが、わが国では1700年代末に精糖方法が確立され、四国で和三盆が生まれる。和三盆は貴重な特産品として諸国へ売りに出され、全国の和菓子や郷土菓子の発展に大いなる貢献を果たした。
 子供の頃、米粉に水飴や砂糖を混ぜた落雁を「はくせんこ」と称して大事にしたものだが、和三盆だけで型押しした高級な落雁もあった。現在では粗糖を使って和三盆に類似した、和菓子用の加工糖がつくられている。
 砂糖は、製造法によって含蜜糖と分蜜糖とに分けられる。含蜜糖を代表するのが黒砂糖と和三盆、分蜜糖のカテゴリーにはザラメ糖、グラニュー糖、上白糖、三温糖、角砂糖などが這入る。分蜜糖すなわち白砂糖と比してきび糖・黒糖・てんさい糖など精製があまく茶色く色が残った含蜜糖の方が身体に良いのは当然。近頃売られている三温糖は上白糖を着色しただけのものが多く、ほとんど意味をなさない。フランス料理では砂糖大根やビートから採られるてんさい糖が一般的だが、食材のおいしさを引き立て味わいに深みを出すには最適である。とりわけ血糖値が気になる方は是非てんさい糖をお薦めあれ。いい加減に日本人も上白糖から解放されるべきである。

 分大の包装紙は戸田勝久さんの手になるもの、機会があれば一緒に来られるとか、西明石のですぺらでお会いして以来である。開店を祝って泥牛造の盃を頂戴した。白釉の線が面白い景色を生み出している。わたしの宝物である。


投稿者:   一考  日時: 2018年05月26日 04:51 | 固定ページリンク




レガシーマック  | 一考    

 店のmacを自宅で使っている。よってですぺらはレガシーマックである。
 OS 10.4.11でつながっているが、ブラウザが古すぎて具合がよろしくない。ネットには繋がるようになったが、メールの使用は不可能である。ですぺら掲示板は閲覧のみで書き込みができない。フェイスブックはわたしの書き込みしか見られない。ヤフオクは検索はできるが、入札もなにもできないなど、問題山積。とは申せ、新しいmac miniを買う金はない。まずは文章が書かれるようになっただけでも良しととするしかない。
 ちなみに機種は、2005年に発売されたmac miniのマイナーアップデートされたモデルである。HDはATA接続の80GB、メモリは1GB、プロセッサは1.5 GHz PowerPC G4。VRAMが32MBから64MBへ増やされている。もっとも、Intel macでなければなんの役にも立たないのだが。

追記
 http://www.floodgap.com/software/tenfourfox/
 10.4.11で使えるブラウザでもっとも良いのはTenFourFoxである。わたしはcpuに合わせてTenFourFox for G4 processors: 7450を使っている。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月19日 17:06 | 固定ページリンク




故障  | 一考    

拙宅のMACが故障、修復できるかどうか分かりません。古いG4は動きますが、メールの受信は不可能、ダウンロードも不可能、なにしろOS.9ですから。当分のあいだ、どうにもなりません。悪しからず。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月16日 02:02 | 固定ページリンク




性と政治について  | 一考    

 アンドレア・リタ・ドウォーキンが亡くなったのは2005年4月。「ポルノグラフィ―女を所有する男達」で「結婚とはレイプを正当化する制度。レイプは本来、婦女を無理矢理連れ去るという意味だが、連れ去って捕虜にすると結婚になる。 結婚とは捕虜である状態の拡大延長。略奪者による使用のみならず所有を意味する」と述べている。
 男性と女性の関係はすべて性関係であり、その性関係はすべて性差別である、との信念に則って、彼女の「強姦一元論」(すべての性行為は強姦である)は展開される。吉澤夏子さんはドウォーキンの信念を「極端にいえば、誰かを女だと見なした瞬間、それはすでに相手に合意のない性関係を強いていることになり、それこそが性差別だ」と著し、「ドウォーキンを読むことの醍醐味は、この鮮やかな世界観の反転を体験・感受するということのうちにある」と結論する。ドウォーキンが引き継いだ「性と政治」の論理はSMの世界や同性愛の世界にもそのまま通じる。彼等、彼女たちはマイノリティであるが故に、日々、否応もなくポリティカルな場に裸で抛り出されている。
 イギリスで客死したシモーヌ・ヴェーユはホメロスの叙事詩を「敵に対する侮蔑の不在」と論じた、否、論じざるを得なかった。それほどまでに、第1次世界大戦以降の争いは汚濁に満ちたものになった。ジュネやギュヨタが、人身売買、売春、奴隷といった戦争と性の関係を執拗に書き綴ったのも、「性と政治」の問題、売春という黒い穴をいまいちど穿ち直そうとしたのでなかったか。
 家庭と娼窟と戦場では強姦と奴隷性が合法的に演じられ行使される。その偽善と暴力を問い、個人のなかに潜む政治性を告発しつづけるピエール・ギュヨタの文学は人間性に対する根元的な侵犯行為そのものではなかったかと思う。人間の身体は人間の欲望によって使用される。謂わば人間の身体は生きた貨幣のようなものなのである。それを諾わなければ、性愛の可能性について思惟することはできない。
 東京でお会いした折、ギュヨタはジルベール・レリーのサドに関するエッセイ並びにベンヤミンの「単なる性」から大きな影響を受けたと仰っていたが、ベンヤミンはクラウスを援用する。「性の交わりと金銭の交換が交錯しているということによって、またその交錯の仕方によってはじめて、売春の性格ができあがるのだ。売春がひとつの自然現象であるとすれば、それは、金銭の交換という経済の自然的側面からも、また性の自然的な側面からも、まったく同様にそうだといえる。「売春を軽蔑するだって?〳娼婦は泥棒よりたちが悪いだって?〳学んでほしい、愛は報酬を受け取るだけではない〳報酬が愛を与えることもあるのだ!」この二義性、二重の自然性となって現れた二重の本姓が、売春をデーモン的なものとする」
 ドウォーキンが「強姦一元論」で定義づけた絶望の果てにやってくる価値観や世界観の顛倒に一縷の望みを託したように、「50万人の兵士の墓」もまた、政治と性の領域を縦横に跳び回る。そして第七章はあまりにも悲しい。言い換えれば、美しい言語を巧みに操るところに文学があるのではなく、「文学とのかかわり方を根底から検証しなおすことを余儀なくさせる」ところにこそ美がある。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月10日 11:38 | 固定ページリンク




モルトについて  | 一考    

 昭和30年代のハイボールと今のハイボールとの違いは炭酸にある。昔の炭酸は出来合いではなく、ドライアイスを砕いて水と共にタンクへ詰める。よって炭酸は強烈、それがバーテンダーの朝一番の為事だった。カウンターには必ず水と炭酸のサーバーが設けられていた。恰度ビールサーバーのように。
 ビールサーバーは戦前からカラン(ドラフトタワー)と呼ばれていたが、ハイボールセンターにビールは置いていなかった。もっとも、日本のビールと称する飲み物は生も瓶も罐も中身は同じである。ウイスキー同様、こちらも麦芽とホップを極端に減らしたビール擬きの飲み物なのである。サントリーにトウモロコシ・米・コーン・スターチ等の副原料を使用せず、麦芽100%で製造された「モルツ」がある。86年のことだが、日本人には本物は受けないらしく、早々に発売は停止された。現在売られているモルツとは若干異なるように思う。
 「若干異なる」点をいまひとつ。サントリーが最初に売り出した白札はピートを焚いていたゆえに、わが国ではまったく売れなかった。NHKのドラマ「マッサン」は夫婦を軸とした人情喜劇であって、ウイスキーに関することは副産物なのでどうでもよいのだが、エリーの故郷スコットランドに似た北の大地で本物のウイスキーを造ろうとして、また石狩平野には良質のピートがあると信じて余市へ渡るとの設定になっている。石狩平野のピートが使い物になるかどうかはさておき、ニッカは創立以来ただの一度もピートを焚いていない、すなわちフロアモルティングは行っていないのである。現在焚いているのは観光客向けであって、それでウイスキーを造っているのかと云えば否としかいいようがない。理想のウイスキー造りに燃えながら、サントリーもニッカも共に日本人向けの3級ウイスキーを製造していたのだからはなしにならない。啓蒙するのでなく迎合することしか頭にない商売人である。

 あまり人口に膾炙していないが、わが国のウイスキーメーカーは原材料のモルトをスコットランドのモルトスターから全量購入している。130ほどあるスコットランドの蒸留所もモルトスターから買っている。アードベッグやラフロイグも自らフロアモルティングをしているが、僅かな量ですべてを賄うにはほど遠い。自社でのモルティングは金銭的に割が合わないのである。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月05日 17:11 | 固定ページリンク




ジャパニーズウイスキー追記  | 一考    

 「「ジャパニーズウイスキー」の悲しすぎる現実」の文中、「原産地以前に、酒税法の定義自体を疑問視する声もある。同法では、サトウキビの搾りかすなどを原料にした醸造(ブレンド用)アルコールやウオツカなどのスピリッツの混和が9割まで認められている」とあるが、この記述を素直に読めば、まるで1本のなかに1割のウイスキーが這入っているかのようである。角やブラックニッカにスコットランドでいう意味でのウイスキーは這入っていないのでないだろうか。わが国では出来たてのニュースピリッツであっても表記はウイスキーになる。要するに、1割のニュースピリッツと9割の飲用アルコールを混ぜ合わせたものが日本のウイスキーである。「9割は混ぜ物で大丈夫?」と書かれているが、10割でも大丈夫なのである。この消息は千円のウイスキーであれ、2万円のウイスキーであれ対して変わらない。スコットランドのスコッチ・ウイスキー法に照らせば、日本から9.999割のウイスキーは消えてしまう。
 昭和30年代、売春防止法の後にハイボール全盛期があった。福原にも100万ドル、石、大ドルなどというハイボールセンターが開店、この世の春を謳歌した。そして昭和40年代は水割りの全盛期だった。60年を経て今また、ハイボールが流行っているという。いつの世になってもなにかで割らないと飲まれないウイスキーの販売合戦は続いている。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月05日 17:00 | 固定ページリンク




日本、国連人権理事会の投票で同性愛者の死刑を支持  |   一考

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 http://www.ishiyuri.com/entry/2017/10/04/japan-votes-against-UN-resolution-condemning-gay-sex-death-penalty

 先だって「世の中の仕組みを男と女の二項対立で計られると思うこと自体が差別的である」と書いたが、やはりわが国の政府の本音は相撲協会と同じく、このようなところに如実に表れている。念の為に引用しておく。

石壁に百合の花咲く
日本、国連人権理事会の投票で同性愛者の死刑を支持

2017年9月29日、国連人権理事会が、同性愛行為を死刑の対象にすることを非難する決議を実施しました。日本は反対票を投じました。つまり、日本はゲイを死刑にするのは人権侵害じゃないと思っているってこと。
詳細は以下。

 https://www.pinknews.co.uk/2017/10/03/why-did-the-us-vote-against-banning-the-death-penalty-for-gay-people/

ILGAの報告によれば、同性愛行為は現在世界72か国で違法とされており、うち6か国では死刑の対象となっています。9月29日、国連人権理事会は、「背教、冒涜、姦通、合意上の同性関係など、特定の形態の行為に対する制裁」としての「恣意的な、または差別的な」死刑に抗議するための決議をおこないました。この決議で、47の理事国中27か国が賛成票を投じ、13か国が反対、7か国が棄権したとのこと。Independentによれば、抗議に反対した国は以下の通りです。

ボツワナ
ブルンジ
エジプト
エチオピア
バングラデシュ
中国
インド
イラク
日本
カタール
サウジアラビア
アラブ首長国連邦
アメリカ合衆国

日本は同性愛をとがめる宗教が国教だというわけでもないのに、このありさま。米国に追従したいのか、それとも何が何でも死刑は人権侵害じゃないってことにしたいのかは謎だけど、いくら「LGBTブーム」とかなんとか言ったところで本邦の実態はこんなもんよ。


投稿者:   一考  日時: 2018年05月05日 04:40 | 固定ページリンク




連休の間は営業中  | 一考    

 連休の間の営業だが、日曜日以外は営業している、どうかよろしくお願いします。

 ウイスキーに限らず、酒について書くことはいくらでもある。当掲示板で散々書いてきたが、ここは明石、いちからの再スタートである。当地では酒の常識非常識が混在している。例えば、本醸造=アル添=三増酒といった迷信やドイツでは「ビール純粋令」があって大麦、ホップ、水だけで造られるビールが本物であると云った出鱈目な知識が跋扈している。ビール純粋令は下面醗酵ビールに限ってのはなしなのだが、そうしたとんでもない誤解を振り翳しての議論は疲れるのである。従って、2001年に戻って再び酒の基本について書こうかと思う。過去の稿との重複はお許しを請う。


投稿者: 一考      日時: 2018年05月01日 16:25 | 固定ページリンク




ジャパニーズウイスキー  | 一考    

 https://toyokeizai.net/articles/-/213808

「「ジャパニーズウイスキー」の悲しすぎる現実」との文章が週刊東洋経済へ掲げられた。井筒典久さんから教わったのだが、普段からわたしが扱き下ろしている日本のウイスキー業界の実態が明らかにされている。

 山崎や竹鶴といった“ジャパニーズウイスキー”が国際的な品評会で賞を受けることが多くなったのは事実だが、受賞しているウイスキーは700ミリリットルで17.8万円以上のウイスキーのみ。わたしたちが普段飲むウイスキーはウイスキーにしてウイスキーにあらず。ウイスキーという商品名の飲み物と考えれば良いのである。例えば、山崎というウイスキーが8000円で売られているが、あれはブレンデッドウイスキーであって決してシングルモルトではない。本物の山崎のシングルカスクを飲もうと思えば、18万2千円から43万円の金数が必要になる。同じクラスのスコットランド産シングルカスクだと1万2千円から買える。要するに、わが国のウイスキーは世界一高いのである。
 酒税法上、ブレンド用アルコールやウオツカなどのスピリッツの混和が9割まで認められている。そしてブレンド用アルコールはスコットランドでいうグレンウイスキーではない。かつて悪名を馳せた合成酒はアル添酒、三倍増醸酒とも呼ばれ、清酒なら合成清酒、焼酎なら焼酎甲類という名称で販売されている。原料名に関しては原料用アルコールと命名されており、日本酒なら醸造アルコール、洋酒ならブレンド用アルコールまたはスピリッツ、調味料ならアルコールまたは酒精と改竄表記されている。飲用酒は天然アルコールと合成アルコールが混合されていて、合成清酒と焼酎甲類は5対95、ジャパニーズウイスキーは20対80の割合になっている。
 日本酒の本醸造はアルコールの添加が10パーセント以内と定められているが、ウイスキーの場合は90パーセントまで認められている。しかも残る10パーセントになにが使われているか定かでない。30年前のはなしだが、山崎蒸留所の年間総生産量の約3倍のウイスキーもしくはニュースピリッツ(スコットランドでは3年以内のものはウイスキーとは呼ばない)が樽の状態で輸入されていた。ここ10年は倍々ゲームのごとく増え続けている。
 スコットランドからの輸入原酒だが、日本の蒸留所は例外なく利用している。例えば、自社蒸溜のニュースピリッツ2.3パーセントに外国産ニュースピリッツを7.8パーセント、残る90パーセントはブレンド用アルコールとスピリット。そこへ着色剤としてのカラメルと調味料と香味料が加えられる。わが国では熟成期間が例え1週間であってもウイスキーと呼称される。ウイスキーは蒸留酒である、従ってニュースピリットの段階では無色透明、8年目くらいから毫かに色付いてくる。日本で売られているウイスキーの多くは着色した甲種焼酎のようなものである。着色したと大書したのは、焼酎をシェリー樽などで熟成させて色が付くと焼酎との名称が使えなくなる。逆にウイスキーの場合はいくら着色してもウイスキーなのである。
 酒税法上、ブレンド用アルコールもスピリットもグレンウイスキーのカテゴリーに分類される。要するに、グレンウイスキーと記載があれば、飲用アルコールと解釈しても差し支えない。このようなものがウイスキーと呼称されるのは世界中で日本だけである。繰り返すが、日本のウイスキーは美味い、ただしそれは18万円以上のウイスキーであって、それ以下の商品はことごとくが似而非ウイスキーなのである。


投稿者: 一考      日時: 2018年04月29日 20:01 | 固定ページリンク




パイプのアルミフィルター  |   一考

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 パイプのフィルターには3.6.9ミリの3種がある。これ以外の寸法に関しては専用のアルミフィルターが付いているので問題はない。6ミリと9ミリに関してはいろんなメーカーからさまざまな材質のフィルターが、3ミリはペーパーフィルターが販売されている。
 ペーパーフィルターでなにも問題はないのだが、その費用を惜しむ方に朗報。ライターショップエスケイから3ミリと6ミリのアルミフィルターが売られている。値は324円、ネコポスで送られるので送料は250円。

 https://store.shopping.yahoo.co.jp/lightersk/af-0101.html

 それよりも優れていると思われるのがアルミ管である。ヒカリが造っているAP395-3 [アルミパイプ 3×395mm] がそれで、ヨドバシ・ドット・コムで税・送料込みで51円で売っている。ニッパーで僅かに抑えればそこがストッパーになる。長さは極力長くする方がヤニ取りに有効である。同じ3ミリといってもシェイプの煙道の直径はメーカーによって微妙に異なる。そこはアルミゆえ、簡単に削れる。

 https://www.yodobashi.com/product/100000001003782513/


投稿者:   一考  日時: 2018年04月28日 13:48 | 固定ページリンク




サンドブラストのパイプ  |   一考

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 パイプはもともと杢目の美しさを愛でるもの。木目は年輪、杢目は模様、杢目にも中杢、玉杢、笹杢、縮み杢、虎杢、蟹杢といろいろあるようだが、パイプの場合は縦方向に綺麗な柾目が出ているものをストレートグレイン、ストレートグレインの切断面に現れる小さな渦巻き状の木目が出ているものをバーズアイ、揺らぐ炎のような柾目が出ているものをフレームグレイン、円周方向に柾目が出ているものをリンググレイン、ストレートグレインとバーズアイを組み合わせた左右非対称のものをクロスグレイン、模様がねじれたりオバケまたはボウズという木目のない部分があったりするもの、要するに大半のパイプはミックスドグレインと称する。ダンヒルのような数十万円、時に数百万円する超高級品は特に木理が細かく等間隔に詰まっっている。
 ダンヒル社製のパイプは100 のうち2~3個しか穫れない無傷の素材のみを使うと云われる。では他の97個の素材はどこへ行くのかと気になる。前述したオックスフォードのようなセカンドラインのパイプは、モルトウイスキーの樽同様、廃品利用といえなくもない。それでも疵が残る場合はサンドブラストやラスティック仕上げのパイプに化ける。スムースなパイプに杢目の美しさがあるように、サンドブラストのパイプには疵物ゆえの暗さ、世捨て人のような佇まいがある。疵者のわたしにこそ相応しいと云えようか。


投稿者:   一考  日時: 2018年04月28日 03:44 | 固定ページリンク




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