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一考 | 山崎剛太郎さんの著書

 山崎剛太郎さんの著書「一秒四文字の決断──セリフから覗くフランス映画」が春秋社から上梓されました。山崎さんがフランス映画の字幕翻訳を手掛けられて半世紀になりますが、その間、折に触れて綴られた文章をまとめしもの。映画ファンにはこたえられない一本と申せましょう。
 1985年7月に山崎剛太郎さんの小説集「薔薇物語」が雪華社から上梓されました。当時、私は雪華社の編集長でした。「戦前の短い一時期の、甘美な憂愁の空気を湛え」た作品、「一人の若くして虐殺された作家」の悲しみとはかなさを封じ込めた作品に魅せられて「薔薇物語」を出版したのです。栞は立原道造、堀多恵子、加藤周一、高野悦子、中村真一郎、小山正孝、矢内原伊作、白井健三郎、新庄嘉章という豪華メンバーで、中村真一郎さんは栞の他、書評まで著して下さいました。立原道造が示唆するのは堀辰雄のそれとは異なるユニークな悲しみであり、プルースティアンに相応しい肌理の細かい文体への共鳴でした。
 文学からリリシズムが喪われて久しくなります。「一秒四文字の決断」によって清澄な氏の文章にふたたび巡り会い、颯爽とした氏の声貌に接する機会を与えられたことに感謝致します。

 「出版をお祝いする会」は2003年5月31日(土)正午より2時まで。
 品川駅前のホテルパシフィック東京 白珠・漣の間。会費は10000円。
 連絡先は株式会社春秋社総務部内「山崎剛太郎さんの著書出版をお祝いする会」事務局。
 千代田区外神田2ー18-6 電話03ー3255-9610です。
 なお、出席の連絡は5月6日までにお願いします。



投稿者: 一考    日時: 2003年04月25日 05:58 | 固定ページリンク





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