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一考 | 幻の猫

 先週の土曜日、龜鳴屋から伊藤人譽さんの「幻の猫」が到着、さっそく間村峻一さんとその人譽幻談を肴に痛飲。それ故いまだ未読なのですが、室生犀星や花田清輝をして「空恐ろしい作品」と瞠目せしめた怪奇幻想の逸品です。私は「穴の底」一篇しか識りませんのでなにも申せませんが、その一篇を以ってしても購入にあたいする傑作です。
 龜鳴屋本第四冊目にして五百十四部の限定制作。頒価は二千九百四十円。「おいら、ひとり横向いた猫」のあやしげな写真を表に、スーパー活字(と思われる)による箔押し、洒落た型染め紙に限定のナンバーリング、「かはたれそ女の声で泣く蛙」との伊藤人譽さんの句と顔料による手彩色のかえるを配した栞が添附されています。心憎いまでの勝井隆則さんのあそびごころ、金がないならない(と断定できそう)で、ひとはここまで雅に立居振る舞ってみせるものかと、遠地金沢に挙手の礼を奉げたく思う。
 とりあえず、ですぺらへは五冊。安価な書冊なれば、一冊でも多く購入たまわらんことを庶幾います。



投稿者: 一考    日時: 2004年06月14日 23:35 | 固定ページリンク





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