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高遠弘美 | サルマタイとはこれ実に愉快なり(明治の頃の日記などに出て来る言ひ方の下手な真似です)

一考さま。
 さすが博学多識の一考さんのご教示、すこぶる興味深く拝読しました。サルマタイその他の福原大学の歴史学講座も大笑ひして拝見。一本も二本もとられた感じです。ありがたうございました。実は前回はあへて書かなかつたのですが、「ぱち」ならぬ「ばち」には以下の説明がありました。これまたまつたく知らなかつたので、ふむふむと読んだだけでしたが。
 説明のあとに、地方別の別表現が書かれてゐます。地方名を抜いて引用します。前回と同じく日本国語大辞典第二版です。
「ばち」(方言)
1 女をいう卑語。ばじ・ばじっこ。ばちこ。ばっち。ばっくす。
2 女の子。ばっち。
3 下女。
4 相手を罵っていう語。
5 はんてん。
6 魚、めばち。
7 魚、かながしら。
8 貝、赤貝。

 これとは別項目で「ばち」があり、それは「イトメが成熟して、泥底から抜け出し、海面に浮上群泳している時期の称」と説明がありました。

なほ、日本国語大辞典では
「ばちもの」の項に、
「耳をいう。盗人仲間の隠語」とありました。東京堂の隠語辞典とは「ば」か「ぱ」かの違ひはあるやうですが、この手の言葉はさういふところが曖昧なのだと思はれます。

 また同辞典によれば、「すててこ」は江戸からある囃子ことば「ああすててこすててこすててこてんてこてんとんとん」が元で、すててこ踊りで一世を風靡した三遊亭円遊が穿いて踊つたところから、仰せの「正装」クールビズの「すててこ」となつたさうで、例文として畑山博「いつか汽笛を鳴らして」から

「頭のはげあがったステテコ一枚の男とアッパッパを着た女は夫婦者だろう」

が引かれてゐますが、奇しくも「アッパッパ」と併記されているところが面白いと思ひました。わたくしの子供の頃も、夏になると母親が家着としてアッパッパを着てゐたことを思ひ出しました。

最後に、追記として。
たまたまけふ読んでゐた明治の頃の日記に「円遊来りて沢山落語をなし、一時頃帰る。料理は偕楽園なり」といふ記述があつただけに、ご教示からいろいろ連想が広がり、愉しい宵をすごしました。御礼申し上げます。



投稿者: 高遠弘美    日時: 2006年08月12日 20:05 | 固定ページリンク





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