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震災の際はタケウチさんと一緒だったのですね。驚きました。
「おおい、生きているか」。
タケウチさんの声がここからも聞こえてくるようです。
われわれは生きています、これだけでもよしとしよう、そんな感じです。『中島らも烈伝』という本にも書いたのですが、あまりにひどい暮らしをしていたために、当時の私の親しい友人たちはほとんどが鬼籍に入ってしまいました。とどめが、中島らもでした。変なものですね、彼が逝った後、「これから俺はちゃんと生きよう」と「はじめて」思ったのですから。
地震の時は私も部屋にいましたが、最初の揺れで一挙に壁が崩れ落ちて、そこから真っ青で不気味な空が見えました。あの空の青を忘れることは出来ないでしょう。イタリア・ルネッサンスのジオットという画家が描いた「パドヴァの青」というのがあるのですが、そんな素晴らしく深い青色でした。たぶんあの時、外はまだ真っ暗だったはずなので、稲妻に照らしだされた空の色だったのだと思います。六甲山の稜線に沿って東に走り去った稲妻は、地震とともに淡路島の海底から逃げ去った「龍」に違いありません。
「ユリイカ」のタルホ特集の鼎談、とても興味深く拝見いたしました。面白かったです。
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