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2004年09月 アーカイブ

patra | 種村さんの事でお伺いします。


はじめまして、>一考様!まことに恐縮ですが他では伺う術がなかったものですから
種村先生が先日、亡くなられた!と新聞で知り驚愕しました。
忍ぶ会の詳細をご存じでしょうか?
昔、いささか御縁がありまして、矢川澄子さんと共に飲み会に御一緒し
ある開眼を頂きましたので、御無礼ながらのお尋ねです。
企画がおありなら、もっと親しかった友人にも知らせたいのですが。



投稿者: patra    日時: 2004年09月03日 04:57 | 固定ページリンク




一考 | (無題)

 patraさんへ
 種村さんの遺志により告別式は密葬のみ、偲ぶ会の類は執り行われません。しかし、個人が内緒で偲ぶのは勝手だと思います。



投稿者: 一考    日時: 2004年09月03日 12:00 | 固定ページリンク




一考 | 種村さんのサイン本

 問い合わせが多いので、こちらへ種村さんのサイン本の在庫を記しておきます。ただし、これらの著書はですぺらのお客さま宛に署名されたものなので、発送はご遠慮いただきます。

 偽書作家列伝 学研M文庫 650円 在庫5册
 澁澤さん家で午後五時にお茶を 学研M文庫 850円 在庫16册

 別冊幻想文学「種村季弘の箱」のサイン本はたった今売り切れました。サイン本ではありませんが、こちらはアトリエOCTAに在庫あり、アトリエOCTAの住所は以下のごとし。種村さんの最初の特集号です、中味は編輯者の私が保証致します、ぜひのお買いあげを願います。

 郵便番号408-0034 山梨県北巨摩郡長坂町大八田4296-7 電話048-825-0683 振り替え00460-4-13387

 種村さんのご子息が営まれるスパンアートギャラリーにはかなりの量のサイン本が在庫されています。スパンアートギャラリーの住所は以下のごとし、お問い合わせをお願いします。

 郵便番号104-0061 東京都中央区銀座2-2-18西欧ビル1階 電話03-5524-3060



投稿者: 一考    日時: 2004年09月03日 19:18 | 固定ページリンク




patra | なるほど、


お返事、ありがとうございました。
本のご紹介など、とても参考になりました。



投稿者: patra    日時: 2004年09月04日 05:10 | 固定ページリンク




高遠弘美 | 種村季弘先生

 今回はほとんど皆さまご存じの本からの引用です。

 「一人の人間の死は、なんといっても生身の人間の死だ。精神像としてフォローしていた人に、思いもかけず肉体の死が訪れたのだった。精神としては書かれたテキストの上に生きている。しかし肉体としてはもうこの世にいない。突然訪れたこのズレに戸惑った。思っていた以上に人間としての澁澤さんの魅力が大きかったのである。没後にそれをじわじわと思い知り、いまもいよいよ大きな空白感にさいなまれている。澁澤龍彦の死は、私にとっては一つの時代の終わりだった」

 「最後になりましたが、故人なきあと、故人にとつては一切であった、そのかけがえのない文業を守るという仕事が私たちに残されました」

 種村先生が書かれた澁澤に関するご文章の一節です。最初の部分については、「澁澤龍彦」を「種村季弘」、「私」を「私たち」と置き換へて読まざるを得ません。また二つ目については、一読者として、一考さん、お忙しいでせうが、ぜひに、とお願ひするしだいです。

追記
 昨日送られてきた神保町のある古書肆の目録に、学研M文庫の『偽書作家列伝』ペン署名落款入り、『種村季弘の箱』金ペン署名入り、が出ていました。署名本でなければ何も言ひません。しかし、つい最近のことにして著者の署名を頂きながら、どうして売つてしまふのでせうか。私にはまつたく理解できません。そんなことなら最初から署名などお願ひしなければいいのに。
 悲しみはますばかりです。



投稿者: 高遠弘美    日時: 2004年09月04日 07:58 | 固定ページリンク




一読者 | 追悼

 種村季弘先生の訃報に接し、驚いている読者のひとりです。
 ファンとして先生の著作を拝読するようになって約10年程度ですが、その間、過去のものにさかのぼり、著作を通じて人となりまで知るようになりました。サイン本は宝物です。
 若かりし頃は、ホッケのマニエリスムを援用して鏡花を論じたものなどが、同じ東大で学内に残ったほうの方から叩かれたりしていたようですが、そうした批判に消されなかったのは、(私などには十分理解できませんが)やはり深い理解のうえに書かれたものだったから、もうひとつには切り口の鋭さがあったからだろうと思います。
 最近のものでは、河出の山田風太郎のムックに掲載されたインタビューなど、なるほどいうところが沢山ありました。先生は、談話がエッセイと同じくらい面白い方ではないでしょうか。。
 資質的には創作家というより評論家のほうでしょうが、オリジナルな着想には小説家以上のものがあります。いきなり「岡本綺堂はとにかくものすごく英語ができた」とか、「ん?何だろう」みたいな。
『種村季弘の箱』のお写真で見ると、アングラ劇団の方と車座になっているときのお顔など、大変楽しそうで、この方はほんとにそういった、アウトサイダー的なものを愛された人なんだなというのが伝わってきます。牧野信一にしろ、他人の評価がどうであれ、自分が好きだから好き、というような強さ、迷いのなさがあります。
 そんな種村先生を自由に泳がせてあげた奥様が立派だったということも(これもインタビューで知るのみです)。名を残した偉い人でかつ、そういうところが幸運だったりするケースが多くあるようですが、種村先生もそのひとりだろうと思います。
 残念でなりません。



投稿者: 一読者    日時: 2004年09月05日 11:42 | 固定ページリンク




一考 | 種村さんの本

 高遠弘美さんへ
 二つ目についてですが、もっか制作進行中の書冊から、平凡社のマゾッホ、論創社の映画評論集、学研の五木さんとの対談集、それとファンタジー・マップの四点は出版されます。その内の一本は木曜日に最終校が出る予定、平凡社と論創社のものが先行、おそらく十月中に上梓されます。いずれにせよ、論創社の「楽しき没落──種村季弘の綺想の映画館」が遺著になります。
 その他にも企画されたものが、私が知っているだけで5~6点はあります。ただ、故人の遺志で出版なさらないものがある、と聞き及んでおります。自らの著作を「面白いけどちっともためにはならない」と公言なさったり、近親者だけの簡素な葬儀や偲ぶ会を催すなと指示なさる方ですからそれもありかと拝察する次第。いずれにせよ、遺された膨大な量の原稿をどう取り纏めるかを決めるのは奥様です。一読者としてならできるだけ活字になるのを願うのですが、さてどうなりますか、少々時間が掛かりそうです。
 ところで、この内の一本に関してご相談致したきことあり、近々お時間をいただけないでしょうか。

追記。
 先週末には宇野邦一さん、相澤啓三さん、四谷シモンさん等がご来店、ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。



投稿者: 一考    日時: 2004年09月06日 19:52 | 固定ページリンク




一考 | すり抜けの達人

 「種村季弘の箱」をお読みとか、ありがとうございます。
 種村さんは映画を語って映画にとどまらず、舞踏を語って舞踏にとどまらず、演劇を語って演劇にとどまらず、食物を語って食物にとどまらず、といった風情で、「有心は生死の道、無心は涅槃の城」などという分かったようなはなしを最も嫌われました。変身と顛倒を生涯の伴侶とした種村さんにとって、謎は解き明かされるものではなく、より大きな謎に至るための方便でしかなかったようです。
 「種村季弘の箱」の対談は荘子で終わってますが、あれには続きがわんさとあり、遺著として出版される書物のなかでも繰り返し述べられています。

 「孔子ってのは障子の格子みたいなもんで、たとえば童子格子ってのがありましたね。格子があってそれをすり抜けるのが童子。それで童子は『悪』というかアポロン的な秩序ってのがあるとすると、それをすり抜けるヘルメスなんだけど、ヘルメスとか童子とかはトリックスターであって、格子と童子の双方の張り合いの遊戯のなかで世の中全体が、世界が成り立ってるんですね。どちらが欠けても渾沌に戻っちゃうわけですよ。
 孔子の側に立って老子的なカオスも受け入れて、聖人君子のこわばりをあざけるとか、馬鹿にするとか、批判するっていうのが、荘子の『両行』の在り方なんです」

 種村さんは老子側に立ちながら、生きてる世界では孔子を否定はしなかった。孔子を、そして荘子の「両行」との概念を認め気に入りの武器として縦横に使いながら、「それをすり抜けるヘルメス」に撤しきっっていたようです。「両行」に気を取られていると、知らない間に種村季弘はどこかへ逃げ出してしまってるわけで、敢えて申せば、この「すり抜け」に種村さんの本懐があった、と申せましょうか。山田風太郎の忍法帖やカムイ外伝にみられる「抜け忍」に殊のほか執着なさっておられたようで、今回もエイヤーと掛け声をかけたばかりに地上をすり抜けてしまった、否、出掛けた先をまたいつすり抜けるかも知れず、私が種村さんを追尾するのを諦めた日、それははじめてお会いしたときではなかったかと、そんな思いに浸っております。



投稿者: 一考    日時: 2004年09月07日 00:41 | 固定ページリンク




外山時男 | 天気晴朗なれど波高し

一考さま
 ですぺら通信での水泡眼への言及には仰天。ゆえに仰天眼です。もし仰天眼なる金魚ほんとうにいるとするなら、招聘元はとうぜん反共水産。毛沢東末期のマカオあたりでの商談です。むろんこれは親爺ギャグ。ちかごろ髪薄くなってきてオールバックも危なくなってきました。すでにじじいギャグです。
 陸封型の鱒族にはいろいろあるらしく、しかし降下型の体形大振りの兄弟たちとどちらがより自由かなんて言い出したらキリなくて、わけ判らなくなってよくわかりません。双方我こそが真性ディアスポラと片意地張って主張しているみたいで気が滅入ります。
 どっちにも抜け忍いると思いたい。
 三陸あたりの陸からの鮭釣りでの一番の餌は青大将だそうです。ぶつ切りにして引っ掛けるのだとか。



投稿者: 外山時男    日時: 2004年09月12日 00:10 | 固定ページリンク




薫子 | お知らせ

 9月17日(金)午後7時より「凶鳥の黒影--中井英夫へ捧げるオマージュ」(河出書房新社刊、赤江瀑、有栖川有栖、 嶽本 野ばら他、本多正一監修)の出版記念パーティが、ですぺらにて催されます。高原英理さんの「ゴシックハート」出版のお祝いとの共催になります。会費は5000円。どなたさまもお気軽にご参加ください。



投稿者: 薫子    日時: 2004年09月14日 16:40 | 固定ページリンク




如月 | 院政期和歌のレトリック~「賦字」

小サイトに院政期和歌の「賦字」というレトリックについてのページを新設しました↓。 http://www.furugosho.com/inseiki/fuji.htm 和歌、言語、レトリック等にご興味のある方にアクセスして頂ければ幸いです。 このページ、ホッケの「迷宮としての世界」なども意識しながら書きました。 あらためて、種村さん、矢川さんのご冥福をお祈り致します。



投稿者: 如月    日時: 2004年09月15日 00:09 | 固定ページリンク




高遠弘美 | 住大夫師の初CD絶讃

一考さま。
先日はありがたうございました。相澤さんの詩集一冊予約いたします。

Mさま、どうぞお力落としのなきやうに心よりお祈り申します。大兄の作られる御本はどれも貴重で、机辺から離したことはありません。

また、先夜は辞去寸前にて心焦り、きちんとお答へできなかつたことをお詫びするとともに、いささか詳しいことを申し上げます。

七世竹本住大夫師初のCDは『摂州合邦辻 合邦住家の段』です。住大夫師の師匠筋にあたられる越路大夫師や山城少掾師のCD全集にも入つてゐない、住大夫師のお得意とされる演目です。
「しんたる夜の道」で始まるこの話は、現代の感覚からすればそんな莫迦なと思ふやうな話ですが、これが住大夫師が語られると一変。何度も涙せずにはゐられない情の話になるのですから、藝の力といふものはげに恐ろしいものです。野澤錦糸師の三味線がまた素晴らしい。これは義太夫の最高の境地に達した方だけが語りうる難曲でせう。いまの文楽の最大の悲劇は、住大夫師のあとを継ぐまでの力をもつた演者が皆無だといふことです。これは言ひすぎだと思はれるかもしれません。文楽の素人の世迷ひ言と片づけられても構ひませんが、東京、京都、大阪、と住大夫師のご公演を追ひかけ聴いてゐるひとりとして、しかも斯界のしがらみにとらはれない者として申さざるを得ないことなのです。義太夫、浄瑠璃がお好きなら、せめてもお近くの公演は行かれることをお勧めしますし、このCDをお買ひもとめになることをつよくお勧めしたいと思ひます。このあとも陸続とCDが出ます(現在の予定ではあと10枚は最低出ます)。
アマゾンなどで手に入ると思ひますが、万一お手に入らない場合はご一報下されば手配致します。



投稿者: 高遠弘美    日時: 2004年09月18日 12:39 | 固定ページリンク




如月 | 四谷シモン、『ゴシックハート』が気に入ったようです。

高原英理さんの『ゴシックハート』、四谷シモンはとても気に入ったようで、エ コールドシモンの掲示板http://6012.teacup.com/simon/bbsにちょっとした感 想が書き込んであります。



投稿者: 如月    日時: 2004年09月22日 01:08 | 固定ページリンク




如月 | 九条家論

小サイト「院政期社会の言語構造を探る」のコーナーのなかに、 「天台・浄土・禅ーー九条家をめぐる仏教諸派」 http://www.furugosho.com/inseiki/kanezane/bouddhisme.htm および、 「達磨歌」 http://www.furugosho.com/inseiki/kanezane/darumauta.htm のページを続けてアップ致しました。 良経論、十題百首論、六百番歌合論そして九条家失脚の経緯の叙述がのこっては おりますが、私の九条家文化論の骨格をなす基本的論考は、これでとりあえずす べてアップしたことになります。この機会に、上掲の二つのページだけでなく、 九条家論全体をお読み頂ければ幸いです。 ちなみに、私の九条家の文化・政治的位置づけは、朝廷対幕府(武家)という背 景を完全に異にする権門対立の枠組みのなかで朝廷側の一権門として九条家のあ り方を理解しようというものではなく、朝廷のなかに、院と摂関家の政治的文化 的対立を見、そうした摂関家文化を代表するものとして九条家文化をみていくと いうものです。



投稿者: 如月    日時: 2004年09月22日 08:40 | 固定ページリンク




高原英理 | 御礼


如月 さま

お教えありがとうございます。
さっそくのぞかせていただきました。
シモンさんのお気に入っていただけたのは
とても嬉しいことでした。



投稿者: 高原英理    日時: 2004年09月23日 00:00 | 固定ページリンク




如月 | 山田史生さん

高原さんが喜んでいただけて、うれしいです♪ さて、先日から小掲示板で取りあげている『渾沌への視座ーー哲学としての華厳 仏教』(春秋社)の著者・山田史生さんですが、灯台もと暗し、『幻想文学』に 寄稿していたことがわかり、desperaをとおし、コピー入掌しました。山田さん が寄稿号とタイトルは、65号「幻想の文法ーー露伴『観画談』の場合」、66 号「渾沌」、67号(=最終号)「夢の記憶」です。『幻想文学』をおもちの 方は、お手持ちの号でご確認あれ!そのうえで小掲示板を読むと、『渾沌への視 座ーー哲学としての華厳仏教』をめぐる話が、新たな視点から見えてくるかもし れませんね。



投稿者: 如月    日時: 2004年09月25日 08:57 | 固定ページリンク




薫子 | お忘れ物

 忘れ物のお知らせです。
1.革のジャケット。
2.「虚無への供物」文庫
 お心あたりのある方はですぺらまでご連絡ください。
電話03-3584-4566



投稿者: 薫子    日時: 2004年09月28日 16:23 | 固定ページリンク




薫子 | サンデー毎日に

 9月28日発売(10/10号)の「サンデー毎日」に切り絵作家の成田一徹さんが、「to・the・Bar」の記事で「ですぺら」を取上げて下さいました。是非、本屋さんで立ち見してみて下さいまし。



投稿者: 薫子    日時: 2004年09月30日 03:23 | 固定ページリンク




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