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一考 | 六者協議

 六者協議で共同声明が採択された。北朝鮮の核廃絶も軽水炉の提供も具体的スケジュールがなにも示されない基本原則のみの合意であって、約束されたことは北朝鮮に対する韓国の二百万キロワットの電力供給と第五回協議が十一月に開催されるとの二点のみ。
 北朝鮮は間髪を入れず、軽水炉の提供があってはじめて核兵器および既存の核計画の放棄が交渉の対象たりうると明言した。軽水炉が稼働するまでは現在稼働中の黒鉛炉を停止せず、核兵器は造り続けられるわけである。また、黒鉛炉を止めることによって生じる二十万人の雇用問題にも責任を取れという。ちなみに、二百万キロワットの電力供給も軽水炉も応分の負担が日本に求められている。
 日朝の部分は「平壌宣言にしたがって、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として、国交正常化のための措置をとることを約束した」となっている。わが国の解釈だと「懸案事項」に拉致問題が入るのだが、それが「前提」ではなく「基礎」になったところに大きな問題がある。字義どおりに解釈すれば、拉致問題が解決しようがしまいが、国交は正常化しなければならない。しかも国交正常化は多国籍間の協議の結果であり、二国間の懸案事項の解決に優先する。韓国の南北協調路線は加速され、わが国に対する中国、韓国、北朝鮮からの圧力は増大する。今回の声明によって、中国と韓国は日米のあいだに楔を打ち込むのに成功した、謂わば中韓の罠に嵌められたのである。はなしはそれで終わらない、声明にいう「適切な時期」が米朝双方で噛み合うはずがない。早晩、声明は崩壊するのではなかろうか。日米と中韓朝の対立の激化によって、新たな火種を抱え込むことになるのではなかろうか。



投稿者: 一考    日時: 2005年09月20日 16:36 | 固定ページリンク





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