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一考 | モルト情報11

 先だって紹介しましたラガヴーリンの12年ものカスクストレングスと25年ものカスクストレングスの発売は3月になるそうです。それまでは高値ですが、並行もので間に合わせるしかなさそうです。

 スプリングバンク蒸留所のロングロウが新しくなります。その前にロングロウの香味と歴史について一言。
 ロングロウはスプリングバンクのセカンドラベルにして10年もの46度。オーク・カスクとシェリー・カスクの二種があり、特質は麦芽の乾燥にピートのみを用いる点。バンクの6時間に対して55時間もピートを焚くといわれています。湿った草や土の匂い、微かにシェリーの甘味、長くピーティーなフィニッシュ。塩辛く、口腔が沸き立つようなオイリーな後口。通好みのヘビーなモルトです。
 1973年から74年にかけて蒸留、85年より発売。ブランドはスプリングバンク蒸留所に隣接していた蒸留所の名。同蒸留所は1896年に閉鎖され、現在ではスプリングバンク蒸留所の瓶詰工場になっています。90年以降、年毎の生産量は増え、2000年からは定期的にボトリング。91年からはボトリングされた年が記載されるようになりました。ところが記載は92年で終了、93年以降、すなわち来年のボトルからはオーク・カスクとシェリー・カスクのヴァテッド・モルトに統一されます。熟成年月の10年はそのままだそうです。
 通常のディスティラーズ・エディションのほか、73年、74年蒸留の蒸留所元詰めブルー・ボックスを始め、マーレイ・マクデヴィッド社の90年、91年蒸留のモルト、サマローリ社の16年、21年熟成のもの等、さまざまなボトルが頒されています。
 また、現在生産が中断されているオロロソ・カスクの21年ものスプリングバンクは2008年もしくは2010年に復活の予定。現行の15年ものはそれまでのつなぎ商品ということになるそうです。

 ダンカン・テイラー社のザ・ピアリス・コレクションからボウモアの66年蒸留の36年もの45.3度、同じく43.2度、68年蒸留の34年もの41.4度、69年蒸留の32年もの43.4度、同じく46.9度。ダグラス・レイン社のオールド・モルト・カスクから66年蒸留の34年もの45.1度、同じく36年もの40.6度、69年蒸留の31年もの46.4度。キングスバリー社のケルティック・コレクションから66年蒸留の35年もの43.7度、72年蒸留の29年もの54.8度、同じく30年もの53.2度等々、長期熟成のボウモアが相次いで頒布されております。66年のボウモアが美味との日本生まれの神話に託けてのボトリングなのでしょう。商魂の逞しさには参ります。

 いつものことですが、「モルト情報」はあくまで情報であって、当店のバックバーには高級品はなにひとつ蔵しておりません。ただし、在庫している業務店の紹介は可能です。どうかよろしくお願い致します。末尾ながらメールにご返事、ハート・ブラザーズ社の長期熟成のモルトはダンカン・テイラー社の提供になるものが多いと聞き及んでおります。



投稿者: 一考    日時: 2002年12月16日 05:39 | 固定ページリンク





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