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如月 | アラビア語とボイン

一考さん、現行の政治情勢のなかでは、<ウサマ>と<オサマ>の間には絶対的 な違いがあるかも知れませんが、そもそも古典的な正統アラビア語には母音字が ありませんでしたし、アラビア語では子音さえ間違えなければ、母音をどう補う かは読み手、話し手の裁量にまかされている部分が大きいのです。 アラビア語の例がすぐに思いつかないので、たとえばお隣りヘブライ語では、Jhv はaaeと補おうが(この場合はヤハヴェとなる)、eoaと補おうが(この場合はイ ェホヴァとなる)どちらでもかまわないというのと同じことです。  *   *   * ついでながら、こうした古典アラビア語の特徴が、「コーランは翻訳不可能」と いう<思想>と繋がっているようです。というのは、コーランを実際に音読する 際にはいろいろな母音を補わなくてはならないのですが、どういう母音を補うか で<意味>が変わってしまう。そうした多元的な<意味・解釈>をすべて含んだ うえで、あえてそれを一つの形象(文字体系)としてあらわしていったのがコー ランであり、さらにいえばそこに啓示の意義があるというのが、現在のイスラー ムの多数派であるスンニー派の考えです。ただこれは、あくまでもアラビア語の 表記体系からきてるんですね。 われわれからすると、こうした言語体系は不便、不合理極まりないようでも、わ れわれの国だって、<日本>と書けば問題はないが、発音上は<ニホン>と<ニ ッポン>の2つあって、それでいて<日本人>は不便を感じない。そんなことじ ゃないですか。 結局、なんでもかんでもアルファベットで表記できる(表記可能)というのが、 無意識の欧米中心主義という気がしないでもありませんけどね♪  *   *   * 以上、どうでもいいようなことを長々と書き連ねましたが、これも金魚、自転 車、料理に通底するものと御堪忍あれかし。



投稿者: 如月    日時: 2001年10月12日 13:50 | 固定ページリンク





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