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持病が悪化、今年に入ってからはまったくバイクに乗られない日々が続いてきたのですが、今週の月曜日と火曜日にとうとう寝込んでしまいました。私が休んだ日にご来店くださった方にお詫び申し上げます。
水曜日にジャパン・アヴァンギャルド展のポスター搬入があり出店、状況劇場の犬狼都市と少女都市、天井桟敷の身毒丸と奴婢訓と邪宗門の五点が壁面に飾られました。少女都市が上演された69年12月前後は西荻窪の秋葉荘に住んでいました。状況劇場にいた大月雄二郎さんが借りていたアパートに潜り込んだのです。大月さんが20歳、私が22歳、文化庖丁と文化鍋、文化式魚焼き器等々を購入、焼き魚を食したいとの大月さんの期待に応えて秋刀魚を買い、西荻窪を煙に巻いておりました。少女都市の上演に関するトラブルの数々は四谷シモンさんの「人形作家」に詳しく著されていますので、ぜひお読みください。また、12日と26日の両日、新宿の「ナジャ」で安保由夫さんのライヴがあり、シモンさんがゲストとして参加、5曲ほど唄われる予定です。
60~70年代の作家、舞踏家、役者、編集者の表情にははにかみがありました。消え入らんばかりの夕日のような輝きと明るさに彩られた不良少年少女のはにかみです。彼等はひとの帰属や立ち位置と称するところのもの、すなわち権威や権力を刎ねつけてやまなかった異端の人々でした。右翼も左翼もありません、彼等みんなが革命を必要とし望んでいたのです。私たちが敵対したのは現状に甘んじ、精神のあり様を保持しようとする保守反動の輩でした。権威を拒むとは、他者のそれを突っ撥ねる以上に自らの権威や名声を固辞することが必要になります。その道のプロになるという、謂わば生活の保障を退けるわけです。巷の評価、他人の好意に対して冷笑を振りまくのですが、その冷笑がもたらす苦さのなかに照れ臭さが、含羞があったように思うのです。つなぐ手のかすかな湿りに後ろ髪惹かれながらもデスペレートに折り屈む、そんな屈折のはたてに圏外文学があったと思います。そういった圏外文学の徒花のひとつひとつに形を与えたいとの願いを持って出版社を興しました。それ故、編輯が生業の一端になりかけた時、私はご免を被らせていただいたのです。
以上、笹目さんとの度重なる晤語によって、跋扈する「前衛」を想い起こす機会を得たことに感謝。今回の企画は桑原茂夫さんと笹目浩之さんの尽力になるもの、同時に上梓された「ジャパン・アヴァンギャルド・アングラ演劇傑作ポスター100」もご両人にて編まれました。「ですぺら」にも在庫が御座いますのでどうかよろしくお願い致します。
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