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一考 | ちりめんと異物

 このところ、かなりの種類のちりめんじゃこを食べている。それらのなかからお気に入りを紹介しておきたい。河出書房の紹介で知った中原水産がそれで、淡路で海産物製造卸を営んでいる。住所は兵庫県洲本市炬口1-1-44、郵便番号は656-0011、電話0799-22-1406、ファクシミリ0799-22-2683、炬口はタケノクチと読む。淡路の地名の読みは濁音に間違いが多い。地震で有名になった南淡町は当時の新聞や週刊誌ではナンダンと読ませていたが、字限図、地籍図では共にナンタンである。私が育った福原は土地台帳ではフクハラだが、古老を除き、ほとんどのひとはフクワラと発音する。これは東京の吉原も同じである。
 余談はさておき、中原水産のちりめんには廉いものと高いものの二種類がある。この違いは天日干しか否かによるのがほとんどだが、中原水産の場合は大きさを揃えることと掃除にあるらしい。子供のころのちりめんじゃこには子蛸や子烏賊、またイワシ以外の稚魚がよく紛れ込んでいた。私はそれらの異物が好きで、大事に取り置き、最後に食べたものである。アジ、ママカリ、カレイの稚魚などは特に宝物のようなもので、それが当たった日など、一日中機嫌がよかったのを覚えている。ひとはどのような環境下、閉塞された場にあっても夢を抱く、ちりめんに紛れ込んだ異物になにを響影させようとしたのか、すくなくともそこには「おいら、ひとり横むいたオットセイ」のような孤独な存在があった。私がなぜ、ちりめん山椒に惹かれ、ちりめんじゃこにこだわるのか、理由はそのあたりにありそうな気がする。
 もっとも、そんなことを述べていては美味いちりめん山椒は作られない。中原水産の高い方のちりめんはグラム340円、お薦めである。



投稿者: 一考    日時: 2004年07月01日 19:43 | 固定ページリンク





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