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一考 | 評価は低いが美味なモルト

???T?から日本での評価は低いが美味なモルトを紹介してほしいとのことで、ちょいと文章をでっち上げました。おそらく人の目に触れないと思いますので、載せておきます。

オスロスク
 【グレンヒース(スコッチ・モルト・セールス)】800円
 10年もの、40度。中味はオスロスク。
 かつて、グレン・マレイを核とした同名のピュア・モルト・ウィスキーが頒されていたが、本品はまったく異なる。オスロスク蒸留所のシングル・モルト3樽をボトリング。1000本のリミッド・エディション。
 ディスティラリー・ボトルと比してまろやかさ、潤沢なこくと味わいで優る。色は淡く、カラメル香もなく、シェリー酒のテイストが濃厚。
 蒸留所の創業は1974年と新しいが、既に数々の品評会で受賞し、国際的な名声を得ている。クラガンモアと共に、スペイサイドのよさをすべて備えた銘酒。ディスティラリー・ボトルは「シングルトン」のブランドでボトリングされていたが、2002年よりユナイテッド・ディスティラーズ社の「オスロスク10年」に変更された。
 イアン・マクロード゙社からポート・フィニッシュの11年もの、ケイデンヘッド社のオリジナル・コレクションからシェリー・ウッドの10年ものが、他のボトラーではドナート社のダン・イーディアンとマーレイ・マクデヴィッド社から加水タイプのボトルが頒布されている。また、ダグラス・マクギボン社、ダグラス・レイン社、ケイデンヘッド社のオーセンティック・コレクションから数種のカスク・ストレングスが頒布されている。

クレイゲラヒ
 【クレイゲラヒ '89(ダグラス・レイン)】1000円
 オールド・モルト・カスクの一本。12年もの、50.0度のプリファード・ストレングス。360本のシングル・カスク。
 蒸留所の創設は1888年。株主のひとりピーター・マッケイが1890年にブレンデッド・ウィスキーのホワイト・ホースを発売。爾来ホワイト・ホースのメイン原酒となり、シングル・モルトとして出回る量は極めて少ない。
 ディスティラリー・ボトルはユナイテッド・ディスティラーズ社の花と動物シリーズだが、それと比して遙かにリッチ。アイリッシュ・クリームの香り、オレンジやナッツの風味、長く濃密なフィニッシュ。最良の食後酒のひとつ。
 イアン・マクロード社、ハート・ブラザーズ社、シグナトリー社、ゴードン&マクファイル社、サマローリ社などから加水タイプのボトルが頒布されている。また、ボトラーズ社、イアン・マキロップ社、ユナイテッド・ディスティラーズ社のレアモルトからカスク・ストレングスが頒布されている。

グレンアラヒ
 【グレンアラヒ '91(シグナトリー)】1300円
 シェリー・バットの8年もの、43度、限定902本のシングル・カスク。
 女性に人気のエレガントな食前酒であり、僚友アベラワーと通底する味わいを持つ。きれのよさは心地よく、極上のフィニッシュに飲み手を誘う。オーク・カスクにはない、アーモンドのようなナッツ系の香りが特徴。
 仏蘭西のペルノ・リカール社が所有する蒸留所はアベラワーとグレンアラヒ。クッキーやキャンディの甘さ、まろやかな喉ごし、すこぶるデリケートな香り、軽くのびやかな酒質等々。仏蘭西ならでは、と想わせる所が愉快である。
 シグナトリー社からは数種の加水タイプが、ケイデンヘッド社、ゴードン&マクファイル社、ダグラス・レイン社からカスク・ストレングスが頒布されている。

グレンロッシー
 【グレンロッシー '89(ダグラス・マクギボン)】1000円
 プロヴァナンスの一本。10年もの、43度。
 すがすがしい白檀の香りと糖蜜と干し草の匂い。フレッシュでドライな喉ごし、麦芽とシェリー香のアクセントを得て、フィニッシュは徐々にスパイシーに。
 リンクウッドやロイヤル・ロッホナガーと共にソフィスティケーテッドなウィスキーとして識られる。
 ディスティラリー・ボトルはユナイテッド・ディスティラーズ社の花と動物シリーズだが、それと比して円熟度高く、よりスイートな味わい。重厚な香りと切れ上がりの暖かさが絶妙。
 インタートレード社、ゴードン&マクファイル社、シグナトリー社、ヴィンテージ・モルト社、ブラックアダー社、イアン・マクロード社から各種加水タイプのボトルが、アデルフィ社、ダグラス・レイン社、イアン・マキロップ社からはカスク・ストレングスが頒布されている。

ストラスミル
 【ストラスミル '91(ゴードン&マクファイル)】900円
 コニッサーズ・チョイスの9年もの、40度。
 キース地区特有の熟した果実の香りと長く続くスパイシーなフィニッシュが特徴。
 インデペンデント・ボトラーズのボトルとしては最も新しい。
 ディスティラリー・ボトルはユナイテッド・ディスティラーズ社の花と動物シリーズだが、それと比して薫り高く、ラスト・ノートで優る。
 ウイルソン&モーガン社とシグナトリー社から数種の加水タイプのボトル、またダグラス・レイン社とイアン・マキロップ社からも数種のカスク・ストレングスが頒布されている。

ダルユーイン
 【ダルユーイン16年(ユナイテッド・ディスティラーズ)】1400円
 花と動物シリーズの一本。43度のディスティラリー・ボトル。
 アイランズのタリスカー同様、ジョニー・ウォーカーの核となる原酒モルト。
 マルティニック・ラムの香りを持つフル・ボディ。ホットな辛口でアフター・テイストに特徴がある。フィニッシュが長く、スモーキーからビターへと次第に変化していく。
 ゴードン&マクファイル社、サマローリ社、ハート・ブラザーズ社などから加水タイプが、アデルフィー社、ゴードン&マクファイル社、シグナトリー社、ダグラス・レイン社、イアン・マキロップ社、マッカーサー社からはカスク・ストレングスが頒布されている。

バルミニック
 【バルミニック '90(アデルフィ)】1100円
 11年もの、59.7度のカスク・ストレングスにしてシングル・カスク。
 ヘザーハニーの香り、甘辛のバランスが佳く、ジンジャーを想わせるスパイシーなフィニッシュが長く続く。グレントファースと共に、スペイサイドの隠れた銘酒。入手可能な間にぜひ味わっておきたい逸品。
 ディスティラリー・ボトルはユナイテッド・ディスティラーズ社の花と動物シリーズにて1991年の発売。他にゴードン&マクファイル社のコニッサーズ・チョイスはお薦めの一本。
 ゴードン&マクファイル社、ハート・ブラザーズ社、ヴィンテージ・モルト社、ブラックアダー社、イアン・マクロード社から加水タイプのボトルが頒布されている。アデルフィ社、ハート・ブラザーズ社、ハイ・スピリッツ・コレクション社、イアン・マキロップ社、イアン・マクロード社、ユナイテッド・ディスティラーズ社のレアモルトからカスク・ストレングスが頒布されている。

ピティベアック
 【ピティヴェアック '86(イアン・マクロード)】1300円
 チーフテンズの一本。バーボン・ホグスヘッドの14年もの、43度。4樽、1074本のリミテッド・エディション。
 ディスティラリー・ボトルはユナイテッド・ディスティラーズ社の花と動物シリーズだが、本品はそのオイリーな舌触りはなく、きれのよさがそのままホットなアフター・テイストに繋がって行く。
 ダフタウン蒸留所に隣接する。仕込用水からポット・スティル、熟成庫までを共にする、謂わば弟でありながら、兄とは異なり個性的。蒸留所は93年に閉鎖。
 自己主張が強く、ダルユーインのようなホットな辛口。ピリピリ感を伴うフィニッシュが比較的長く続く。同じ飲むなら、ダフタウンよりこちらがお薦め。
 ブラックアダー社とイアン・マクロード社から加水タイプのボトルが、キングスバリー社、ケイデンヘッド社、ダグラス・レイン社、イアン・マキロップ社からカスク・ストレングスが頒布されている。

ブレヴァル
 【ブレイズ・オブ・グレンリヴェット '89(ケイデンヘッド)】1200円
 オーセンティック・コレクションの一本。バーボン・ホグスヘッドの10年もの、62.2度のカスク・ストレングス。限定288本のシングル・カスク。
 アルタナベーンとは兄弟蒸留所だが、こちらは重厚な味わい、噛み応えのあるボディ。メイプルシロップや干し葡萄の甘い香り、蜂蜜のような深くまろやかなこくとオレンジ・ピールの風味。フィニッシュは長くドライ。
 創業は73年と新しいが、ストラスアイラと共に傑出したモルト。ストラスアイラが甘すぎるという方に強くお薦め。
 蒸留所名はブレイヴァル。シーバス・リーガルの原酒モルトのためディスティラリー・ボトルはなく、インデペンデント・ボトラーを介してやっと入手可能になった。
 キングスバリー社、ケイデンヘッド社、シグナトリー社、ダグラス・レイン社からカスク・ストレングスが頒布されている。特筆すべきはスコッチ・モルト・セールス社とハート・ブラザーザ社から頒布されたマディラ・フィニッシュのボトル。樽由来のフレッシュ・ミントとオレンジの花の香り、心地よい甘味の中に秘められた爽やかな酸味が美味。

ベンリネス
 【ベンリネス '88(ゴードン&マクファイル)】1000円
 ゴードン&マクファイル社のコニッサーズ・チョイスの一本。9年もの、40度。
 糖蜜やカラメルのヘビーな香り、厚みのある優れた食後酒。クロフォードの原酒モルトだが、ブレンドされた製品とは異なり、すこぶる辛口に仕上がっている。
 ウォッシュ(もろみ)の一部を3回蒸留するのが、ベンリネスの特徴。大半は2回蒸留だが、それに3回蒸留を施したものを加えることによって、よりライトタイプのモルトになるという。ドライだが、ボディが厚く、リッチなフィニッシュ。
 ハート・ブラザーズ社、ヴィンテージ・モルト社、ブラックアダー社などから加水タイプのボトルが頒布されている。ダグラス・レイン社、ブラックアダー社、ボトラーズ社、イアン・マキロップ社、ユナイテッド・ディスティラーズ社のレアモルトからカスク・ストレングスが頒布されている。

グレンユーリー・ロイヤル
 【グレンユーリー・ロイヤル '76(ゴードン&マクファイル)】1500円
 コニッサーズ・チョイスの21年もの、40度。
 アーモンドの香りに、蜂蜜、ピスタチオ、アンゼリカ、ミントの味わい。ライト・ボディだが、酒質は堅く、しっかりしている。緑葉もしくは樹皮を噛んだようなフィニッシュは長く、シナモンの華やかな芳香が残る。
 アロマティックなウィスキーを代表する、東ハイランドの隠れた美酒。1985年に蒸留所は閉鎖、ライセンスは92年に取り下げられた。
 ヴィンテージ・モルト社から加水タイプが、ケイデンヘッド社、シグナトリー社、ダグラス・レイン社、ユナイテッド・ディスティラーズ社のレアモルトからカスク・ストレングスが頒布されている。とりわけ28年もの、58.4度のレアモルトはオロロソ・シェリーのアロマが顕著。

ノックドゥー
 【ノックドゥー '89(ケイデンヘッド)】1100円
 オーセンティック・コレクションの一本。バーボン・ホグスヘッドの10年もの、56度のカスク・ストレングス。限定306本のシングル・カスク。
 ディスティラリー・ボトルのブランドは「アン・ノック」だが、「ノックドゥー」とは味わいガ異なる。アン・ノックは麦芽の風味と微かなスモーキー・フレーバーを持つフレッシュなキャラクターが売りだが、ノックドゥーは完熟林檎や西洋梨、スコッチ・バターの艶のある香りなど、遙かに濃厚でパワフル。香味に求心力がありベクトルも強く、クリーミーなラスト・ノートを堪能できる。
 アデルフィ社とケイデンヘッド社のカスク・ストレングスの他、ディスティラリー・ボトルで21年と23年ものカスク・ストレングスが限定頒布されている。共に傑出したボトルである。

フェッターケアン
 【フェッターケアン12年】700円
 40度のディスティラリー・ボトル。
 2002年10月の発売。ブランドと蒸留所名が統一され、熟成年数が10年から12年に、アルコール度数が43度から40度に下げらた。当初は1リットルボトルによる頒布。
 旧ボトルの「オールド・フェッターケアン」と比して確実にまろやか、唇に触れた時のえも言われぬ甘味。ホワイト&マッカイの原酒モルトのひとつ。
 芳ばしいヘーゼルナッツや胡桃の風味、甘辛のバランスにすぐれたユニークな食前酒。スムースでシルキー、清爽なフィニッシュ。ミディアム・タイプ。
 フェッターケアンは熟成庫の広さと保管する樽の量が多いことで識られる。
 キングスバリー社とマッカーサー社のカスク・ストレングスの他、旧オーナーのジム・ビーム・ブランドからスティルマンズ・ドラムの一本として26年ものが頒布されている。さらに、現オーナーのキンダル・インターナショナル社からシングルカスク・セレクションと銘打って72年、73年蒸留のカスク・ストレングスが頒布された。かつてシグナトリー社から80年蒸留のヴィンテージものがボトリングされたが、スティルマンズ・ドラム同様、特筆大書すべき逸品だった。



投稿者: 一考    日時: 2003年04月11日 03:58 | 固定ページリンク





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