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高遠弘美 | 限りなき感謝とともに

一考様。
 穴があつたら入れたい、もとへ、入りたい思ひで一杯です。恥づかしさを無理矢理押さへて申します。
 一考さんの本や編集者や出版をはじめ諸事万象についての言葉を拝読いたしたいと先夜申し上げました。その甲斐あつてか、最近一考さんのエッセイを読む愉しみが増えて喜んでをりますが、それはしばしば大きな驚きをともなひます。
 森銑三『書物の周囲』を一考さんと小出氏が作られたといふことを今まで知りませんでした。ご想像のごとく、私は森銑三が大好きで、この散らかつた倉庫のやうな書斎のなかでも、森銑三の本はいつでも取り出せるやうになつてをり、『書物の周囲』も目の前の棚に並べてあります。森銑三の文章はもちろんですが、小出氏が後書きで書いてをられる一文、
 
 「私が知る晩年の先生の購入せられた書物といつたら、岩本素白全集三巻があるにすぎないのである」
 
 も私の支へのひとつでした。私は村上菊一郎先生に教へて頂き、素白を知つたのでしたが、敬愛する森銑三が素白を最晩年に読んでゐたといふ記述を読んだとき、どれほど励まされたことでせうか。
 それにしても自分がどれだけ迂闊で粗忽な者かよくよく思ひ知らされます。たしかにカヴァー、奥附、帯に南柯書局のマークが入つてゐますが気づきませんでした。救ひやうがない阿呆だと、自己嫌悪に陥るばかりですが、どうか一考さんにお願ひいたします。これからも一考さんの「思ひ出ばなし」をどんどんお書き下さい。この掲示板の読者がみな心待ちにしてゐることです。
 最後に、十分意を盡すことは叶ひませんが、心よりの感謝を申し上げます。



投稿者: 高遠弘美    日時: 2005年10月20日 21:40 | 固定ページリンク





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