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一考 | 富ノ澤麟太郎の雑誌

 りきさんへ
 父の遺品を整理しに神戸へ行った折り、実家で私が使っていた机の引き出しに入っていたものを八つのダンボール箱に詰めて持ち帰りました。そのなかから、富ノ澤麟太郎の「流星」と大正十四年五月号の「文芸時代」がでてきました。後者は富ノ澤の追悼特集号です。
 横光利一編による「富ノ澤麟太郎集」を入手する前に蒐めていた雑誌の一部と思われます。「流星」は大正十三年十月の「改造」に掲げられましたが、商業誌に載ったはじめての作品だったと思います。「文芸時代」は横光利一以下、六名が執筆、中井繁一と古賀龍視の文章がよかったように記憶します。いずれも十代のころのコレクションです。もしお持ちでなければご一報ください。
 実は昔、蛸に関する文献を二十冊ほど蒐めたことがあって、内一冊に感心させられました。もっかその新書を探しているのですが、まだ見つからないのです。店の維持費で五十万、百万といった単位のお金が必要で蔵書を売り払い、残部は一万冊を切りました。それにも拘らず、相次ぐ転居で資料の整理がままならず、私の頭のなか同様、乱雑に犇めき合っているのです。



投稿者: 一考    日時: 2006年08月02日 22:43 | 固定ページリンク





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