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2004年12月 アーカイブ

一時の客 | 楽しき読書

 財布もさびしき折りながら、京都四条のジュンク堂にて種村先生の『楽しき没落』を購入し、読み始めました。
 何となく、もっとシンプルな(白水社ふうな)装丁を予想していましたが、種村さんの他の単行本と違和感がなく、とても好感が持てました(装丁者が同じだから当然といえば当然ですが)。

 タイトルは種村先生のアフォリズム「男性最高の快楽は落魄である」を連想させます。あとがきにネットで読んだ映画祭のリードが収録されているのがうれしい。初めて読んだとき、これこそ種村先生の原点だと思ったものです。
 Ⅲ部のインタビューから読み始め、あまりに面白く一度に読むのはもったいないので、あとは本文を通読した後で楽しもうと、半分置いています。
 植草甚一氏も触れていたと記憶する「ニノチカ」がこちらでも出てくる。種村先生と植草氏ではまるで接点がないことから、逆に当時の映画というのはある程度は共通基盤(教養)となっていたと言えるのではないでしょうか。それに較べると現在はやはり、趣味が拡散、多様化していると思われます。小生にしろ観ていないものが多い。にもかかわらず、種村先生のエッセイであれば、観ていない映画についてであっても、読むことによりたくさん得るものがある、という感じがします。何か映画の外にあるものまで見せてくれるような濃密さ、読み応えがあって、これで税別2,000円は安い。

 奥付に「渡辺一考」の名を見つけ、つい駄文を草した次第。学研の『まほろばの力』は遅れているようですが、楽しみにしています。それにしても、五木寛之氏とは何でなんでしょうか(いいけど)。ともあれ、これからも決定版ネオ・ラビリントスを作る勢いで、テーマ別にどんどん出版していただきたいです。



投稿者: 一時の客    日時: 2004年12月11日 15:38 | 固定ページリンク




如月 | テレビ・ドラマ×2


来年1月5日午後9時からTBS系で放送予定のテレビ・ドラマ「夏目家の食
卓」(久世光彦演出)に四谷シモンが医師役でワン・シーン登場する予定です。
このドラマは夏目漱石の実生活に基づくコメディー・タッチのもので、夏目漱石
役は本木雅弘さん、鏡子夫人役は宮沢りえさんという豪華キャストです。
みなさん、お見逃しなく。
   *   *   *
テレビ・ドラマといえば、私の方は、NHKの大河ドラマ「源義経」にあてこ
んで?小サイトに仏語版の日本中世史用語事典を構築中です。
http://furugosho.com/moyenage/index.htm
内容もさることながら、言葉の誤りも多々あるかと存じます。みなさんのご意見
伺うことができれば幸いです。



投稿者: 如月    日時: 2004年12月13日 11:30 | 固定ページリンク




一考 | 市井風流

 「吉田一穂詩集」に続き、加藤郁乎さんの俳林随筆「市井風流」が岩波書店から上梓された。「風流遊蕩に徹し粋に生きた江戸の俳人・数寄者達の世界」を描いた一本である。
 文中、吉田一穂の項で「黒潮回帰」に収められた「半眼微笑」に採り挙げられた

  三日月や早や手に触れる草の露   桃隣

の一句引用の誤りを指摘なさっている。・・・桃隣にかようの句はなく、『古太白堂桃隣句選』には中七が「手に障る」とあり、支考編の『三日月日記』にはやはり中七が「手にさはる」と見える。俳書そのほか、何に拠り右一句を拾われたものかうかがわずに終ったのが惜しまれる。ただ、桃隣という号が桃青芭蕉の俳名に似るところから『一葉集』に芭蕉の作として同句が出ることを知られた上で、ひょっとして誤記されたのかもしれぬ・・・
 ここで終われば風流にもなににもなりはしない。郁乎さんの仕掛けはどうやら享保十五年に刊された『三日月日記』を登場せしめるところにあった。同書には一穂の号をしるした句が収められている。

  さゝ波に居り兼るや三日の月   一穂

 件の一穂は起承転結の転というよりは動顛の顛であろうか。当然、われらが『稗子伝』所収「野分抄」の初出、「聖餐」に掲げられた十一句がそのあとに続く。

  夜ふけて渡る鳥あり初時雨
  灯を消せば臥床に迫る虫の声
  木枯や妻子の留守の残り酒
  冬ごもり幾夜を月の雁の声
  薄明りこもる厨の酒の匂
  ふる郷は波に打たるゝ月夜かな

 附された郁乎さんの文章を引用する。・・・周知のごとく、最後の句は「魚歌」に銘句として示されてある。一穂先生ゆかりの地、北海道古平の厳島神社に建つ詩碑「魚歌」を訪ね拝した折、海風松濤のなか、改めてその句柄の大きさに打たれた・・・
 それにしても時空を超えた一穂と波と月のコレスポンダンス、詩精神のふるさとを詠じてこれほど大柄な随筆も稀であろう。

 「市井風流」には金魚一筋の研究家松井佳一氏に託つけての「金魚」との項も拵えられている。『新続犬筑波集』を初出に、柳亭種彦の『用捨箱』や『柳亭筆記』などに引かれた詠句

  をどれるや狂言金魚秋の水   松滴

が拾われ、

  藻の花や金魚にかゝるいよ簾   其角

と続けられる。おそらく『嬉遊笑覧』巻之十二近藤版からの引用ではなかろうかと思われるのだが、だとすれば、作者は不角ではなかったか。立羽不角は其角よりひとつ年下、化鳥風と呼ばれた雑俳点者で、浮世風の新風から後には古典パロディ手法に堕したひと。もっとも、雑俳から川柳狂句への流れは、連歌・俳諧の本道ともいえるもの、堕したとあっては苦言を呈されよう。
 もっとも、其角が不角であろうが不角が其角であろうが、そんなことはいっこうに構いはしない。郁乎さんの論点は「人生やり直しが効かぬというがあれは俗の言い触らした尤もらしい嘘で、風流の片意地さえ失わなければ七顛八起なぞ朝めしの前」にあるのであって、郁乎流ポエジー、意気の俊爽を知らずしてなにを読み解いたと言うのか。重箱の隅をつつくような野暮はよろしくない。
 世に「金魚の刺身」と言う、役に立たないものの意で用いられるが、和金などは洗いにすると鯉よりも歯切りがよくて甘味がある。学芸における風流の本意俳趣も金魚の刺身のようなものではあるまいか。

 この度の上梓を機に加藤郁乎さんを囲む会をですぺらにて催したく思います。日時は十二月二十三日(木)午後五時より。会費は五千円。休日につき多くの御参加を願い上げます。


                              小出昌洋
                              渡辺一考



投稿者: 一考    日時: 2004年12月16日 00:18 | 固定ページリンク




外山時男 | 三日月年末年始のお知らせ

三日月は年末23日(木、祝日)、25日(土)も営業いたします。
営業時間は通常通り。
大晦日は「お渡し蕎麦」のみとなります。
要予約。お二人前1400円。
里山(田舎風)蕎麦、お二人前1500円もあります。
ご予約他は、03-3516-6801、三日月まで。
(聞くところ、どちらもきわめて美味とか)
年始は4日よりの営業です。

なお店主は23日の夜、出掛けておりません。
いろいろのご無礼、平伏いたします。

三日月

追伸
一考さま 三日月の地図はおぼろでよう言いません。ありがとうございます。



投稿者: 外山時男    日時: 2004年12月16日 07:56 | 固定ページリンク




KAWAIHIDEYUKI | お久しぶりの赤坂の夜

一考さま、薫子さま
昨夜は、遅くに失礼しました。

泥酔者には酒を売らぬのが、酒屋の鉄則といいますが、
寛大なお二人にはいつも感謝しております。

アルコール血中濃度は相当に高かったと思いますが、
とりあえず飲ませていただいたウイスキーのノートを
付けております。
以下、ご参考まで

ポートエレン15yo(19821020-1980414)43%、Signatory
色:薄い琥珀
香り:スモーキーでピーティ、ビタミン剤、華やかに立ち上る、
後半はふくらみと落ち着き。
味わい:ピーティでありつつも、熟成感のある旨み、最初は以外に軽やかで
すっきり。一口ごとに旨みの厚みが増す。
ボディ・余韻:ミディアム・ボディ、ピーティな余韻。

バルミニャック11yo(19900900-19911200)43%、イアン・マクロード
色:琥珀
香り:スムーズ、香水がかった樽、落ち着きを感じる。
味わい:しっかりと麦芽、熟成感、ちょっとニスっぽい酸味、小倉餡の風味が
ほんのりと。
ボディ・余韻:ミディアム・ボディ、十分に長い余韻。

また、お邪魔します。



投稿者: KAWAIHIDEYUKI    日時: 2004年12月16日 16:30 | 固定ページリンク




KAWAIHIDEYUKI | 酔っ払いからの訂正文

ポートエレンの瓶詰め年月日
1980414→19980414

バルミニャックの瓶詰め年月日
19911200→20011200

いまだ手元不如意?アルコール性の注意散漫か?

失礼しました。



投稿者: KAWAIHIDEYUKI    日時: 2004年12月16日 17:19 | 固定ページリンク




飛鳥 | Fカップが自慢です(*^_^*)

21歳の飛鳥だよv(^^)v 性格はめちゃ明るいです。 外見はややぽちゃでよく豆タンクと言われるかな?(デブじゃないよーっ)。 自称★ミクロでセクシーな辻・加護系!?写メあるよ(^^). 気軽に遊べる友達からいろいろ募集中!!メール待ってるね!!



投稿者: 飛鳥    日時: 2004年12月17日 14:59 | 固定ページリンク




外山時男 | 七月堂の昆虫食

一考さま、高遠さま

 「七月堂」のホームページに「昆虫食」の欄があります。
 ご承知かと思いますし、食べてしまえば枯尾花かもしれませんが、いちおうご報告まで。

薫子さま
 先日花の銀座のど真ん中でチクワブ食べました。やっぱり旨いと思ったのはこちらがオカシイのでしょうか。



投稿者: 外山時男    日時: 2004年12月21日 03:47 | 固定ページリンク




薫子 | 年末年始のお知らせ

 「ですぺら」は31日まで通常通り営業いたします。
31日9時半以降には、極めて美味との噂の「三日月」の蕎麦が到着予定。
ただし数に限りがありますのでご了承下さいませ。「必ず食べに行きます」という方は手を挙げてください。
 なお、年初は4日からの営業となります。4日は7時頃より恒例の鴨鍋宴会を催します。会費5000円(お酒飲まないけど、鍋食いたいという場合は3000円)。年の初めから鴨の油で口の周りをギトギトにして、暖まって、新しい一年を乗り越える活力を養いましょう。こちらの方も参加ご希望の方は手を挙げてください。(メールでも可)
 29、30日の赤坂はおそらく殆ど人通りもなく、「ですぺら」でもゆっくりと飲んでいただけると思われます。走り回っても大丈夫かも。(いつもそうやんか、って言ってるのは誰や!)よろしくお願いいたします。



投稿者: 薫子    日時: 2004年12月27日 05:35 | 固定ページリンク




りき | お蕎麦食べに行きます&「PEGANALOST」の件

>薫子さま
年越そば食べにいきます。絶対に。

なお、明日、「PEGANALOST」10号の在庫を預かることができました
ら、そのまま、ですぺらに委託させてください。
あまり、部数がないようですが。



投稿者: りき    日時: 2004年12月30日 21:07 | 固定ページリンク




高遠弘美 | よいお年をお迎へ下さい

外山様
七月堂の昆虫食のサイトを教へてくださつてありがたうございました。あまりのすごさに驚倒しました。

一考様
このところずつと伺へなくて申し訳ありません。勤務先でのあまりに下らぬ雑事茫々、自宅への泥棒侵入などで身辺ごたごたがあり、とても酒杯を傾ける余裕なく、けふの大晦日に至りました。年賀状も書いてゐません。新年の用意も何もしてゐません。こんなに索漠とした歳末はめづらしいくらゐでせう。泥棒は逮捕されましたが、絵画リトグラフのたぐひ、DVD数十本はすでにリサイクルショップで見知らぬ他人に買はれて、戻つてはきませんでした。ブックなんたらにしても、何とかの創庫にしても、リサイクルショップなるところには盗品があまた並べられてゐるといふ事実に愕然としてゐます。

今は亡き前澤征男さん。
あなたの作品も全部盗まれました。一点も返つてはきませんでした。せめてはさうしたリサイクルショップに通つて、あなたの作品にともかくも目をつけて買つていつたどこかのヤカラの日々の生活の潤ひとならんことを祈ります。

私はこの先、リサイクルショップなるところに二度と足を踏み入れることはないでせう。もしかしたら盗品かも知れぬ品物が我が物顔に並んでゐるやうな場所はごめんです。本を整理するときは、町の古本屋さんに行きます。

とまれ、みなさま、よいお年をお迎へくださいますやう。



投稿者: 高遠弘美    日時: 2004年12月31日 13:18 | 固定ページリンク




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