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高遠弘美 | 失礼ながら

一考様
お書きの御高文、味読しました。
仰言るとほり、売れればいい的な思ひのみがわだかまつてゐるやうに見えます。もちろん、批判めいた言説など誰でもできるので、私がさう言つたからといつて、何ほどのこともありませんが、「こころざし」、せめてその一語は忘れたくありません。珍説愚説辞典を訳してゐてつくづく思ひました。今の評価などなんぼのものでもないと。みなわかつてゐる顔をして、いまの売れ行きしか見てゐない。一例。司馬遼太郎など、私にはどこが面白いか皆目わからないし、昨今流行のミステリーにしても、あまりにレベルが低すぎます。ああいふ代物にまともにつき合つてゐる暇はすくなくとも私にはありません。それくらゐなら私は本業のフランス語教育にもつと励まなくてはならない。さらに言へば、私が文楽と歌舞伎の世界に深入りしてゆくのはしかたのない仕儀なのです。
みなさん、一家言をもつてをられる。それは「民主主義」の世の中、いいことかもしれない。でも、ほんとうに守るべき民主主義的価値はひとへに言論の自由であり、人間の平等であり、精神の自由です。そこを忘れた議論など私には何の興味もない。
一考さんの、ときとして「偏屈」に思はれるかもしれない佶屈。私はそれを愛します。私も物わかりのいい「大学教師」にだけはなりたくないと思ひつつ。久しぶりに、勝手ながら、fraterniteを感じつつ。
一考さん、また呑みませうね。



投稿者: 高遠弘美    日時: 2004年06月16日 01:31 | 固定ページリンク





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