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高遠弘美 | もう一杯いかが?

一考様
思はず、志ん生「黄金餅」の「生焼けでいいからな、とくに腹んとこは焼きすぎちやだめだぞ」を思ひ出しましたが、成人してのちに親しい人の葬儀を出すとさういふ目にあふのですね。わたくしは父が小五、母が高三で死に、二人の骨も拾ひましたが、子どもの頃の読書がさうであるやうにいはば純粋経験であり、父や母の骨だけが脳裡に強烈に焼きついてゐます。ただ、子どもながらに、こちらにはどれほど大切な人の死であらうと、他人(親戚を含む)にとつてはどうでもいいものだといふことは感じたせゐでせうか、概して他人に対する不信の念が色濃く残りました。(「隴西の李徴、性狷介にして」を教科書で習つた時、ああ、これだと思つたことを覚えてゐます。加へて吃音者の僻みもあり、人づき合ひはすこぶる悪く、それは今もあまり変はつてゐないやうです)。もちろん、それでも「東京物語」の紀子は慥かにゐるのであり、決してmisanthropeを気取つてゐるわけではないので、心許せる一考さんのやうな方にはついかやうな打ち明け話までしてしまふのですが。

Campagnolo様
Dudenの中国語版は存じませんが、わたくしが持つてゐるのは、Entree libreといふフランスで出ている教材の中国語版です。単語や表現を眺めてゐるだけで暇つぶしになります。フランス語教員には、フランス政府と日本の文部科学省が主催する研修(stage)に参加する機会が与へられることがありますが、今、それで渡仏してゐる知り合ひから来たメールに「カーンではFrancais Langue Etrangereの教員養成クラスで毎日8時間ほどフランス人たちと勉強しておりました。そこでは外国語を習う気持ちがわかるための試みとしてベトナム語を習います」とあり、ちよつぴり羨ましくなりました。1989年にわたくしがスタージュに行つたときはそんな愉しみはありませんでしたから(しかも当時の研修地はVichyとParisでした)。

さうさう、もう一つ餘談ですが、ワープロの日本語変換ソフトでは「志ん生」は出ません。さつき打つたとき、「し」で「死」が出て、それならと「志望」と打たうとしたら「死亡」と出ました。しかし「死ん生」では宛字にも洒落にもなりませんね。



投稿者: 高遠弘美    日時: 2002年08月03日 09:49 | 固定ページリンク





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