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一考 | 精神の深煎り

 高遠弘美さんへ
 先夜はありがとうございました。
 リサイクルショップを恨むのはご随ですが、真に憾むべきは逮捕された盗人やらでしょう。人を怨むより身を怨めとか罪を悪んで人を悪まずと言いますが、そのような為たり顔には腹が立ちます。その罪が道徳的または宗教的な規範に反した行為ならまだしも、法律的背反行為、要するに法律上の犯罪であれば論外だと思います。法律自体が相対的なものであり、気候、風土、時代、もしくは時の権力者によって任意に歪められるのが常態なのです。従って罪を悪むなどというのは戯言にしかすぎず、悪まれるのはひとでなければならないというのが、私の持論なのです。
 「まだしも」と書いたのは、道徳的または宗教的な規範に反した罪の中心的準拠点は人間の共同体の全体的意向です。そちら側は折口信夫の専門とするところであり、掲示板で採り上げるにはあまりに重いテーマになります。しかしながら、「人」「共同体」「全体的意向」と並べただけで、なにやら胡散臭くなってきます。折口の古代研究は海辺流離や貴種流離にとどめるのが重畳、深入りは精神の深煎りになると危惧致しております。
 いずれにせよ、相澤さんの詩に則って今年は「地上に呪詛を自己に嫌悪を」で行くことに致しました。



投稿者: 一考    日時: 2005年01月27日 23:31 | 固定ページリンク





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