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一考 | 西脇流リバーサイド

 し~ちゃんへ
 処女歌集『恋する肉体 koisuru karada』飛鳥新社の売れ行き好調らしく、我がことのように喜んでいます。早く二刷になるとよろしいですね。
 思いとは日々の泡のようなもので、甚だしく印象的です。文章を著すとはその断碑断章を選り取り、些かでも論理的に見えるように取り繕う行為なのです。それ故、著されたものは原初の思いとは懸け離れたものになります。
 ふつふつと湧いては消える泡、またはつぶやくさま、そして寄せては返すさざれなみのごときル・サンチマン、そう言ったあぶくの呼吸のようなものをピンで留めるように文字で捕捉できないものかと考えてまいりました。そんな時に貴女と出会ったのです。
 埒もなく生き延びてきた証である自らへの懐疑を振り返り振り返り拾い集める、そのしゃがみ込んだ場所が渡し場であろうが、路地裏であろうが、山の辺の道であろうが、連れ込みホテルであろうが、委細構いはしないのです。そこに存在の悲しみ、さびしさがあるのですから。
 貴女の作品の底流を流れる尊厳と欺瞞の弁証を私は高く評価します。だって、人は自らへの不実と相対するしか生き延びる術はないのですから。
 またお会い出来る日を楽しみに、そして「恋愛ショート」には期待致しております。



投稿者: 一考    日時: 2002年08月23日 20:21 | 固定ページリンク





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