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龜鳴屋
勝井隆則さま
一考さんの紹介で、先日御社刊行の伊藤人誉著『幻の猫』を需めました。
けふ昼頃でしたか何の気なしに読み始めたら、あまりの面白さに頁を繰る手が止まらず、さきほど読了いたしました。
亢奮がさめやらぬまま、また直前二回に続けての書き込みになつてしまふにもかかはらず、ひとこと御礼申し上げたくて、書かせて頂くことにしました。一考さんが先月半ばに書かれてゐるごとく、勝井様のやうな出版人と同時代に生きる幸せをつくづく感じます。
どれも傑作といふほかない、みごとな小説ばかりで、心底堪能しました。近頃、ここまで面白い小説を読んだことがありません。どの作品も読後感が強烈で、といつて決して押しつけがましくなく、いつまでも余韻が残る、素晴らしい小説だと思ひました。これこそ小説でしか表現できない世界です。
そこでお願ひなのですが、ぜひ伊藤氏の小説の第二集をつくつては頂けないでせうか。著者自筆年譜によれば、まだまだ御作はあります。タイトルを拝見するだけですぐにでも読みたくなるやうなものばかりです。「女の声で泣く蛙」「赤い洞窟」「幻の虫」「光る鎖」「落ちてくる!」「寝化粧」「登山者」「青の湖」「盗人は夜来る」などなど。短編集『登山者』や長篇『猟人』は1958年の刊行ですから、入手はなかなかに困難ではないかと拝察いたします。
ぜひ、ぜひ、御社での第二集の刊行を、読者のひとりとして切にお願ひ申し上げるしだいです。
失礼の段は何卒ご容赦ください。
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