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一考 | ボトラー情報7

 ダグラス・レイン社はスチュアート・ハンター・ラングさんとフレッド・ハミルトン・ラングさん兄弟が営まれるインデペンデント・ボトラーです。今日4歳年下のフレッドさんが来店、当ホームページの間違いを指摘されましたので、修正させて頂きます。
 修正個所は「チル・フィルターの施されたものがクリアーボトルで、施されていないものがグリーンボトル」の部分です。最初の2年間はチルフィルターを掛けていたが、現在ではすべてのボトルがノン・カラーにしてノン・チル・フィルターであるとの由。10~15年ものをクリアーボトルに、16年以上熟成されたシングル・モルトをグリーンボトルに詰めているそうです。ちなみに、ラベルはもったいないので古いものを使用、着色と濾過に関する記述は信じないで下さいとのご意見。昔のラベルを捨てもせず訂正もせずに用いるのがスコットランド式らしく、その姿勢を微笑ましく思いました。
 2日前に、87年蒸留の15年ものラフロイグ、限定348本のシングル・カスクがクリアーボトルで入荷したのですが、それも着色と濾過は一切施されていないことが確認されました。また以前はローダブルの名を用いていたが、ラフロイグ蒸留所の許可を得、今回のボトルからラフロイグ名でボトリング出来るようになったそうです。
 フレッドさんによると、1949年の創立以来、免税店のブレンデッド・ウィスキー(デキャンタ)が主な商品であり、特に南アメリカを最大の市場としてきたが不景気に見舞われ、環太平洋全域に市場を拡げたものの日本経済の落ち込みにあえなくダウン。4年前から上り調子のシングル・モルトにアイテムを変更したが、思えば随分と貴重な20~35年ものモルト・ウィスキーを惜しげもなくブレンデッド・ウィスキーに使ってきたものだ、との溜息まじりのお話でした。
 ウィスキーのボトルは昔からグリーンかブラウンと相場が決まっていたが、色合いの確認のためにクリアーなものを望む声が多く、もっか考慮中とのこと。色合いよりも澱の確認のためにクリアー・ボトルが好ましいのではと思いました。かつてはチル・フィルターはなく、60度位でのボトリングが普通だったので、気温の変化による瓶内の白濁を嫌って色硝子が用いられた。また瓶内の白濁にとどまらず、日本人が氷や水を用いるのでチル・フィルターの使用のやむなきに至ったのが実状だそうで、ブレンデッド・ウィスキーはかまわないが、シングル・モルトはやはり氷も水も使わないで頂きたいとのこと。日本人の節操のなさ、見てくれ至上主義をやんわりと非難されました。
 ダグラス・レイン社は父方の、ダグラス・マクギボン社は母方の一族が営み、ミルロイ兄弟とは古くからの友であるともお聞きしました。はるばるスコットランドからの手土産を頂戴し恐縮、未開封のポートエレンにサインもいただきました。ウィスキーは飲むものであって飾り物にする趣味は私にはまったくないのですが、当ボトルだけは店の唯一の宝物として開栓しないでおきましょう。ダグラス・レイン社の今後のご活躍をお祈り申し上げると共に、フレッドさんをお連れ下さったジャパン・イン・ポートの皆さんに感謝致します。



投稿者: 一考    日時: 2002年11月19日 23:04 | 固定ページリンク





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