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予測以上に自民党が大勝したようだが、もっと勝ってもよかったのにと思っている。なぜなら、私は若者にしか期待しないからである。
新人八十三名のうち十名がなんらかの形で派閥にかかわりを持っているが、他は無派閥であり、首相は派閥に属さなくても必要な資料の開示を認めると公言した。団体や組合の支持基盤がなければ、政策だけが闘いの武器になる。そのような若手代議士にとって官僚が抱える資料と勉強会が必須になる。首相の意見は正しく、すばやい対応は見事である。これで視界から消え去っていた政治が抱える多くの問題が浮かび上がってくる。
新人の数に比例して政治家から驕りは薄らいで行く。数を頼みとする長が陥るのが慢心であって、新人は奢り高ぶりとは縁がない。また派閥に属さない新人はイエスマンには成り得ない。今回棄権を含めた造反議員のうち、自らの意見で反対したのはわずか三名、一名は私怨、他は派閥の締め付けであった。民主党の河村たかし氏が選挙期間中、党議拘束について再三触れていたのも見逃せない発言であった。
かつて、アメリカの核は帝国的侵略が目的であって、共産圏の核は世界平和が目的であるとの暴論が闊歩していた。イデオロギーと支持母体は論理を狂わせる、百害あって一利もない。三島由紀夫がイデオロギーへの不信を表明してから四十年を経て、政治がやっとイデオロギーと支持母体の呪縛から逃れようとしている。
これからの自民党は百花斉放を迎える。東京選出の新人が議員年金の廃止を声高に叫んでいたように、これから新旧の世代抗争がはじまる。そして明年、カリスマが居なくなれば組織は求心力を失って崩壊する。冷飯を喰わされる旧世代の分派ではなく、新世代が新党を立ち上げ、逆に中枢がそちらへ移動するようなことが起こる。そうならなければ、政権交代可能な二大政党制ははじまらない。次の衆院選挙は四年を待たずして起こる。端緒はともかく、改革の本番は若者にしか行えない、今回の総選挙はそのための種蒔きであった。
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