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一考 | 政治がおもしろい

 「書き直し」で書こうとしたのは論じる側と論じられる側との両義性についてである、と書いても通じないので具体的に書く。民主党や社民党の幹部が異口同音に今回の政変を自民党のコップのなかの嵐という、個とか政策といった発想がなにもなく、組織のことしか念頭にない岡田克也氏や菅直人氏にはそうとしか見えないのであろう。他者を論じるときには、必ずや自身の化けの皮が剥がされる。ひとは自らの頭脳水準でしかひとをはかられない。
 今回の民主党の若手議員に対する締め付け、拘束は凄まじいものだったと聞く。郵政民営化に賛同する民主党議員は約80名、それらの意見をことごとく無視し、対案すら提出せずに反対を強いる、そこに独善的かつファッショな組織の匂いを嗅ぎつけたのは私だけではあるまい。先頃、郵貯の縮小をはじめて口にしたが、縮小に伴う人員整理をどうするのか、官から民への資金の流れをどのように設えるのか、またもや具体論はなにもない。民営化しなければ、郵政公社の職員は公務員である。公務員の首を切るためには法律が必要である。JPUや全郵政をはじめ、官公労に支持される政党にそのような法律は作られない。それよりなにより、公務員の首を切るための法律など、国会で承認されるはずもない。掛け声だけで国民をたぶらかすのはいい加減にしろ、といいたくなる。
 衆院選マニフェストの「政策各論」で予算の無駄遣いを洗い出し、3年内に歳出10兆円を削減するとある。しかしながら、小泉首相は3年間で10兆円を超える削減をしてきた。歳入が40兆しかないのに、70兆の金を使う政府も政府だが、小泉氏が首相になる前年に組まれた歳出は87兆であった。財政改革の大元は人件費の削減にある、だからこそ民営化しか手立てがないのである。
 「投票」で書いたように、郵貯・簡保の縮小や郵政民営化の必然性は当事者を含むみんなが諒解している。郵政公社の職員たちは地方経済の疲弊や利便性を口にするが、郵便のネットワークや郵貯の維持は廃案になった「郵政民営化法案」に明記されている。にもかかわらず反対するのは保身以外のなにものでもない、公務員という身分の保障が安逸な夢が棄てられないのである。
 「特定郵便局は19000局、簡易郵便局は4500局を数える」と書いた。19000局のうち地方の町村にあるのはわずか2000余局、他は都会にある。この十年で北海道の人口2000人を切る町村にすらコンビニが開店したのを確認した。それらコンビニにATMを設置すれば郵便局の存在意義は半減する。どうしようこうしようと煩悶する前にどのような手立てがあるかを考察するのが、政治家の仕事ではないだろうか。われわれ一般人はたかだかネットの情報しか持たない。政治家、それも政権を担当するひとたちの情報網には畏るべきものがある。第一に国会図書館は国会議員のために設けられた専用図書館ではないか。
 今回、自民党が義理と人情にまみれた政権維持政党から政策集団に変わろうとしているのはみものである。昔からの支持母体である郵政一族を切り捨ててまで政策を完うしようとするのは健気ですらある。だが、郵政民営化の裏で着々と進められている自民党の構造改革に着目したい。ポスト小泉を狙っていた平沼、亀井、高村、古賀、加藤、麻生各氏のような、いわゆる中二階が討ち死にし、大幅な世代交代が行われそうである。郵政民営化がもたらす次の問題は民間過剰債務の戦略的なカットであり、その処理は旧世代には無理である。金融調査会や財務金融委員会の若手のお出ましを願わねばならない。小泉首相が描く戦略に興味を抱いている、12年ぶりに政治がおもしろくなってきた。



投稿者: 一考    日時: 2005年08月16日 18:12 | 固定ページリンク





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