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このところ、稲垣足穂の年譜と著書目録を作らされている。「作らされている」と書いたのは、そのような仕事をあまりしたくなかったからである。私ひとりだと引き受けなかったのだが、店に来られる若いひとたちの協力を得られた。山口雄也、鎌野創一郎、金光寛峯、小野塚力、土屋和之、佐藤周の各氏である。敢えてお名前を挙げさせていただき、深く感謝したい。
これだけ逸材が揃えば私ごときは無用者で、遠慮なく寝惚け眼でいられる。このところ「キネマの会」との符丁を用いていたのは、その編集会議であった。議長は「ユリイカ」の郡淳一郎さん、爺やは片隅でみなさんの仕事の進行ぶりを見守るのみ、たまにフムフムと頷きながらシクハード・ハインツェルよろしく煙に巻いていれば万々歳なのである。
今回の稲垣足穂特集のはなしが舞い込んだ日、札幌で亡くなられた高橋康雄さんを憶い、墓参りすら覚束ない不実な私はひとりで杯を傾けた。過日、「久しぶりに高橋さんと一緒に仕事をすることになった。三途の川をはさんでの遣り取りがこれからはじまる」と書いたのはこのことだった。
パソコンはおろか、コピーすらなかった時代に私は書誌学の真似事をさせられた。当時はすべて原稿に書き写すしか手立てはなかった。moondialさんの手ほどきでパソコンが使えるようになったいま、文明の利器のありがたさが身にしみる。そこでこの利便さを用いて広くご教示いただきたい。もっか、稲垣足穂の未発表作品やヴァリアントもしくは筑摩書房版全集に収録されなかった作品を探している。なにかしらご存じの方がいらしたら、ぜひともご連絡いただきたいのである。
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