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一考 | 断層の断想

 MRIのネガを持ってしのざき脳神経外科クリニックから山崎外科泌尿器科診療所へもどった。どうやら造影剤を注入しての新体操はせずに済みそうである。あてがわれた薬はミオナール50?とデパス0.5?、それにトランキライザーの類いである。早いはなしが、筋肉弛緩剤と睡眠薬、言い換えれば、緊張をほぐして睡眠をたっぷり取れということになる。さらに翻訳すれば、肩こりからくる頭痛とめまいだったということになろうか。いずれにせよ、詳細は資料と共に主治医がですぺらへ飲みに来て説明してくださるらしい、かたじけなく思っている。
 MRIは二度目だが、道路工事中のような騒音は相変わらずで、コトコトコトコト・・・ガッキーンガッキーンが十五分ほど続く、まるでSF世界の住人である。CTスキャンはレントゲンだが、MRIは磁気、正確には核磁気共鳴撮影装置である。磁気はX線と比べてほとんど人体に害がない、早晩こちらに切り替えられると思う。90年代半ばからは画像が飛躍的に鮮明になって血管撮影(MRA)も可能になった。脳血管の立体画像も見せていただいたが、物珍しさからか妙な美しさを感じた。よって、五十枚ほどの断層写真をCDに焼いていただくことにした。
 三センチ五ミリの性器を誇示する趣味はないが、自分の脳の断層写真を愛人に見せびらかすのは嗜好にかなう。特に眼球と大脳とが並んだ図には感動させられた。言葉や文字で言い著される思いよりも断層写真により抽象性を覚えたのである。私にとって性とはおそろしく抽象的なものである。断層写真が誘引剤となって性フェロモンを放出するような牝と巡り会ってみたいものである。
 ついでに、CTスキャンも見せていただいたが、島津製作所最新のスパイラルマシーンが鎮座するのに愕かされた。大学病院ならいざしらず、個人診療所が揃えるような種類の機器ではない。さすがに映像フェチといわれるだけのことはある。
 編輯は偏執に通じる。従って、なにごとによらず偏ったものに興味がある。ただし、オタクであれマニアであれフェチであれ、パラノイアやモノマニアにとどまる限り、箸にも棒にも引っ掛からない。一つのことに異常な執着をもつのは結構だが、それが人格の荒廃をきたさなければ、なんのための固執であり妄想なのかと問い質したくなる。一度偏りはじめた障害者の行き先は餓鬼偏執しかない。

 ところで、MRIの主たる目的は脳血管の動脈瘤や脳腫瘍の有無などを調べることにある。簡単な検査で即MRIを撮りましょうと言われれば、患者は臆するものである。主治医と薫子さんとの遣り取りは知るべくもないが、神色自若を粧う私に対する主治医の竹箆だったのかもしれない。

追記
 昨夜、珍しくお客さんがあって以上の書き込みを載せられなかった。今日載せようとしたところ高遠さんのお見舞いがあって、こちらこそ吃驚いたしました。寝てれば癒るといった塩梅だそうです。
 頭のなかに感じる痛みが頭痛なのですが、私のような素人には頭蓋骨の外側にある筋肉、筋膜、動脈、神経などの軟部組織に起因する投射痛との区別がつきません。滅多に痛みを吐露しないので、主治医が気を利かせたのだと解釈しています。
 日葡によると「ヘンノヅツウ」もしくは「へんとうつう」だそうですが、手元の読み本の類いだと「かたずつう」との記載が散見されます。調べる必要がありそうですね。いずれにせよ、チョコレートやチーズの摂取も発作の誘因になるらしく飲み助には困ったものです。



投稿者: 一考    日時: 2006年10月18日 14:35 | 固定ページリンク





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