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一考 | 白い色鉛筆

 佐藤弓生様
 「白い色鉛筆の王国」はよくできた寓話です。寓話ゆえ、いかようにでも読み解くことが可能です。でも、あのようにポリティカルに曲解するとイタガキさんから叱られそうです。イタガキさんに託つけての勝手な書き込みですので、ご勘弁いただきます。
 私は平和主義者ですので、帰属や境界を越えたところで棲息したいと念じています。従って、軍備にも憲法改正にも反対ですし、国連の集団的自衛権にすら異議があります。さらに申せば、国とか、民族、宗教といったものにも否定的見解を持っています。だからこそ、個と個が共存するための「重層的アイデンティティ」のことばかりを考えているのです。そのモチーフが「白い色鉛筆の王国」では一捻りも二ひねりもする形で過不足なく描かれていました。昨今はやりのライト・ノベルのもみなさとは違う、少年の頃にのみ感じられる違和感と失意、そしてそこから生まれる漂泊の悲しみが巧みに表現されていたのです。すぐれた作品とひさびさに新鮮な出会いを得られたことに感謝しています。
 それにしても、一本の白い色鉛筆からあれだけの物語を拵えるイタガキさんの想像力の端正さに感服させられました。よしなにお伝えください。



投稿者: 一考    日時: 2006年10月03日 00:00 | 固定ページリンク





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