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金光寛峯 | 先に死んだ方が負け

仕事がずれこんで宴たけなわのころに参入しましたが、火曜はたいへん気持ち
よく酔えました。
添野さんのご紹介で、歌人の玲はる名さんなど初対面の方らと、短い間でした
がとても面白い話ができたのが収穫でした。
河東碧梧桐 (碧門) の自由律俳句をすこし読んだが、自然観照だけに留まらずに
人情や人同士の機微も直接的表現で詠ってみせる― ということのようだけど、
どうもそうよいものとはおもえなかった、やはりこれは残らないのではないか
云々という話をしたところで――
俳句を嗜む小説家はけっこういる、けれど短歌も小説も両方やる人はあまりいない。
俳句だと季語もあるし語数も決定的に足りない。だから小説で自己表現にむかう、
短歌だと自己表現できてしまうので、もう小説のほうまではやらない、という指摘
には膝を叩きました。歌人で翻訳家という方もおられますね。

いったんお開きになったあとにはこじんまりした囲み。厳しいご意見など拝聴。
ここには書けないよな裏話など伺うと、「先に死んだほうが負け」というのは
一面の真理かと考えてしまう次第。
例えば平亭翁にしても、十代のころに詠んだ俳句を今更活字にされるとは、こりゃ
思いもよらなかったでしょうね。あの気取りたっぷりの句を見つけたときは嬉しく
なって、よし、ともかくもこれを活字にできればそれで満足だ、とつっ走りました。
ご存命なら絶対に「止しな」と言ったでしょう。
しかし、もうお亡くなりであれば、これはいたしかたなし、先に死んだ方が負けと
いうものです。生誕百年の記念だったら、一発こんなヤニ下がったやつもありでしょ
う。面白いんですから、先生、一回くらい紹介させてくださいな。そう心の中で念仏
あげながら書いた、わるものです。



投稿者: 金光寛峯    日時: 2002年02月07日 01:19 | 固定ページリンク





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