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一考 | 三光長治さん

 ムーンさんへ
 三光長治さんのエッセイ集は「アドルノのテルミノロギー」です。87年5月に法政大学出版局から上梓されました。他に「新しいワーグナー像を求めて」とのサブタイトルを持つ「エルザの夢」が同じ出版社から刊されていますが、私はワーグナーに興味がなくそちらは購読しておりません。
 三光さんが翻訳されたアドルノの「ミニマ・モラリア」は名訳ですが、同書の106番と「アドルノのテルミノロギー」の60頁に著された同一性の問題を併せ読んだ時の眩暈のようなものを忘れることが出来ません。他に「荷風瞥見」と題するエッセイが収録されています。頗る噛み応えのあるエッセイです。
 三光さんとはじめてお会いしたのは瞑草舎の西岡さんの紹介、「青銅時代」の例会の席にて小川国夫さんも一緒だったと思います。私が存じ上げる仏文学者とは異なりさすがに独文学者、背筋を伸ばしての剛毅な飲み方に感服致しました。
 「青銅時代」の同人の著訳書からは小椋順子さんのドルヴィイ「レア」と金子博さんのボレル「シャンパヴェール」を出版しました。

 過日、書肆山田の大泉さんから頼まれて森乾について調べ事をしたのですが、その森乾さんの著書「父・金子光晴」が同書肆より上梓されました。400頁に及ぶ大冊で2800円は安いと思います。西脇順三郎と共に金子光晴はいいですよ。お薦めの一著です。



投稿者: 一考    日時: 2002年05月28日 13:05 | 固定ページリンク





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