ですぺら
ですぺら掲示板1.0
1.0





« 前の記事「自転車、金魚、書物」 | | 次の記事「西崎憲さん祝賀会」 »

一考 | 苔の生えた反抗期

 ムーンさんへ
 隆慶一郎こと池田一朗さんが命名した愚息隆君がいよいよ上京の予定。川畑女史よりもめごとの解決を求める連絡が入りました。貴方からあらましを事前に聞いておりましたので助かりました。
 自らを省みるに中学生ともなれば性欲が生じます。その性欲を飼い慣らすまで情況は未分化なままです。もっとも分化されてしまえばそれは性欲ではなくなるのですが。
 いくら歳を経ても性欲は頭をもたげてきます。分化したつもりが、妄想とのインバネスを羽織ってこやつは日々定期的に登場します。
 怒り、懼れ、おののき等々、いかように名付けようとも詮無い話で、その時は頭がポッポッと白い煙を吐き続け、学業も仕事もへったくれもあったものではないのです。
 理解しようとしても無理、咀嚼しようとしても駄目、対応しようとしても無駄。要はコクトーの云う「宛先のない怒り」・・・反抗期とは性欲すなわち妄想の謂いなのではないでしょうか。
 性欲‐妄想‐情念‐思想との流れはそのまま人生の起‐承‐転‐結に当て嵌まります。内、起承が観念に相当しましょうか。言い換えれば、性欲と妄想とが未分化な情況をもってはじめて「観念的」なる文言が生じるのではないかと、それは私の経験則であると同時に今なおその渦中から一歩も動けずにいる、というのが実態なのです。苔の生えた反抗期をいまなお繰り返しているのですよ、私は。
 この辺りの消息は母親というよりも女人には理解出来ない部分なのです。たまに観念的なセックスを好むということを述べ立てる女性がいますが、話を聴いてみると出鱈目インチキ。どこに妄想があり、どこに観念があるのですかと逆に尋ねたくなります。
 性と恋愛との分化という私流の些か荒っぽい解決法もあるのですが、それは今の隆君には二、三年は早いようにも思われます。取り敢えず話し合いましょう、解決は与えずに明石へ帰すことになります、と川畑女史には伝えました。

 管理人の櫻井さんが隆君のふるさとである神楽坂を一日案内しようと仰って下さいました。店の営業時間中はどうしようかと思っていましたので、ただただ感謝。家に捨て置くのも店へ同伴するのも憚られます。他の日をどうするかこれから考えねばなりません。
今日は店が終わり次第、隆君と訪れるであろうキャンプ場の下見に奥秩父へ行きます。八月半ば、やや気の重い晩夏を迎えることになりそうです。
 隆君も当掲示板を読んでいます。そのための前哨戦としての書き込みです。彼は私の子供です、されば正面から私に立ち向かう他ないのです。



投稿者: 一考    日時: 2002年08月03日 21:42 | 固定ページリンク





« 前の記事「自転車、金魚、書物」 | | 次の記事「西崎憲さん祝賀会」 »

ですぺら
トップへ
掲示板1.0
トップへ
掲示板2.0
トップへ


メール窓口
トップページへ戻る