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一考 | (無題)

 moondialさんへ
 番紅花舎の名で出したのは吉岡実さんの「サフラン摘み」です。南柯書局自体、必要があって書肆南柯を用いたこともあり、一考以外の名前もなんどか使っています。一志とか本名の一孝とか、苗字も渡邊、渡邉、渡辺、福原、神戸などいろいろです。確かに十代の頃から何冊かの本は造りましたが、そちらは内緒です。貴方には私のペンネームも一部明かしましたがそちらは言わないでくださいよ。理由があって名を伏しているのですから。
 東京で画廊を切り盛りしてきたO田さんや日本橋で編輯プロダクションを営むS原さんはそれぞれ10種類ほどの変名を使っています。O田さんが書かれた小説は膨大な量ですが、内容はW康さんのむこうを張るものです。一方は生活のため、片方は変態趣味の産物ですが、共に本名は一度も明かしていません。もう5年になりますが、W康さんが亡くなった時、書肆山田の鈴木一民さんから遺稿集が編めるのは御主しかいないのだからと言われ、肝を冷やしました。
 世のなかには闇から闇へ葬ったほうがよいと思われるものがいくらでも御座います。それでなくとも、生きるとは質の悪い冗談、こころあるひとは自らをあざむき騙しつづけて生き延びているのですから。



投稿者: 一考    日時: 2003年11月24日 16:11 | 固定ページリンク





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