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外山時男 | あの股にもう一度

一考さま

 へんな事情で近々我が家へ水泡眼が一匹来ます。ごぞんじ頂天眼か出目金かみたいなあの水泡眼です。金魚の世界は盆栽の世界同様、えらそうな漢風が吹きまくっていて大嫌いなのですが、一考さんとランチュウの話などした直後だったので、おっちょこちょいにもついつい引き受けてしまいました。ベランダに適当な容器を見つけてきて飼ってやろうとおもいます。問題は水の管理。サブ水槽などしつらえて頻繁な水換えなどできるはずもなく、しかしフィルター装置つけてかき回すのも金魚には不適とのこと。ならばローレンツ流に自然めかして小型の睡蓮やオモダカなど植えて自浄させるしかありません。
 もうひとつの問題は餌です。光に湧き上がるミジンコは東京ではもはや夢の夢、ここはフレーク飼料に頼ろうとおもいます。
 とつぜんですが、十代、二十代のころは日に何度もマスをかいておりました。五十になったいまはさすがにかく機会もマレでありますが、振り返ってみますと、通説に反して、マスはネエサン方にモテまくっているとき、さらには、もうこうしてカーテンを引いた部屋の中で君とまぐわい続けているのが一番なのであって、ふたりして何処へ落ちてゆこうが人生どうなろうが他人の知ったことか、といった幸福としか言いようのないひとりの相手に恵まれたときにこそ、より多くかきたくなるものであったと記憶します。
 むかしむかし鎌倉にそんな方がいらして、そのときは雀の囀り始めた明け方、泣く泣く手を振って別れ、第三京浜をオートバイの前輪浮かして東京のアパートへ駆け戻ったとたん、いましがた別れてきたばかりのその人の股間をおもい起こしてその場でマスをかき、昼過ぎには仕事などそっちのけでバイクのタンク叩いて等々力からまた鎌倉へぶっ飛ばす。車なんか走るパイロン。
 心身ともにスッキリして二キロは痩せて帰ってシャワーを浴びると、バスタオル使い髪乾かすころにはまたもや血が昇って矢印は鎌倉へ。性交とマスとの毎日でありました。
 したがってわたくしにとってのマスとはなにか性的充実をさらに補強するものであって、そこには「それはマスターベーションにすぎぬ」などといったしぼんだ情けない揶揄は成り立たないのであります。
 あの胸にもう一度、ではなくて、あの股にもう一度、であります。
 軽い脳梗塞と軽い胃潰瘍で寝込んでました。
 またウイスキーいただきにゆきます。



投稿者: 外山時男    日時: 2004年08月29日 23:59 | 固定ページリンク





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