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高遠弘美 | しばしば書き込みをして申し訳ありません

一考様

もう十五、六年になりませうか。わたくしが愛読してゐる本のひとつに、三橋淳『世界の食用昆虫』といふ本があります。『悪食大全』の後書きや、ユリイカの「昆虫の博物誌」などのときにも引いた書名なので、ご記憶にあるかと思いますが、食べたことはなけれど、わたくしが最も感動したレシピを紹介いたします。文化の根本といふのはここにあると思ひました。

世界のある国の人々の料理を紹介した部分です。以下引用。

彼らは尾長猿を殺して、腹を割いて腸を取り出し、体腔にシトルスヒストリックスという柑橘の葉やそのほかハーブをつめて、切り口を縫い合わせる。それから彼らは白蟻の巣を探しにゆき、巣を切って、その中味でペーストをつくり、それを猿の体に塗って、完全に覆ってしまう。
このようにした猿を、木の枝に吊し、その下に皿を置いておくと、液体がしたたり落ちて皿に集まる。これはマンキーソースとして珍重されており、美味であるという。一週間か二週間そのままにしておくと、今度は皿に蛆が落ち始める。これは多分、肉蠅の幼虫であると思われる。この蛆がもう落ちてこなくなったとき、猿を木からおろして切り開くと、通常二ないし三匹の甲虫の幼虫と思われる大きな虫がみつかる。次に彼らは、ココナツの実を集め、熱し、殻に穴をあけ、中の液が冷えてから、一個のココナツに一匹ずつその甲虫の幼虫を入れ、穴を白蟻の巣のペーストでふさぐ。ココナツはさらに布で包まれ、またその上にペーストが塗られる。そしてさらに三週間くらい放置したあと、殻を割ると、蜜柑くらいの大きさにふくれあがった幼虫が出てくる。この幼虫は非常にうまいものとして、特別な儀式の際に食べられるという。


如何でせうか。 一考様

もう十五、六年になりませうか。わたくしが愛読してゐる本のひとつに、三橋淳『世界の食用昆虫』といふ本があります。『悪食大全』の後書きや、ユリイカの「昆虫の博物誌」などのときにも引いた書名なので、ご記憶にあるかと思いますが、食べたことはなけれど、わたくしが最も感動したレシピを紹介いたします。文化の根本といふのはここにあると思ひました。

世界のある国の人々の料理を紹介した部分です。以下引用。

彼らは尾長猿を殺して、腹を割いて腸を取り出し、体腔にシトルスヒストリックスという柑橘の葉やそのほかハーブをつめて、切り口を縫い合わせる。それから彼らは白蟻の巣を探しにゆき、巣を切って、その中味でペーストをつくり、それを猿の体に塗って、完全に覆ってしまう。
このようにした猿を、木の枝に吊し、その下に皿を置いておくと、液体がしたたり落ちて皿に集まる。これはマンキーソースとして珍重されており、美味であるという。一週間か二週間そのままにしておくと、今度は皿に蛆が落ち始める。これは多分、肉蠅の幼虫であると思われる。この蛆がもう落ちてこなくなったとき、猿を木からおろして切り開くと、通常二ないし三匹の甲虫の幼虫と思われる大きな虫がみつかる。次に彼らは、ココナツの実を集め、熱し、殻に穴をあけ、中の液が冷えてから、一個のココナツに一匹ずつその甲虫の幼虫を入れ、穴を白蟻の巣のペーストでふさぐ。ココナツはさらに布で包まれ、またその上にペーストが塗られる。そしてさらに三週間くらい放置したあと、殻を割ると、蜜柑くらいの大きさにふくれあがった幼虫が出てくる。この幼虫は非常にうまいものとして、特別な儀式の際に食べられるという。


如何でせうか。



投稿者: 高遠弘美    日時: 2004年07月01日 23:37 | 固定ページリンク





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