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哲さんへ
ですぺらの掲示板へお書きくださったことに感謝致します。貴方が編集者なのは知っていましたが、表現なさる方だと確認し、少々安堵致しました。なぜなら、表現は自らの苦衷を客体化する行為なのですから。
貴方の話は絢子さんから何度もなんども聴かされました。「あなたがいたから私は最後の五年間を生きてこられたの」そのとおりです。貴方という連れ添いを得た彼女は仕合わせだったと信じています。
「明日が来るのがおそろしい」とこれもまた、幾度となく彼女から訴えられました。私にはなすすべはなかったのです。だからこそ、「よくやりました。よくやりとげました」との言葉が理解できるのです。掛け値なしの貴方の肉声として深く諒解させていただきます。
「『えっへん!』とでも言うのでしょうか」との言葉には貴方と絢子さんとの呼吸が、互いのこころの鼓動が感じられ、思わず涙が頬をつたわるのです。
私は拙い存在ですが、彼女のことは忘れません、忘れませんとも。どうして彼女のことを忘れられるのでしょうか。魂が、肉体が消滅したあとも、記憶の襞の奥深くに栖をかえて人は生き続けるのです。
通夜のあとは朝の六時までみなさんと語り合いました。葬儀のあと、店の掃除と明日の仕込みを片づけ、酒の補填に葛西まで出掛け、たったいま帰宅したところです。他ならぬ貴方の書き込み、返事が遅くなりましたことをお詫び致します。いささかの時を経たあと、絢子さんを偲ぶ会をですぺらで催しましょう。
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