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一考 | からだのなかを風が吹く

 佐々木幹郎さんへ
 もちろん、ほめ言葉です。単刀直入に褒めればあなたのことです、きっと気分を害するに違いないと思ったのです。臆面もなくセンチメンタリズムやリリシズムを肯定する表現者の神経経路や思考回路はおおむねざんばら髪か複雑骨折に違いありません。
 ところで、複雑骨折とは骨折端と外界が行き来している状態を指すのであって、開放骨折とも云います。きっと詩人なら外界と身体とのコレスポンダンスを夢見るのでしょうね。これまた風通しのよろしいことです。
 ひとに期するところなにもなく、ひととの出逢いは一顰一笑。源氏の時代であるまいに、「千々にくだけはべる思ひに」とは嘲み笑いか薄笑いの謂いではなかったかと。かようなことを申しますのも、失意のなかにしか友は得られぬものと十代の頃よりこころして生きてきたからなのです。
 佐々木幹郎さんのリリカルな詩、間村さんのつぶらな泥酔、松井さんの後ろ髪ひかれる哄笑、それらの裏面には「意志弱行」の遁走曲が流れているような気がしてならないのです。
 今年はいくたりかの友の死に逢着致しました。そして一方であなたのようなよき友を得ました。松柏摧為薪、ほろびの前のわるあがきをいとど愉しみたく思いおる次第。



投稿者: 一考    日時: 2003年10月31日 19:32 | 固定ページリンク





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