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一時の客 | 楽しき読書

 財布もさびしき折りながら、京都四条のジュンク堂にて種村先生の『楽しき没落』を購入し、読み始めました。
 何となく、もっとシンプルな(白水社ふうな)装丁を予想していましたが、種村さんの他の単行本と違和感がなく、とても好感が持てました(装丁者が同じだから当然といえば当然ですが)。

 タイトルは種村先生のアフォリズム「男性最高の快楽は落魄である」を連想させます。あとがきにネットで読んだ映画祭のリードが収録されているのがうれしい。初めて読んだとき、これこそ種村先生の原点だと思ったものです。
 Ⅲ部のインタビューから読み始め、あまりに面白く一度に読むのはもったいないので、あとは本文を通読した後で楽しもうと、半分置いています。
 植草甚一氏も触れていたと記憶する「ニノチカ」がこちらでも出てくる。種村先生と植草氏ではまるで接点がないことから、逆に当時の映画というのはある程度は共通基盤(教養)となっていたと言えるのではないでしょうか。それに較べると現在はやはり、趣味が拡散、多様化していると思われます。小生にしろ観ていないものが多い。にもかかわらず、種村先生のエッセイであれば、観ていない映画についてであっても、読むことによりたくさん得るものがある、という感じがします。何か映画の外にあるものまで見せてくれるような濃密さ、読み応えがあって、これで税別2,000円は安い。

 奥付に「渡辺一考」の名を見つけ、つい駄文を草した次第。学研の『まほろばの力』は遅れているようですが、楽しみにしています。それにしても、五木寛之氏とは何でなんでしょうか(いいけど)。ともあれ、これからも決定版ネオ・ラビリントスを作る勢いで、テーマ別にどんどん出版していただきたいです。



投稿者: 一時の客    日時: 2004年12月11日 15:38 | 固定ページリンク





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