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一考 | (無題)

 如月さんへ
 矢川さんの「失われた庭」における「ポスト=プレ=ラファイエット」は94年2月に上梓された初版本からの誤植がそのまま「作品集成」(414、435頁)に持ち込まれたものです。ご指摘の通り、正しくは「ポスト=プレ=ラファエリット」になります。言い訳になりますが、私が校正をお手伝いしたのは詩歌の部分のみ、差別用語でかなり紛糾しましたのも懐かしい想い出です。それにしましても、実に細かいところまで丹念に読み込まれる貴方の姿勢に感服、矢川さんも佳い読者を得て本望かと・・・しかし脚注まで解読なさらないで下さい。

 高遠さんへ
 現在では「ローマ教皇」に統一と考える方が自然でしょう。ちなみに「シュオブ小説全集」でも教皇を用いました。59年にドン・ボスコ社から上梓された橋口倫介訳のドルメッソン著「教皇」あたりから一般化されたようです。
 ジッドの本邦初訳は大正12年の本間久雄訳「オスカア・ワイルド」でしたが、以降、昭和3年に上梓された石川淳訳から新庄嘉章や中島健蔵のエッセイに至るまで「法王庁の抜け穴」が用いられています。ご指摘の通り、そちらは定訳ということでよろしいのではないでしょうか。法王ですと仏としての法王や法皇を連想しますので、私は教皇の方が好みです。
 枢機卿は公卿(コウケイ)・六卿(リクケイ)等から「すうきけい」との読みになったのではないでしょうか。ただし、こちらは既刊書にルビがうたれていないので、いつ頃から変化したのかは分からないでしょう。日本国語大辞典と広辞苑は「すうきけい」ですが、百科事典の類は「すうききやう」で統一されているようです。林達夫公認の「すうききやう」ならそれはそれでよろしいのでは。ジッドかジイド同様、共に間違いではないのですから。



投稿者: 一考    日時: 2002年06月16日 14:08 | 固定ページリンク





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