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一考 | 郡司正勝さんの本

 moondialさんへ
 自分の仕事を自分で整理するほど酔狂ではなく、薫子さんに任せています。更新されたものがあればお送りします。
 「かぶき夢幻」は昭和58年7月7日刊、限定700部、発行所が西沢書店、発売元は名著刊行会、発売元の住所は東京都中野区松が丘1-22-7、頒価16000円、編輯造本が須永朝彦さんです。
 句集「茫々」は平成11年4月15日刊、発行所は郡司正勝先生を偲ぶ会、住所は東京都新宿区戸山1-24-1早稲田大学文学部演劇研究室内、電話03-5286-3631、頒価の記載はなく非売品です。
 「茫々」はさきほど須永さんの方から手配していただきました。須永さんは毎週木曜日にですぺらへいらっしゃいますので、しばらくお待ち下さい。「かぶき夢幻」は古書で1万円を切る値段でよく出品されています、検索して下さい。

 新詩社の「マラルメ研究」は山本六三さんの愛読書でしたが、それにしても値の張る本でした。「豚鍋や泥鰌の筏、田螺の佃煮、剣菱」いいですねえ。いつのことだったか忘れましたが、西尾さんも一緒に元町の金盃へ天麩羅を食べに行きました。確かに鱧や穴子の天麩羅は旨かったのですが、酒が金盃ではねえ、かなり我慢して酒を飲んでいたのです。その後、吾作へ行きましたが、あのときの剣菱特級の冷用酒は旨かった。私は別に剣菱のファンではないですし、どちらかといえば灘の酒は避けていたのですが、あれには感心させられました。後日、「銀花」の取材で舞子ヴィラへゆき、同じ剣菱を飲んでやはり驚きました。
 酒で思い出しましたが、そちらの某新聞には酒のエッセイや書評を4~50本は書きました。もちろん小遣い銭稼ぎで、すべて匿名。しかし、役得で酒だけは潤沢にあたりました。西明石の店の看板もそのときの産物といえます。コーベブックスでの最後の本は須永さんのエッセイ集でしたが、書評とはいい条、内容はすばらしいものでした。それと比して私の書評は顧みて忸怩たるものがあります。匿名は無責任になります、匿名と手抜きはシノニムではなかったかと反省致しております。
 泥鰌の筏は梅雨の季節のみ、子持ちの泥鰌の旨さは筆舌に尽くしがたいものがあります。東京へきてから食生活は反転しました。刺身しか食べなかった私が揚げ物ばかり食べています。だって、4~500円では鰈や鮃を買うことができないからです。トレーとラップの間で跳ね回る鮎魚女、皮剥、目張、おこぜ、角飛び、鱧などなど、夢に出てきます。老後はやはり北海道の漁港で住みたいものです。

 当掲示板を読まれているのは主として編輯者と広告屋さんです。書き込みのなかからテーマを抽出し、いろんな企画が持ち込まれます。6~70年代のプライヴェート・プレスの社主とのトークはさまざまな編輯者や出版社が協力してくださいます。30社ほどをリストアップしたのですが、短詩形にはユニークな出版社が多く、またそのほとんどは親しいひとたちです。貴重な時代の証言になると思います。昨日も内藤三津子さんが澁澤幸子さんを伴って来店、後を追って間村さん、松井さん、宇野さんとつづき、またまた朝まで生テレビになってしまいました。内藤さんからトークの快諾を得、「銀花」での間村さんの特集、河出書房新社から出る予定の間村さんの画集に宇野さんが文章を添える等々、愉しい企画がずいぶんと纏まりました。私の方も三本の締め切りが生じたようで、来月からは掲示板へ書き込む機会が減ると思います。私にとっては雑誌も掲示板も等価なのですが、雑誌には締め切りがございます。私はアマチュアですが、例えプロであっても締め切りはことのほか疲れます、情緒的に追い込まれるのです。その分、解放されたときの酒は五臓六腑に染みわたります。最後になりましたが、須永さんはプロの作家ですから掲示板に文章を書かれるのには反対です。「明石町便り」だけで結構かと思うのです。



投稿者: 一考    日時: 2003年11月30日 00:08 | 固定ページリンク





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