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高遠弘美さま
すぐにお返事できずにすみません。さて、ご質問の件ですが、夫に教えて貰いました。
1.に関しては、そのとおりです。
2.に関しては、1981年からです。
もう少し詳しく申し上げますと、確かに明治初頭の翻訳では「法王」とされ、枢機卿の読みについても「すうきけい」と「すうききょう」が混在して使用されておりました。また、教会内部では教皇の名称が一般的でしたが、特に問題にはしておりませんでした。
しかし現代になり、1981年の教皇ヨハネ・パウロ2世の来日にともない、教会用語を用いて報道される場合の混乱を避けるため、日本におけるカトリック教会の対外窓口であるカトリック中央協議会(日本カトリック司教協議会)において、「ローマ教皇(きょうこう)」、「ローマ教皇庁(きょうこうちょう)」、「枢機卿(すうききょう)」で統一することを公式に決定、各メデイアに正式に通知したという経緯がございます。
従って、従来のローマ法王、ローマ法王庁の呼称も決して間違いではなく、()の中にローマ教皇庁を併記してある場合も増えてきたようです。また、英語では the Holy See となり、「聖座」が正しい翻訳です。国連や外交の場ではこの呼称が用いられます。
そこで結論になりますが、現在、他宗教でも「法王」号を使用しており紛らわしいきらいがあるのも事実なので、今後、少しづつ、マスコミ各社、教科書などでの「ローマ教皇」併記での用語の統一がすすんでいくことでしょう。
一考さま
どんな青だったのでしょう。水とも空ともつかぬ青さが私の中へ広がりました。「どう咀嚼し読み替えるか」とありましたが、私も私なりに彼女の文学に出会えたことを無駄にはしたくありません。
昨夏、原民喜展を主催したため、久しぶりに民喜と向き合う作業が続きました。彼の死についての想いが10年前と比べて大分変わってきていたし、驚いたことに、10年たって初めて気付いたこともありました。そんな風に、今の痛みは変わらなくとも、月日を重ねるうち、彼女の死を受け入れることができるかもしれません。
「失われた庭」は日本海沿いを鈍行列車にえんえんと乗りながら旅する中で初めて読みました。プレ=ラファエロ前派の本、決して読むことのできないあの本を幾夜、夢想したことでしょう。
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